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やまない雪

作者: 小英惟初

 霜降り月が姿を隠し、現れる猛烈な寒気が早くも雪を降らす季節。夕方の気象予報で、明日以降は大雪になるとあった辺鄙な地域。そこに建つ病院の既に消灯の済んだ病棟の一室で、一人の少年がベッドの上でもぞもぞと身を動かしていた。


 ……寝れない。


 時刻は消灯から一時間以上経過しているが、少年は未だ寝付けずに身じろぎを繰り返していた。一時間以上もあった寝付けない時間は、寝返りを打つように体を(よじ)らせたり布団に潜って数を数えたり、また見回りに来た看護師さんに寝たふりをしたりして暇を凌いだ。


 だる……なんで寝れないんだろ。


 しかしついに、この暇を凌ぐ術を失った。一度した事をもう一度するのは返って退屈だし、かといって何か打開策がはっと思いついたりはしない。

 少年は決して起きたくて起きているのではない。布団の上で横になった時に、図らず意識が覚醒してしまったのだ──原因に心当たりはない。そのため体の疲労はまだ落ちていないし、むしろ増すこともあり得る。そう考え得るからこそ、少年は不愉快に思ってため息をつく。


 もう疲れた。早く寝たい──


 落ち着かない体の向きを翻し、強引に両目を塞いだ。数を数えたりなどはせず、今度こそ眠れるようひたと願って心をがらんどうにした。


 背中と面したカーテンの向こうで、雪が強まっているとは露知らずに。




 雀の囀りを傍らで聞きつつ目を覚ました翌朝、気分は優れなかった。

 心なしか、いつもよりも体重の負荷が重たく感じる。加えて手足の筋肉は休息し切れていないせいで動きが好ましくなく、布団の上で起き上がることも億劫と思ってしまう。決して体調不良と判じられる程の状態ではないことこそあれ、精神面の調子は悪かった。


 動きたくねー……まだあんまり寝れてないし。で、起きても車椅子だよな。


 のっそりと上体を起こした少年は、口をへの字に結び気怠げな目でベッドの側へ視線を移す。

 ベッドの横に乗り込みやすいようにと置かれた車椅子が、起き上がると少年の視界に入り込むことが避けられない。朝食の時刻までに、この車椅子に乗り洗面などを済ませたら食堂まで行く必要がある。


 ……いや、我慢だ。リハビリしてたら治せるんだから。


 だらしない己を叱咤し、少年は重たい体を動かして寝間着から運動着に着替え、車椅子に乗り込んだ。

 右足は足を乗せる台に立たせ、両手と左足を慣れたように使い部屋を後にしていく。


 ──楽しくねえな。


 朝には、昨晩の雪もすっかり溶けて晴れ上がっていた。




 少年の名前は若星(わくとし)也仁(ありと)。今春に小学校から中学校へ上がった新一年生である。新しい友達がたくさんでき順風満帆な日々を過ごしていたが、今から約一ヶ月前、春に入部したサッカー部の練習中に転倒し、右足首を骨折してしまった。その治療のため、「リハビリテーション」の文字を冠するこの病院へやってきた。

 右足首の手術は成功し、担当医さんからは療養をしばらく続ければ完治すると聞いた。完治に向け、今はリハビリに熱心に取り組んでいる。


 今頑張れば、完治させられる。也仁はそう信じ、我慢の多い入院生活を耐え忍んでいる。


 朝食を終えた後は、すぐにリハビリがある。歯磨きなどを済ませると、也仁は病室で寛ぎもせずリハ室へ向かった。

 道中ですれ違う人に挨拶をしながらリハ室に辿り着き、閉まっているリハ室の扉の前で車椅子にブレーキをかけた。ほとんどの患者さんは看護師さんに車椅子を押してもらってここへ来るのだが、也仁は自分で行く。この道さえもリハビリに使いたいからだ。


「お、おはよう」


 セラピストさんの出欠を示す名札の貼られたホワイトボードをぼんやり眺めている也仁の背後から声をかけてきたのは、車椅子に乗った細いおじいさん──他の患者さんよりリハビリの時刻と行動が早い中里(なかざと)さん。也仁も彼の顔を見てからおはようございます、と返す。中里さんとは、也仁が自分の足でリハ室へ向かうようになってから毎日ここで顔を合わせている。


「今日も早いなぁ〜。楽しみか?」


「楽しみです」


 也仁が質問に間髪入れずに答えると、中里さんは笑いながらそうかそうか、それはいいことだ、と言ってくれた。中里さんを始め也仁と話をする患者さんは話を楽しげに聞いてくれるから、也仁も話し甲斐を感じられる。

 リハビリを楽しみにしている訳は、リハビリ中は車椅子から降り、歩行の際に松葉杖を使用できるからだ。その最中は自分で歩けている事を鋭敏に体感できて、今にも自力で治せそうな気がしてくる。

 しかし言下に、自分の発言を疑った。


 楽しみ、かな。リハビリより、学校で遊ぶほうが楽しいな。


 反論するように思い出したのは、学校で友達と遊んだり部活に励んだりすることの楽しさだ。度合いを比べれば、病院でリハビリをするよりも学校に友達や先輩と一緒にいる方が、実感する楽しさは遥かに大きい。

 と学校生活へ思いを馳せるのも束の間、中里さんは更に口を開いた。


「今朝の目覚めはよかったか?」


 聞き取ってから、也仁はそういえば、と思った。そういえば今朝の目覚め、それと昨晩の寝つきが悪かったんだ。その話をしよう。


「いや、悪かったんですよ」


「おお、そうか。俺も昨日はゆっくり寝れんくて──」


 也仁は続きを話そうとしたが、中里さんが話し出したからひとまず口を閉ざした。話しても中里さんは聞いてくれるだろうが、ならリハビリの先生でもいいかと思ったのだ。


「看護師さんが来たからどうもって言ったら、もう十一時半ですよって言われてな」


 中里さんもその時刻に起きていたと聞いてどんな偶然だよ、と心の中でつっこんだが、流石にどうでもいいから表情にすら現さないで相槌だけ何となく打っておいた。


「そういや今日は、雪が降るって言ってたなあ」


「あ、そうですね」


 中里さんの言葉で、今朝の報道番組で耳にしたことを思い出す。それから也仁は楽しみです、と言い足した。

 楽しみというのも、雪と触れ合った最後の記憶は今から遠く離れ、その冷たさや重さなどをまざまざと追懐できないから──自宅は雪と縁がない地域にある──だ。だからこそ今日は、運良く外に出て雪と触れ合えたらと内心期待しているところもある。


「外に行きたいんか。まあ体壊さんよう気をつけてな」


 期待している旨を話すとこう言ってもらえた。也仁ははい、ありがとうございます、と言って受け取った。


 体の調子があんまりよくなかったけど、雪の中を歩けたら元気になれそうだ。


 ちらほらと他の患者さんもリハ室の前に集まり始めた頃、也仁は中里さんに話さなかった早朝の不調に関することを思い出していた。早朝は精神面まで蝕まれていたが、今となると日常的な習慣の繰り返しによりその原因が溶かされ、蝕まれていない気がしていた。それはひとえに、久し振りに雪で遊べるかもしれないという期待に依るだろう。

 雪の中に行きたいな──その期待を強く思った時、丁度リハ室の扉が開いた。


「おはようございます!」


「おはようございます」


 左右の扉を一人で同時に開ける逞しい男性のセラピストさんと受付嬢さんが、リハ室の前にいる人々に挨拶をした。也仁は大きな声を出して挨拶を返し、リハ室に入った。


「じゃあな、也仁君」


「はい、じゃあ!」


 中里さんに別れの挨拶を返し、担当の理学療法士さんの元へ進む。


「お、也仁君。おはよう」


「おはようございます!」


 担当の理学療法士さんと挨拶を交わし、今日もリハビリに取り組む。


「さっきまで中里さんと喋ってました」


「え、何を?」


 セラピストの人達のシューズで床を踏む音があちこちで鳴り始め、学校のチャイムのようにリハビリの開始を知らせた。



 

「おー!」


「これは積もりそうだなぁ」


 リハ室から外の様子を窺うと、空から無数の雪が舞い降りてきていた。


「すっご! 雪降ってる!」


 夜の暗さの様にひっそりと降る白雪に思わず上体を起こして飛びつき、也仁は感動のまにまに目に写した。久しい年月を隔てての再会のため、図らず感情表現が大袈裟になってしまう。


「すげえ、すげえ。あとで外歩きに行こ!」


「分かった分かった。これが終わってからな。寝転んで」


 担当の(きそう)先生にはいと返事をし上体を横にしてから、再び銀世界へと変わり始める屋外へ視線を向けた。


 俺が外に出るまで、降り続いてたらいいな。


 雪はとても静かに、美しさと儚さを積もらせていく。




 上着と手袋、更にネックウォーマーを身に付けた也仁が、松葉杖を両手に歩き始めた。

 病院のドアを過ぎた先に広がる風景は、昨日のものとすっかり一変していた。その紛れもない銀世界に、也仁と競先生は思わず息を呑んだ。


「すごい積もってるなぁ。歩くの危ないかもよ?」


「いや、歩きたい!」


 競先生の言う通り積雪量は相当なもので、也仁自身が立ち竦みそうになった。しかし興味は及び腰な気持ちに敗れることなく、両足はいち早く歩き出したい衝動に駆られ終えていた。

 聞いた競先生は也仁の意志に免じて、歩くことを許可してくれた。松葉杖を使っての歩行は車椅子を漕ぐ時よりも危ぶまれるが、でもその代わり一歩一歩絶対慎重にな、という競先生の忠告を厳守すると約束したからだ。

 也仁の願いによってか、雪は今も降り続けている──むしろ勢いが増しているようにも思える。今の時点でも、雪は元の景色と道が分からないくらい一面に積もっている。


「昨日の夜もこれくらい降ってたけど、全部溶けたんだな」


「え、昨日?」


「うん、十一時くらいから夜の間な。也仁君は寝てたと思うけど」


「いや、起きてたけど、気付かなかった」


 雪道を松葉杖で慎重に歩きながら、聞いた内容に也仁は大きな驚きを頓に抱いた。

 まさに眠りにつこうと試行錯誤していた時間だ。あの時は夢中だったし、何よりカーテンを閉めていたから気づくことはかなり難しかった。

 とはいえ目下の雪景色に夢中な也仁はさほど気に留めず、歩く程に非日常的な音が演奏される雪道にかつてない程の興奮を味わっていた。


「也仁君あれ見て、熊の上に雪が積もってる」


「あ、ほんとだ! 本物の北極熊だ!」


 熊の遊具らしいそれの上に多量の雪がピラミッド状に積もっている。本物の北極熊でないことは承知しながらも、上機嫌この上ない也仁にとってはその面白さも今の堪らなく楽しい時間をより楽しませる味付けになる。

 自然と足がその北極熊のいる方向に向き、競先生とそこへ歩き始めようとした──その時。


「ん?」


 ふと競先生が後ろに振り返った。也仁も足を止めて振り返ると、視線の先に二人の人物がいた。


「あ、双雪(ふゆき)! 内姫(うちひめ)先生!」


 右足にギプスを着け、両手と左足で車椅子を操作して也仁と競先生のいる場所へ向かっている花礼(はなうや)双雪(ふゆき)。その斜め前で彼女の前後を確認しながら歩く内姫先生。手を振って呼ぶ也仁の声が届くと、二人も手を振り返してくれた。

 也仁と競先生も二人の元へ向かって歩く──道のりを見れば、二人は通り過ぎた道を逆戻りしていることになる。


 双雪は也仁の一つ下と患者さんの中で唯一也仁と歳が近く、初対面の時から也仁がぐいぐい話しかけたことで仲良くなれた。まだ出会って一週間弱ではあるが、お互いに友達として心を許した関係になれている。

 合流したところで、也仁が会話の端を開く。


「二人も雪見に来たんですか?」


「うん。双雪ちゃんが見たそうにしてたから」


「雪、すごいよな!」


「うん!」


 也仁の旺盛な好奇心を感じ取り、双雪は共感するように大きく頷いた。


「あれ見て! 熊の! 北極熊になってる!」


「わ、本当だ! あはは、北極熊!」


 也仁の北極熊という形容(名付け)が面白かったらしく、双雪と内姫先生が破顔する。その北極熊の方へ向かっていると話すと、二人も同行してくれることになった。


「元の熊見た事ある? こげ茶なんだけどさ」


「うん、ある!」


「今もう全部真っ白になってるよな!」


「うん、真っ白!」


 進みながら話が盛り上がり、自分と同じくらい双雪が笑っていて也仁は喜ぶ。無意識のうちに歩みが早まっていたのか、競先生と内姫先生より先に北極熊の元へ辿り着いた。

 先生二人が到着してから也仁は競先生に松葉杖の片方を預け、手袋を外して北極熊に乗った雪の頂上目掛けて右手を伸ばした。


「也仁君、冷たいよ」


「え、どれくらい──冷たっ!」


 忠告を受け止めながらも好奇心に突き動かされた右手が雪に触れ、その想像を遥かに超えた冷たさに大きな声を出して反応し、反射的に雪から手を離した。

 競先生と内姫先生が予想通りの反応を見たように笑う。

 次に双雪も北極熊の側に寄り、右手の手袋を外して同じく山の頂上を触ってみる。


「冷たっ!」


 全く同じ反応をした。


 四人で楽しく笑い合う団欒を囲むように、雪は今も降り続いている。




 夕食後の自由時間。病棟の中の患者同士が団欒するスペースへ、也仁が双雪を誘った。


「オセロと将棋どっちがいい?」


「私将棋わからない」


 このスペースに置いてあるオセロを運び、空きテーブルの上に置いた。

 誘われた双雪は、このスペースへ足を運んだのは初めてだった。


「それって?」


「これチョコ。持ってきたから一緒に食べようぜ」


「私もいいの?」


 オセロの次に也仁がテーブルの上に乗せた物を、双雪は不思議そうに見つめた。也仁は袋ごと持ってきているから一目瞭然であるが、反応から窺うに双雪にとってはそれを持ってきた事が不可解なことであるらしい──まだ入院したばっかりだから、お菓子を持ってくる考えがないんだ、と也仁は考えた。

 そのためかやけに心配げに尋ねてくる双雪に、也仁はうん、いいよ、と意識的に力強く言った。今まで接してきてひときわ気になったことだが、双雪はとても遠慮がちな性格だ。

 入院したばかりの頃に道に迷っていても通りすがる人に尋ねなかったりいつも他の患者さんに道を譲って自分が一番最後になったり、人に多く謝ったりしている姿を見たことがあり、それがどうしてかとても印象に残っている。


「双雪も何か持ってきてもらったら?」


「どうしようかなぁ……」


「好きなお菓子とか持ってきてもらえばいいじゃん」


 そう言ってチョコレート菓子を一つ口に運んでから、也仁はん、とそれの入れ物を差し出した。


 ──何かあるなら言ってくれたらいいのに。お菓子は俺があげるし。


 提案したことにどことなく消極的で、頭を抱える時は物悲しそうな顔をする双雪に、也仁は心配を抱く。相談を聞くことはできるから聞こうと思ったが、今は話したそうではなかったからやめておいた。


「ありがとう」


「うん。じゃあ俺は黒な」


 じゃんけんで先攻後攻を決め、オセロは始まった。


「チョコのお菓子好き?」


「うん、好き。このお菓子が一番」


「あ、これ好き? 俺も一緒! うまいよなぁ。はい、双雪の番」


 好きなお菓子を食べつつ対戦する二人の耳に、このスペースに置かれたテレビに映る天気予報の音声が入り込んだ。ふと二人が目線を送った時、前触れなく喜ばしい情報が現れた。


「お、明日も雪だ! 明日も遊べるな!」


「本当だ! やった!」


 二人で仲良く喜びを共有し、明日への期待感や今日の銀世界での楽しさを話し、二人の好きなチョコレート菓子を食べながら笑い合う。


「けどあの北極熊すごいよな。あんなに雪被かぶって」


「あ、そうだね。あの上だけすっごい積もってたもんね!」


「そうそう! あれだと明日はもっとすごいぞ!」


 たわいのなくて楽しい話をしながら最後の黒石を置いて、也仁は予感を抱いた。


「えっ、双雪何個?」


 お互い数を数え、ついに勝敗の決する時を迎えた。


「私三十四!」


「俺三十! うわー負けたー! くやしー!」


 軍配が上がったのは双雪の方だった。也仁は悔しいながらも、嬉しそうに笑顔を湛える双雪と二人で楽しく笑い合った。


「次トランプやろ!」


 悔しさをバネに、次こそと意気込んで勝負を申し込む也仁。双雪はうきうきしながら応じる。

 残りの半分もなくなったお菓子を一緒に食べながら。




 森林の闇に、静かな梟の鳴き声が低く響いて溶けた。病棟の明かりがまもなく消灯される寝しなに、布団の上の也仁は寝転がらずに布団へ足だけを入れて、今日の出来事を振り返った。


(今日は楽しかったな)


 振り返ろうとして頭に浮かべるのは、──思いがけない降雪に、心躍った銀世界での遊歩。更に、友達とのオセロとトランプ、明日の銀世界を思い描く期待感、などなど。思い出すだけでも、心が高鳴って楽しさを反芻する。

 早朝のこのベッドの上のものとはまるで反対の心境だと、自分で不思議に思う。朝は手足の調子が悪かったが、雪景色を肌で味わってからは一切気にならなかった。


(そうだ、今降ってないかな)


 ふと閃いた微光を心に抱き、カーテンを少し開けると──窓の外には、凄まじい吹雪が辺り一面を吹き散らす、也仁にとって魅力的な光景が広がっていた。

 唐突な雪との再会に、也仁は寝る直前ながら窓ガラスに手で触れ、図らずも心を奪われた。


 すげえ。すげえ!


 荒れ狂って降る豪雪。也仁はどうにも興奮の留まらない心に歯止めをかけ難く、何とか吹雪と触れ合えないかと目論もうとしてしまう。

 ふと空を見上げると、吹雪より上空に、一番星を見つけた。目を向けると他にもいくつか星が見え、荒々しく舞う吹雪との配合で、一層輝いて見えた。


 星もある! すげえ!


 同時刻、双雪の病室の窓からも吹雪を眺めることができた。


(わあ……あ)


 荒れ狂う吹雪のずっと真上の空に、きらきらと輝く凍て星が見えた。その景色は、双雪の心にぐいぐいと干渉し、ただ圧倒させた。


(星……綺麗)


 也仁も、吹雪と星に夢中になっていた。


 そして、こう思った。

 ──明日、この景色のこと話そう。

巻末詩(短歌体)

ふたつ目は 君の昏みを

 分かち合い

  気兼ねず好きを 食べ合いたい

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