プロローグ ~開戦~
この世界には魔法なるものがある。
以前生きていた世界とは違う。ここは知識さえあれば炎を吐くような真似ができるし、湖を凍らせることすらできた。
資源にも余裕があり、知性を持つ者すら様々な姿をしている。かつて生きていた灰色の世界なんかよりも遥かに色鮮やかだった。
最初のうちは。
私はオーエン。オーエン・シュタライカ、37歳。フリーランスのカメラマン兼ライターをしている。
ついでに言えばいわゆる転生者であり、前世の世界――すなわちグレイサイドで生きていた記憶を持っている。その知識の半分は楽に半生を過ごすために使われ、もう半分はこの仕事のために使われていた。40半ばで事故死した私は、趣味でカメラを使い込んでいた。その技能と知識は今に活きている。
ただ、今日はその知識と自分の好奇心を恨むことになった。
こんなファンタジーな世界なのにもかかわらず、時代が進み技術レベルは1900年代末といったところか。
W.G0987年。この世界の冷戦から、実に17年が経っていた。
都市にはビル街が立ち並び、世界は私が生きていた時代に近づきつつあった。エルフすらも村の暮らしに飽きた若者は街に出て車に乗り、いくらかのドワーフは天職でないと感じたのかサービス業に就くものも見かける。平和で平坦な世界になり始め、私から見てみればファンタジー世界である意義を少しずつ失い始めていた。
そんな世界に勝手に失望し始めていたころ、気になるニュースを耳に入れた私は、今シュールという国に足を運んでいる。
この国は【龍の国】と言われた龍の生まれ故郷であり、いまだに多くの龍と竜が住んでいる。(この世界には知性を持つ龍と、知性を持たない竜という分別があることをここに書かせてもらう。)
耳に入れたニュースというのは、このシュールでクーデターを行おうとしている一派が存在してるらしいというもの。
刺激に飢え危機管理能力を失いかけていた私は、とある会社から送られてきたこのクーデターの取材依頼を受けてしまった。
噂であろうと何であろうと、ネタになると平和ボケしていた頭で入国したのが運のツキだった。
入国初日にして、事前に連絡していた国連軍の広報担当から電話が来た。
クーデターの本格宣言と、それに伴って可視化された反乱軍の動きを捉えたのだという。
反乱軍は保守的な立場ゆえに、最新兵器に頼らず龍のその強力な体をもって反乱を起こす。それが国連軍上層部の考えであり楽観であった。
その楽観からか、私が戦闘機の後方座席から戦闘の様子を撮影することを、快諾どころかむしろ誘ってきたのである。
危機管理能力がマヒして国連軍の楽観的な空気に呑まれた私は、戦闘機の後方座席に向かう。
指示された機体のそばには寡黙でどこか冷めた視線の機長が佇んでいる。これから飛び立つであろう空と全く同じ色をした青い瞳。空港を薙ぐさわやかな風に靡く金髪と美男子という言葉が似合う端正な顔立ちをしたパイロット。
戦闘機の機首には槍を持つ西洋騎士を模した、いわゆるノーズアートが描かれていた。
□
「ブリーフィングを行う」
わずかに時はさかのぼる。
大勢のパイロットたちに囲まれながら、体格のいい男が画面の前に立つ。
ガルムアル准将。今回のシュール内戦の政府軍、およびそれを支援する国連軍の指揮をする男。
「先ほど、シュール軍のライディア少将がクーデター宣言を行い、それと同時にシュール軍の各地の基地に動きがあった。我々はシュール政府の要請に従い、反乱に加担した敵兵の掃討を行う」
画面にシュール北西側の地図が映る。麓こそある程度平坦ではあるが、海岸からしばらく内陸に進むと激しい山岳地帯がその姿を見せる。
厳しくも厳か。龍が故郷と謳われた自然の大地がそこにはあった。
「敵はまともに機甲兵器を扱えない地形にしか基地がない。クーデター派の大半が山岳部に陣取り、侵攻部隊が山を下って都市や首都に攻撃を仕掛けるつもりだろう。奴らは龍の誇りを取り戻すと宣っている。その彼らの高慢な思想は200年前のものであると教えてやれ」
地図が簡易化され、この基地から矢印が伸びる。それが今回の大雑把な侵攻ルート。
「具体的な作戦説明に移る。我々は航空戦力を3分割。それぞれ山岳部に存在する小規模基地を攻撃し、クーデター陸軍の退路を奪え。その後、麓に降りてきた軍に関してはこちらの陸上機甲部隊が撃破する。」
「敵はおそらく龍人態を解除し、飛竜として迎撃してくると思われる。そのため今回、ドラゴンスレイヤーの使用を許可する。空爆機の防衛にあたる機は、遠方から容赦なく叩き落せ。以上だ、質問が無ければ解散とする」
沈黙が支配したのち、「……ないな、では解散」の声ともに僅かな声とともに周囲の人々は持ち場に戻っていく。
その様子を、最後席から少し不機嫌そうな顔でクリスは眺めていた。
「何か気に入らないの?」
「想定が相変わらず雑なので気に入らないのでしょう。杞憂だといいんですが。」
その顔を見て覗き込むように問いかけてきたイオンと、それに横から答えるリヒテル。
リヒテルの回答に、クリスは正解ということかため息が漏れる。
これがランサー隊の3人。
「そうだ、アルファス大尉。貴官はMF-18の複座型も乗れたな。」
不貞腐れてるような隊長につられて残るランサー隊は、そのせいで貧乏くじを引かされることになった。
「今回、記者を最後尾に連れていくことにした。諸君らは隊の後方に位置し攻撃機の防衛にあたれ。ランサー隊なら何かの間違いがあっても墜ちることはなかろう。」
「……了解いたしました」
立ち上がり敬礼するクリス。
彼はとっさに感情を抑え、ただ寡黙な軍人が最低限の反応をしただけに思える口調で答えた。
ブリーフィングルームを出て自分たちの機体があるハンガーにむけて足を運ぶランサー隊。
「っ……はぁ……クソ」
「とんだ不運だね隊長……」
副座席にズブの素人である記者を乗せる。
クリスは格闘戦時、他のパイロット以上に激しくGを掛ける機動に耐えて勝機を見出すタイプのパイロットであるため、気を遣う戦闘はほかのパイロットよりもはるかに重い枷になる。それに加えて、始まったばかりの内戦に記者を連れて行くという戦争を舐め切った態度がクリスを苛立たせた。
「決まったことは仕方ないですよ、隊長。切り替えましょう」
「わかってる……」
自分たちの愛機の前に立つ。
MF-18――ホルニッセ。
部下の二人が乗るのは近代化改修後の単座式であるC型で、クリスは先ほどの通り複座のD型に乗ることとなる。最新鋭の戦闘攻撃機であり、空母にも対応することができる。
ランサー隊は便利屋として、いままで各地の紛争介入やら冷戦後の不安定な地域の航空監視やらをやらされてきたため、この機体と襲撃機のP-16の二機種を乗り回してる。
今回は対飛竜戦闘のため、整備員が指向性散弾ミサイルであるドラゴンスレイヤーをパイロンに搭載し始めていた。
敵が攻勢のタイミングをこちらに合わせる道理はない。予測されるタイムリミットまでにこちらも離陸できるようにしなければ。
「リヒテルの言う通りだ。仕事をこなすぞ、ランサー隊。出撃準備にかかれ」
「了解!」
「了解!」
□
『……IFF応答なし、どうなってる……おい、ロックオンしてきたぞ!!敵なのか!?』
『どうなってる!!敵は航空機を持ってないんじゃなかったのか!!』
『クーデター宣言の内容を丸呑みしたのがバカだったんだ!!ブレイク!!ブレイク!!』
『注意。レーダー照射を受けている。レーダーに敵機がホップアップ。ランサー隊より方位080、距離80km。高度4000m』
鳴り響く警報。それがどういう意味なのか、ただの記者であるオーエンは当然知らなかった。
ただ彼は見方の分からないレーダーに先ほどまでなかった表示が浮かび上がり、刻一刻と接近してくる様子。無線の怒号。そこから彼は場違いなところに来てしまったことだけは理解した。
機長であるクリスは警報の意味を正しく理解している。ロックオン用のレーダー波が照射されてるというもの。
本来レーダーとは、常に電波を性能が許す範囲にくまなく放射することで広範囲を索敵する。ロックオンとは、先述の状態で捉えた対象のうち1つ(近年では複数にもできる)に対して火器管制用のレーダー波を長時間照射し、常に居場所が分かるようにすることでミサイルの発射と誘導に備えることだ。
当然、継続的に電波が放射されるので、レーダーロックは基本感知される。これは、敵のそれを検知した警報だ。
『で、隊長の不安が的中したと』
『まあ、こういうときって大抵嫌な形で想定外が起きるよね……』
たとえ後方であろうと奇襲で中距離ミサイルの間合いに踏み込まれているのであれば、隊のどこにいようと危険度はあまり変わらない。軽口をたたきながら、ランサー隊は手早くチャフをばら撒きつつ旋回での回避を始める。
ランサー隊に向かっていた中距離対空ミサイルのすべてがチャフに攪乱され、見当違いなところで炸裂した。
オーエンはその回避機動の負荷で視界が暗闇に閉ざされる。彼は人生を2回経験したが、そのどちらにもこのような負荷を経験することはなかったのだ。
かろうじて気絶までは行かなかったが、それでも彼の体力を削るには十分だった。すこしして、視界が回復する。
「……マスターアーム、オン。ランサー隊はミサイル第一波回避の後、方位080に進路を向けろ。」
『こちらランサー3。ドラゴンスレイヤーはどうしますか?』
『使えないなら捨てろ。スフィアの方が扱いやすい』
突然のエンゲージに狼狽えることなく、ランサー隊は空戦態勢に移行する。しかし、周囲の友軍は混乱に包まれている。中距離ミサイルによる狙撃ですでに撃墜されている機がいる。状況としては最悪だった。
その状況を把握したクリスは、次に後方座席にいるオーエンが今の回避機動で伸びかけていたことに気づいた。
「取材しているところ悪いが、状況を打破しなければならない。気は使うが戦闘機動をすることになる。つぶれて死ぬなよ。」
「は、はい……」
全力を出すことは叶わないが、それでも目の前の火の粉を振り払わなければ死ぬのはクリス達自信だ。
記者にも、悪いがその覚悟は持ってもらわなければならない。そうクリスは胸の内で呟きながら敵機にヘッドオンする。
――試すなら、今か。
クリスはそう考えると、搭載したにもかかわらず使いどころを失ったドラゴンスレイヤーの設定を切り替えていく。
機体のレーダー画面から敵機を選択。HUDに表示された円形表示の中に、対象にした敵機を捉えた。
『ランサー2、エンゲージ』
『ランサー3、エンゲージ』
「ランサー1、エンゲージ。FOX1。」
クリスはロックオンを確認してトリガーを引く。それに呼応してドラゴンスレイヤーが機体から切り離され、ロックオンした敵機に飛翔する。
こちらにもロックオンアラートがなるが、ばら撒くのにためらいがいらない魔術フレアをありったけ散布しながら敵機を捉え続けた。
敵機の意表を突くかのように発射された遠距離ドラゴンスレイヤーに、ロックオンされていた敵機は安直な旋回をした。
チャフをばら撒いていない。間に合わなかったのか、回避できると踏んだのか。それとも頭から抜け落ちたか。
「ぬるい」
そんなことはどうでもいい。
そうと言わんばかりのランサー1の冷たいささやきとともに、ドラゴンスレイヤーは炸裂した。前方に強烈な散弾が発射され、甘い回避をして腹を見せた敵機の腹を引き裂く。
それだけが事実だった。
「ランサー1、一機撃墜」
記者のオーエンを抱えているクリスには格闘戦を行う余裕はない。 遠方からのミサイル狙撃戦で数を減らすに越したことはないのだ。
『こちらランサー3。隊長……今何やったの?……ランサー3、スフィア』
「ドラゴンスレイヤーを機体レーダーで誘導した。初期誘導用に機体からのデータを受け取る仕様は外れていないからな。少し弄ればできる。」
対空魔道弾をうかつに近づいた敵機に叩き込みながら、イオンは今起こったことをクリスに問いかける。
それに対して自明の理と言わんばかりにそれに答えると同時に、今までフレアで誤魔化していた敵弾への対処のため旋回する。
いまのクリスの先制攻撃に焦ったのか、敵機の攻撃はあまり的確でない。故に、オーエンを気遣った甘い旋回でも問題なかった。
『敵機は……Gf-30と少数のGf-45か。襲撃機の方はAs-34だ』
『こちらイビルアイ。ランサー2、敵の国籍表示は見えたか?』
『シュールの国籍表示だけです。ちゃんとは読み解けませんでしたが、シュール空軍のものでも数字の桁が違いました。事前予測ではクーデター軍によって地上で潰されているなんて予測がありましたが冗談じゃない』
「通告数の何倍も航空機を所持しているわけか」
Gf-54。最近こちらで実戦配備前のYMF-22ほどではないがステルス性を持つ戦闘機。
グレイサイドから流れ込んできた第五世代戦闘機の資料をほぼそのまま使った機体であるが、我々から見れば最新鋭のモノだろうその機体性能は目を見張る。
Gf-30とAs-34はベストセラー機で、この型の輸出モデルが多く世界に流通している。
これらにも推力偏向ノズルが搭載されていて機動力が高く、格闘戦に関してはこちらの最新鋭機に未だ引けを取らないポテンシャルがある。
――どちらも、機体はボレベインの物だ。
ベストセラーの二機種はどこにでも輸出しているモデルな上、すでにシュール国防軍の空軍が所持していることは確認済みだ。
だが、Gf-54などという最新鋭機が渡されるとなると話は別だ。それに加え、国連に通知しているそれの、何倍もの戦闘機と襲撃機をシュール空軍は装備しているのだ。
クリスは嫌悪感を持つ。ドロドロとした、薄汚い政治の匂いだ。
そこまでクリスは思考を現実に引き戻す。政治は一人のパイロットがどうにかできるものではないのだから。
先ほどまでの動きは決して熟練したパイロットのモノではない。それに加え、どのような状況であろうと機体アラートの『チャフ、フレア!!』を聞き逃すパイロットはベテランとは言えない。
おそらく敵はこのクーデターを成功させるため、技術的奇襲を目的として航空機を持ち出したのだろう。増やした分のパイロットは、訓練時間はあくまでパイロットとして1人前に飛べるかどうか、といったところだ。そんなパイロットならば、どんな機体を用いようともひどく恐れる必要はない。クリスはそう思案する。
『ランサー1。チェック6』
「わかってる。さすがにルーキーでも、こっちが派手に動けないことには気づいたか」
かといって、侮ることが許されるわけでもない。
今までの動き方で、敵が決して強者ぞろいではないと踏んでいたクリスだが、さすがに今のクリスの動きの鈍さには気づかれたようだ。
二機の襲撃機が後方に張り付いて攻撃準備に入っていた。レーダー照射の警告音が途切れることなく鳴り響く中、できる範囲で回避行動をとる。
しかし、全長17mのMF-18に対し、敵である襲撃機は基本的に10mクラス。そしてMF-18はこちらが所有する戦闘機の中では、格闘戦が苦手な部類である。運動性は襲撃機が有利な上、今の彼は全力の機動ができない。
クリスは余剰の魔力出力を防壁に割り当てるよう切り替える。
「うわぁぁっ⁉」
記者の気の抜けた声が響く。
防壁を展開した直後、敵襲撃機の一機が対空ミサイルを発射。防壁に命中し事なきを得るが、機体には激しい衝撃が走ったのだ。機体を覆うように発生した防壁は、衝突した破片を貫通させないだけであって、運動エネルギーを打ち消すようには出来ていない。
今の一撃で、せっかく展開した防壁が被弾時の魔力損失で消滅する。展開、起動についてはともかく被弾時に防壁出力を上げる、端的に言えば瞬時に防御力を上げるための魔力はバッテリーに蓄えていた分を使うため、バッテリーが底を尽きれば再充電まで実弾ミサイルの被弾に耐えうる防壁を張る魔力がなくなるのだ。このままでは撃たれ続けいずれは墜ちる。
「ランサー3」
『わかってますよ。ランサー3、スフィア、スフィア』
だが、クリスは一人で戦ってるわけではない。
リヒテルの発射した2発のスフィアが的確に敵機だけに喰らいつき、炸裂して細かくなった魔力塊の雨がその機体を穴だらけにしていく。
実弾がドラゴンスレイヤーのみの防空隊は、クリスの見せた荒業以外にはスフィアと機銃でしか敵機を撃ち落とせない。ランサー隊は戦闘機のMF-18のため魔力に余裕があるが、味方の襲撃機であるP-16は小型のMECエンジン単発式のため魔術弾を連続で発射できない。
それに加え、敵機のいくらかはステルス性があるGf-54のため、ある程度近づかないとレーダーに映らず、遠距離戦は少し難しい。
『イービルアイから各機へ。周辺友軍の被害が大きい。このまま目標への空爆は難しいだろう。本部も撤退の判断を下した』
「チッ……遅いんだよ。何機墜ちた」
「ランサー隊以外の残存機は11機。13機墜ちたな」
「……これ以上味方を墜とせない。ランサー隊、最後に牽制の対空攻撃をしたのちに撤退するぞ。逃げる時もありったけのチャフとフレアをばら撒いていけ。」
□
理解を超える光景だった。
空と地面が容易に移り変わり、飛行機だった金属片が何度もそこら中にまき散らされた。
さらに、驚くべきことに彼は捨てろといったドラゴンスレイヤーを直撃させていた。
圧倒的な光景に、私は無心でシャッターを切った。
後で聞いた話だが、ドラゴンスレイヤーは通常の対空ミサイルと違い、移動速度が遅く魔術防壁を張る龍を相手にするため、前方70度ほどにボールベアリング弾を含む強力な破片をばら撒いて吹き飛ばす設計となっている。ミサイルそのものを直撃させる心意気でないと相手に目立った被害を与えられない。それに加えデフォルトはドラゴン用の生体魔力探知式になっている。戦闘機を相手にするためは、発射後も敵を捕らえ続けることでミサイルを機体から誘導し続ける、所謂セミアクティブ方式でないと誘導できなかった(あくまで狙い方であって、正確な表現ではない)。それを彼は戦闘機相手に直撃させた。
ただ、ここまで悪化した状況を彼ら数人で覆すことは難しかったようだ。
命を無駄に危険に晒すことはない。そういわんばかりに牽制射を打ち込むと、同時に機首を来た道に向けた。
私は、自らの命を危険に晒したのにも関わらず、彼に強く興味を持つこととなった。
彼は何者なのか。なぜここまで強いのか。
「すいません……もう一度お名前を伺ってもよろしいでしょうか。」
「……クリス。クリスファー・アルファス」
□
開戦早々の技術的および戦術的奇襲に、この日で国連軍は3割の航空戦力を失った。
シュール派遣軍としてみれば6割以上の機体が失われた。
また、陸上戦においては降りてきた部隊に、姿を変えた龍がヘリの代わりに航空支援として付随しており、機甲兵力も所持しているという想定外の事態に潰走した。
国連軍は、開戦直後にも関わらず首都であるガリオン手前まで一気に押し戻されてしまったのだ。首都であるガリオン手前まで一気に押し戻されてしまったのだ。