1話:少年と砂漠であった中年商人
「んん…」
絶望的な状況で砂漠を歩いていて、そこで手ぶらの少年と出逢った瞬間にこと切れて倒れた中年男性が目を覚ました。
額には冷たいタオルが乗っている。
傍には綺麗な泉があり緑地も広がっていた。
所謂オアシスというやつだ。
歩いているときには見当たらなかったが、近くにオアシスがあったため少年が手ぶらだったのだと理解し、中年男性は少し落ち着いた。
(なお、その理解は間違っており、実際に少年は完全な手ぶらで、オアシスは男性が倒れた後に少年が創り出したものなのだが)
ただ、この場に信じられない光景があった。
中年男性の目の前には、少年の顔が近くにあり首の後ろには柔らかな少年の太ももがあった。
中年男性は、砂漠で少年が手ぶらだったことやオアシスがあったことより、この膝枕されている状況に大変混乱した。
そんな混乱した中年男性に少年は問いかける。
「おはよう! 今、幸せ?」
この問いかけにさらに中年男性は混乱するのであった。
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《中年男性が倒れている間のおはなし》
少年は、倒れた中年男性に近づいた後、両手を広げてターンをした。
すると、少年を中心に緑地が広がり、傍には泉が、近くには丁度いい感じに座れる岩が2つ実現した。
そして少年は、どこからかタオルと木製のコップを取り出し、タオルを泉に浸し、コップに泉の水を汲む。
タオルは中年男性の額に乗せ、コップの水を倒れている男性の口から少しずつ飲ませていたのだった。
妄想ポイント:オアシスで中年男性を膝枕する少年