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桐箱の布団に客をむかえるはなし  作者: ぽすしち
 四

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22/32

くわれる

 あまりの痛さにふりかえってみれば、黒い獣のようなみたこともない化け物が這いつくばり、その黒い毛におおわれた手の先につく、とがってまがった五つの爪を、ヒコイチの足の肉へとくいこませていた。


 むきだした歯から、しゅうしゅう、と息を吐き出す化け物の額がわれて、血がながれている。

 黒い目玉がさらにおしだされたようにふくらむと、もう片方の手がヒコイチのもう片方の足をつかんだ。



「 まずはおまえだア 」



 化け物の顔だけが大きくふくらんで、赤い口の喉奥がみえるほどひろがった。



  くわれる



 思ったときには化け物の上あごが頭の上にひろがって、すまねえ、と謝りながら、ずっとにぎってたもとにかくしていた硬い貝をむこうへ投げた。


 だが、地に引きずられたこの姿では、たいして遠くへ投げられない。




 これじゃあもう、死んだあと、みんなに顔向けできねえなぁ



タニシをむかえにいくのが決まったヒコイチに、『先生』が用心のためにと渡そうとしてくれた《守り札》を断わったのは、すこしばかり《不思議》なことに巻き込まれても、どうにかできると高をくくっていたからだ。


 


 いままでも、おれの力でどうにかなってたわけでもねえのに・・・



 悔やんでも悔やみきれないおもいで地面をつかむ。


 獣の口にこもるひどい匂いとせまってくる気味の悪い舌の熱を背に感じながら『みんな』のことをおもい、タニシだけどうにか助かってくれと願い、目をとじた。









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