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桐箱の布団に客をむかえるはなし  作者: ぽすしち
 四

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20/32

思うつぼ


 道ではなくわきにある雑木林にはいるのは、きっとこの女の思うつぼだろう。


 たしか、ここに来る前の集落のてまえに、道祖神か庚申塚だかがあったはずだ。あそこまで道をもどればどうにかなるかもしれない。


 そうおもってめざす道のさきに、白い煙が両側からわきたち、道を閉ざすようにゆくてをふさいだ。

 さっき山からおりたモヤとはちがい、白く濃いそれは、様子をうかがうように渦をまいてはいるが、ヒコイチに寄ってはこない。



  たかが煙だ



 おのれにいいきかせ、後ろからきこえる化け物の声に追い立てられるように真っ白な中へと飛び込んだ。



  まっすぐすすめばいいだけだ



 飛び込んだとたん、白い煙はヒコイチをよけるように両側へとわかれてゆき、あいだにできたすきまを『まっすぐ』と信じて駆けた。

おさえた懐の箱の中が、カタカタン、と音をたてていて、タニシの殻は、皿とは違って割れないものかと心配になるが、足をとめるわけにもいかない。



 煙が幕をひくようにさがってみえた《すきま》の先にあの女がまた、片手をあげて招いていた。


 あわてて脚をとめ、来た方へと戻ろうとすれば、振り返ったそこには道はなく、雑木林がひろがって、ヒコイチはいつのまにか林のなかへと駆け込んでしまっていた。






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