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お前さえいなければ  作者: 冬馬亮
12/12

エピローグ




 カールハインツ(エッカルト)に関する記憶は、人々の中から消えた。


 カーライルとシンシアの間に生まれたのは双子ではなく、最初から男の子ひとり。そう、カークライトひとりだけで、前日の騒動も、カーライルが酒瓶を振り回しながらカークライトを追いかけた事になっていた。


 今となっては、カールハインツ(エッカルト)の存在を覚えているのはカーライルだけだ。



 そのカーライルは、ずっと地下牢に繋がれたまま、ひとりブツブツと怨嗟の声を上げ続けている。



 ―――お前さえいなければ、俺が跡取りだった。



 ―――お前さえいなければ、彼女は俺を見てくれた。



 ―――お前さえ、そうだ、お前さえいなければ。





 カーライルは、最後まで前を向けなかった。




 その後、カーライルは生涯を終えるまで地下牢に留められる事になった。突発的に酷く暴れるからだ。



 対外的には病で伏せっている事になっているカーライルが公的に病死(・・)するのは、これより15年も後となった。



 カークライトが22歳。


 祖父から公爵位を継いで一年が経つ頃だった。







 [完]












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― 新着の感想 ―
くっ、暗い....暗すぎる。
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