表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/32

布団には


 その布団は、四日前にヒコイチが、元締めのところからお屋敷へと、いつもの背負子しょいこで運んだ。



 背負い箱に入れる前にみせてもらったその小さな布団は、ほんとうに絹で仕立ててあって、掛布団はひどく薄かった。

 なにもきかずに布団をわたしてくれた元締めには、この布団はダイキチさんが『百物語』をして出会った人の《人形》のためのもので、ダイキチさんがつかうんじゃねえよ、といいきかせておいた。ヒコイチが眉間にたてたシワにくちをすぼめた元締めは、そりゃ下衆げすばったことを言っちまって悪かったと、眉をさげ、「・・・その《人形》ってのは、もしや《生き人形》かい?」とはなしを聞きたそうに首をつきだしたが、それにはこたえず、ごまかしたままあとにした。


 そう思ってくれていたほうが、ヒコイチとしてはありがたい。


 『生き人形』のはなしは、不思議ばなしの本にもいくつかのっているだろうし、おかしな話しだが、生きている人形のほうが、布団は入用いりようだろう。



 だが、ほんとうは、布団にはタニシをいれる・・・





 ヒコイチの知っているタニシは、田んぼか、その近くの水の中にいるものだ。





 それがいったい、どうやって山道をやってきて、布団に寝るのだ?




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ