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コロルサイド 鋼鉄翼の屠龍機  作者: 桜エビ
本編
7/14

幕間~オーエン・シュタライカの自習的手記~

 これは私、オーエン・シュタライカが軽い気持ちで紛争地帯に足を踏み入れたことを自ら反省するべく、保護してもらっている国連軍の会話に置いていかれないよう自習したノートのようなページである。

 のちの記事にてまとめる際、もしかしたらここで勉強している内容、単語をそのまま書いてしまっているかもしれない。

 ・コロルサイド/グレイワールド

 それぞれの世界の名である。コロルサイドが現在私が生きている、魔法が存在している世界。グレイワールドは私の前世が暮らしていた、魔法が存在しない世界である。

 コロルサイドは神による世界の創世からしてグレイワールドを模倣していると言われている。そのためグレイワールドとは物理法則部分で共通点が多い。現在ヒト型生命体ないしヒトと同等の知的生命体としてはエルフ、龍、ドワーフ、獣人、ノームなどが挙げられる。神から開放されて以降、紆余曲折を得て多くの国では法律上、皆平等の人権が与えられている。これら亜人種は白亜紀末に神が遺伝子に手を加えた結果生まれたと考えられている。(この世界の大量絶滅はこのとき神が一斉に遺伝子操作を行うという暴挙のため、多くの生物が遺伝子変異に耐えられなかったのが理由と言われている。実際、現在生息してるコロルサイド特有の生物の遺伝子には、その痕跡が見つかっている。)


下記はコロルサイドの世界地図(W.G 987年発行のもの)

挿絵(By みてみん)

 


 ・魔術/魔力

 生命エネルギーが別次元への干渉とトンネル効果によって異常増幅したエネルギー形態と、それを使う技術。あくまでそうであろうとされているだけで、なぜ生命エネルギー(俗っぽい言い方をすればカロリー)が物理学で説明できないレベルの異常な高エネルギーになるのか、具体的な未だ原理は分かっていない。

 魔法/魔術とはそれを使う方法や技術のことを指す。

 基本的に意思や命あるものには魔力による何らかの現象を発現できる可能性を持ち、発動や制御には何らかの形で「意識」や「生命」が関与していなければならない。現象が起きている最中にこれら要素が失われた場合、発生している現象及びそれを起こしている魔力は空間と各次元間に拡散してしまう。

 魔力保持量という概念があるが、これは正確にはその人の生命エネルギー量と出力効率である。素質としては出力効率の方が重要視され、魔力量の指標の実態はこちらである。

 属性という概念があるわけではなく、純粋な力場として出力ができるそれを現実に干渉させる技術である。

 しかしその際の法則を鑑みると、物質に変換する係数は物理学で提示されているものよりはるかに小さく、エネルギー保存則やエントロピーの法則などが破綻している。これを応用し、電気エネルギーと魔力を連続で変換し続ける際に発生する、エネルギー保存則の正方向への破綻を利用したMECドライブなどが存在する。

 

 ・MECドライブ

 魔力と電力の相互変換による半永久機関。

 魔力を電力に変換する際はエネルギー総量が増大するのに対し、魔力に戻した際にはその総量のまま魔力に変換されるというバグじみたエネルギー増幅法を用いて稼働している。発明は冷戦期中盤である。当時似た原理で魔力増幅器が存在したが、増幅後の魔力の波長はSIN波に近づくという特性があり、サイクル数が増えるのに応じて魔力の増幅量が減り最終的に0になるという問題があった。

 しかし、オリハルコン98化真鍮の「増幅時の変換シリンダーに用いると、オリジナルの波長に接触した状態であれば、魔力変換後も波長をほぼそのまま増幅できる」という特殊性の発見により性能が向上、MECドライブの発明につながった。


 ・戦闘機と襲撃機、および攻撃機

 戦闘機と襲撃機との違いは、主に大きさと言える。明確な基準はないが、分け方の1つに全幅10m以上か以下かで区別するものがある。MF-16は11m越え、P-16は9mとちょっとである。役割やそう設計されたからそれ、というものもある。一番大きい要素はエンジンであり基本的に襲撃機が純正MECエンジンのみであり、戦闘機はジェットエンジン-MECドライブ併用の物理、魔力ともに高出力のモノを使う。

 戦闘機はその搭載量と出力による中距離戦や一撃離脱。襲撃機は小型軽量でありレーダーにも映りづらいことを利用した、奇襲や運動性を生かした格闘戦を得意とする。

 また、近年は戦闘機に統合されつつあるものの、対地攻撃を主とした戦闘機サイズの航空機(襲撃機では対地攻撃をするのに求められる搭載量を持たない)である攻撃機というものも存在する。戦闘機を爆装させて攻撃機と呼称する場合もある。



 ・FOX~

 フォネティックコードでFを示すFOXTROTを略したモノ。後ろにつく数字はミサイルの追尾方式≒どのミサイルを撃ったかである。

 セミアクティブレーダー誘導空対空ミサイルを、FOX1。

 赤外線誘導空対空ミサイルを、FOX2。

 アクティブレーダー誘導空対空ミサイルを、FOX3。

 とコールして発射する。

 1と3との違いについては、レーダー電波の発信元をどこに置くかであり、1は母機のレーダー波をミサイルが受け取り、3は発振も受信もミサイル単独で行う。

 

 ・スフィア/カットラス

 実弾兵器を撃ち尽くしたときや温存したいときに使用する汎用魔術弾。スフィアが対空用でカットラスが対地用である。

 あくまで対象に特化した性能を発揮するため、爆発の指向性の有無が設定されているだけなので消費魔力などは大きく差がない。また、カットラスを地上の固定物に発射する場合などの長時間誘導する必要がない場合を除いて、魔術誘導弾は常にロックオンを維持していなければならない。

 スフィアは対象の至近距離に近づくことで爆発、構成していた魔力をエネルギー散弾としてまき散らして範囲内を加害する。それに対してカットラスは直撃した後に、本体を構成していた魔力を対象に向けて一点突破的に射出して貫徹する。

 スフィアは速度を欲しているのに加え爆裂して周囲一帯に加害する設計のため、距離が離れるほど威力が減る。カットラスでは弾の構造と速度をそこまで求めていない上に遠距離攻撃もしたいため、減衰はスフィアほどではない。

 特に設定してなければ、対象を認識した火器管制システム(FCS)が勝手に使い分けてくれる。


 ・神

 千年近く前に存在した、この世界を作ったとされる存在。神話によれば、太古の昔は一柱であったが、知恵あるもの(人や亜人の類と思われる)を作ったのちに、二柱に分かれ争い始めたとある。しかし、神という同等の存在は相手しかいなかったため、争いながら打ち解けてしまった。そのため争いは神々の娯楽となり、下界は神々の遊技場となり果てた。

 打ち解けてから2万年の間、神は自らの都合のいい遊戯を続けるため文明の進歩を抑えて世界を運営し続けていた。だが、刺激を求めて外界から新しい駒として転生者を呼び寄せた際、この世界に不満を持ったため裏切られて神は斬られることとなる。

 

 ・VMT

 この世界に存在する人型兵器。装備する火器類こそグレイワールドの模倣であるものを流用しているが、根幹をなす本体のその多くはコロルサイド特有の技術で構成されている。

 元をたどれば、神を斬る際用いられたとされるオーパーツ『神斬りの大鎧』、通称ヤタオパルトの再現を目的としたものであり、考古学者による再現の過程で生まれた試作機であった。それが作業用や軍事用に広がった。(当時はVMTではなく、再現元のヤタオパルトと呼ばれていた。現在でも呼ばれる場合がある)

 VMTとして本格的に兵器化したのは200年近く前の種族間世界大戦から南北世界大戦である。それまでヤタオパルトとして運用されていたのは、内燃機関と連結した魔力増幅器を搭載したモノであり、ランナーも素質あるものに限られていた。南北戦争後期から増幅器の性能の向上で敷居が下がり、冷戦下で発明されたMECドライブによりほぼすべての知的生命体が運用できる兵器に発展した。また、半導体などによる小型COMの搭載がそれを後押しした。

 現在の代表的VMTをメモとして残す。

 

 ホブ首長国及び同盟国

 HT-10 アルゴ

 HTS-14 ラルスロルド

 HTS-18 アルサー


 ボレベイン共和国及び同盟国

 TT-81Mk.2 クラグMk.2

 TT-82W シチェークMk.2

 TT-89 スエントヴィート

今後、この話は単語集として追記を重ねていくかもしれません。

本編を読んでいただいている方で、「この単語どういう意味?」などがあれば、感想などで送っていただけると助かります。それをもとに、ここに追記、解説をしていこうと思います。

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