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ヒューマンドラマ作品

霧散


イライライラ、イライライラ


怒りが溜まる、溜まる。


イライライラ、イライライラ


テレビを点ければ、人を殺してみたかったってほざくガキのニュースや、道を傍若無人に走り回り子供を轢き殺した馬鹿のニュース。


人を殺したければ他人じゃ無く親兄弟を先に殺せよ。


自分がレーサーだと思ってるのか? いい歳してそんな判別も付けられない馬鹿が車を運転するな!


イライライラ、イライライラ


怒りが溜まる、溜まる。


新聞を開けば、遊泳禁止の場所で泳ぎ溺れる間抜けの記事や、河原やキャンプ場でバーベキューを行いゴミをその場に捨てていく馬鹿グループの記事。


遊泳禁止の場所で泳いで溺れるなら人に助けを求めるな! 1人静かに死ねよ。


ゴミは持ち帰るってルールも知らん奴がバーベキューなんてするな! 自宅の庭ででもやっていれば良いんだ。


イライライラ、イライライラ


怒りが溜まる、溜まる。


道を歩けば、スマホをガン見して前を見ずに歩く女子高生や歩道を塞ぐように歩く若い奴ら。


お前らみたいなガキは赤信号を渡って轢かれちまえ。


イライライラ、イライライラ


怒りが溜まる、溜まる。


一番苛つくのは小心者でそいつ等に注意できない自分。


イライライラ、イライライラ


怒りが溜まる、溜まる。


今も早朝散歩をしている私が横断歩道を渡ろうとしたら態々交差点の横断歩道上に車を止め、私の横断を邪魔する何処かのヤクザのチンピラらしい二人組。


私の顔をニヤニヤしながら眺めている。


私の対面から横断歩道を渡って来たトレーニング中のボクサーらしい格好の人が、二人組が乗る車の窓を叩く。


運転席のチンピラが窓を開け怒鳴っ……。


「何だ? ゴ……」


窓が開いた途端、ボクサーらしい格好の男がポケットから拳銃を取り出し運転席のチンピラに向けて発砲。


タンタンタンタン


運転席のチンピラを射殺すると拳銃を助手席のチンピラに向ける。


「ヒィー! た、助け……」


命乞いも虚しく助手席のチンピラも撃たれた。


タンタンタンタン


チンピラ2人を射殺したボクサーの格好の男が顔を上げ私を見据える。


私はその男、20代前半の東南アジア系の顔つきの男に向けて両手で自分の顔を覆いながら叫ぶ。


「私は何も見ていません! 今、スマホもケータイも所持していないから通報もできません、腰が抜けているんで貴方を追う事もできません」


言いながら身体を丸め歩道に伏せた。


丸まっている私の耳に人が走り去る、タッタッタッタッタッタッって言う足音が聞こえ、足音は暫く走ったあと車に乗ったのか車が走り出す音と共に消えた。


暫くして車の走行音が近づいて来てブレーキ音共にクラクションが鳴らされる。


私はノタノタと這ってその車に近寄り叫ぶ。


「ケーサツ! ケーサツ呼んで!」






そのあとパトカーが何台も駆けつけ私は警察官に事情聴取される。


「覚えている事を話して頂けますか?」


「ハア、……。


撃った男はTシャツに短パン姿のランナーのような格好をしてました。


キャップを被りスポーツ用サングラスをしていたんで顔は見えませんでしたが、雰囲気から30代から40代くらいの年齢のように思えます。


覚えているのはこれくらいかな?」


「ありがとうございます。


後でまた思い出す事がありましたらご連絡ください」


名刺を渡され放免された。






警察に何で嘘をついたかって?


だって、あの男に私は顔を見られているんだよ、本当の事を言ったら報復されるかも知れないじゃないか。


まあ本当の事を言うと、助手席のチンピラの命乞いの叫び声を聞いて、溜まりに溜まっていた怒りが霧散したからなんだけどね。






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― 新着の感想 ―
[一言] ボクサーなら己の拳でかたをつけろ、と思わなくもない
[一言] 行き過ぎた暴力に怯えながらもどこかでスカッとしてしまうような気持ち、なんだかわかってしまうような……そしてそんな自分がやばいような気にもなりますね……(´・ω・`) 生きていると無性にイライ…
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