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一年生交流会1

 いつも深夜に書いているのですけど、これ書いてるとき、すごい蒸し暑かったです。夏が近づいていますね。


 校長先生の校内探検の説明は、大体がプリントに書いてある通りのものだった。追加でわかったのは、グループごとに渡されるスタンプ用の紙の色が違うくて、それぞれ別の場所にスタンプがあることくらい。


 と、説明を聞いていたけどわたしたちの探検は後半からで、まずはレクリエーションがある。3.4組の子たちが体育館の後方に行って準備をしている間に、1.2組の子は前方でレクリエーションのお話を聞いていた。

 まずやるのは準備運動だそうで、均等に広がって体育館の舞台に立つ野原先生の動きを真似するように運動をする。


 それが終わってから1組の子にはマジックテープのついたベルトと、紐のようなものが渡される。


 ブタの尻尾とりかな? 逃げている子の紐を取っていくやつ。それで紐を全部とられたら、その場で座るのだとか。

 1組vs2組というわけらしい。全力で受けてたとうじゃないか。え? 子ども相手に情けないって? 大丈夫、団体戦だから(?)。


「それじゃあ2組のみんなは30秒、舞台に手を付いて数えてからスタートしましょうね」


 古郡先生がそう言うのを聞いて、1組の子は広い体育館のいろんなところに行く。真ん中にいる子や、隅の方に行く子。外と繋がる窓のカーテンに隠れる子と様々だ。


「にーじゅはち、にーじゅきゅう、さーんじゅう!」


 数え終わると同時にみんな走り出して、きゃーとか、わーとか楽しそうな悲鳴が聞こえてくる。


 え、わたしはなにしてるのかって? 真ん中にいる子相手に、しほちゃんと二人で挟み撃ちを仕掛けている。

 これも戦略なのさ。隅にいる子は逃げ場がほとんどないし、どこかに隠れている子も見つかったらすぐに尻尾を取られる。それなら、いかにも運動に自信ありげな真ん中のあたりにいる子を捕まえた方がいい。


 そうやって十数分もすれば、たっている子はほとんどいなくなって。ちょうど今、わたしとしほちゃんで挟み撃ちにした子で最後っぽかった。


「いえーい!」

「いえーい」


 わたしとしほちゃんでハイタッチをする。なかなかの達成感……。少し走って挟んだだけだから、そこまで体力も減ってない。一度休憩時間に入ってから、鬼と逃げ子を交代してやることになった。


 ちなみに制限時間は20分ほどで、その間尻尾を守り抜けば逃げ子の勝ちになる。

 幼い頃から運動をしていたわたしからすれば、ずっと走り続けることもできるし、挟み撃ちも未然に防げる。余裕ですね~。


 おっと、囲まれた……。目に見える範囲だと、立っている逃げ子がいない。なるほどなるほど、わたし以外に狙う子がいなくなったわけだ。

 そのまま囲われて負ける気もないから、少しずつ壁際に移動しつつ、機を見計らって壁側にいる子に向かって走り出す。

 絶対に逃がさない! と言わんばかりに大きく伸ばされた男の子の股の下をスライディングで潜り抜けて、勢いそのままに壁を使った三角跳びを披露する。どやぁ! これが前世のアドバンテージだ! もちろん尻尾を捕まれないようにするために、体を捻って尻尾を密着させる。


 そして両手を地面に着けて着地、と同時にクラウチングスタートで逃げ出す。これがわたしの本気!

 思ったよりも上手く行って口の緩みが止まらない。むにゃむにゃとさせながら逃げていると、終了の笛の音が聞こえてきた。


「ふぅ~疲れた~」


 走るのをやめて、ゆっくり歩くようにする。こうした方が良いって前世で教えてもらった気がする。理由はわからないけども。

 軽く歩いていると、しほちゃんが紙コップに入ったお茶とタオルを持ってやってきた。


「はい、これみゆちゃんの分ね。汗拭いてあげるから、髪の毛あげてくれる?」

「え、いいの? ありがと~……うひゃっ」

「あ、冷たかった?」

「あはははは、ちょっとビックリしただけだよ。冷たさはちょうどいいくらい!」


 首のあたりにタオルが触れて一瞬驚いたけど、体温の上がった体に気持ちのいい冷たさで、お茶も冷えていて美味しい。


「ふい~スッキリした。しほちゃんありがと!」

「どういたしまして。古郡先生のところにいけばお茶が貰えるから、一緒にいこ?」

「そうだね。もうちょっとだけほしいし」


 まぁこういうのは、大体男の子がいっぱい飲んで無くなっちゃうけどもまだ残ってるかな?


「古郡先生お茶ください!」

「お茶ください!」


 子どもに囲まれてる古郡先生に届くように言えば、紙コップ二つ分のお茶をくれた。うん、美味しい。

 しほちゃんと並んで座って和んでいると、周りの子がわたしたちのことを見ているのに気づいた。なんだろう? 身だしなみはちゃんとしているはずだし……あぁ、三角跳びかな? 確かにちょっとかっこいいもんね。わたしもついどやってたし。

 二回とも2組が勝ったから、なにかあるとも思ったけど、そんな感じは全然しない。男の子が何人か、壁に向かってジャンプ蹴りしてるみたいだけど……これはやっちゃったかな? 真似したら危ないもんね、反省はんせい。


「みゆちゃん、運動すごい得意なんだね! あの壁を蹴って跳んだやつ、すごいかっこよかった!」

「あはは~、そうだね……あれは昔から練習してたからできたもの、かな?」


 しほちゃんの質問に若干どもりながらも、とりあえずすぐに出来るようになるものじゃないことを、なるべく大きな声で言う。これで諦めてくれたら良いけど……。しほちゃんが、もう一回見たいっていう眼差しをするので、今日はもう疲れたし無理かな~と無難に返す。いやまぁ、あれくらいならいくらでもできる。前世で憧れたパルクールなので、かなり頑張ったし。

 でもなんだか怒られる気がしたからやめておく。精神年齢が大人なわたしの直感が、これ以上はまずいと言っている気がする。


「みゆちゃん、次のレクリエーションの説明あるって。まだ疲れて立てない?」


 全然そんなことはないけども、右手を出しているので左手で握って立ち上がって、そのまま先生の元に向かう。


 次のレクリエーションは、いつの間にか舞台に現れていたスクリーンを使ったものらしく、そこに映される2種類の1分程度の動画の間違い探しをするというものだ。


 体育館が暗くなって動画が始まる。内容はこの学校の紹介動画で、先ほど配られた間違いを記入する紙の枠が七つあったので、間違いは七つあるんだと思う。


 一人で見つけるのは難しいからなのか、先生がみんなで考えあって答えを見つけてくださいと言っていたから、何人かで固まって考えている子たちが多い。

 もちろんわたしはしほちゃんと一緒にいる。


 3分も経たずに2種類の動画が流し終わって、3分ほど考える時間をもらえた。しほちゃんの枠は……四つも埋まっていた。

 ちなみにわたしは全部埋め終わっている。前の動画とあとの動画を覚えて、頭の中で同時に流して違いを見つけるだけだから簡単だった。


 ……たぶん、これは転生特典だと思っている。前世でも記憶力がいい方だったけれど、今世になってからは更に良くなった気がするのだ。覚えようと思えば、それを一枚の画像として覚えられる……そんな感覚。


「みゆちゃん、もう全部埋まってる……」

「しほちゃんも半分埋まってるしすごいよ!」


 そのあと、3回目のときに七つ全部の間違いを見つけて、しほちゃんも枠が全部埋まった。


 これでレクリエーションは終わりらしく、間違い探しの最中に戻ってきていた3.4組の子が全員揃ったところで、わたしたちと交代となった。


「それじゃあ、よろしくね!」

「二人ともよろしくね」

「よろしく。あと、ありがとう」

「よろしく。僕からもありがとう」


 わたしのグループの二人……泣いていた子がアラタ君、怒っていた子がタイガ君と自己紹介をしあった。


 ちなみにわたしたちのグループは最後尾での出発になる。体育館の出入口にいる校長先生から最後の一枚のスタンプカードをもらってアラタ君に持ってもらい、いざ出発。


 しほちゃんと手を繋いで、歩き出したのだった。

 朝霧みゆさんにチートがあるとすれば、その記憶力と幼い頃からの積み重ねでしょうか? ちなみにこの交流会が終わったあとに、古郡先生に職員室に呼び出されて少しだけ注意されました。危ないことはしないように、と。それ以外では褒めていますけどね。

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