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一年生交流会0

 土曜日に2回投稿したのは、日曜日はお休みするためです。

 2組の先生の名前は古郡(ふるごおり)先生と読みます。


「おはようございます!」

「おはようございます」


 しほちゃんと一緒に校門に立っている先生と先輩たちに挨拶をして、3階にある教室に向かう。

 学校の朝のホームルームが始まるまではまだ1時間はあるから、わたしとしほちゃんが一番乗りで学校に来ていた。

 先生はいないから、まだ職員室とかにいるのかもしれない。開いた窓からは気持ち良い風が吹いていて、ちょっとだけ気分がいい。


 なんでこんなに朝早くに登校したのかと言うと、わたしの両親の出勤時間が早いからだ。大体6時くらい。小さい頃なら送迎用のバスが来るまで家にいて、自分で鍵をしめて行くという風にしていたけれど、それを聞いたしほちゃん家族が「それなら朝早くに登校しよう」となったので、かなり早い時間になった。


 朝会ったしほちゃんは眠そうだったけれど、歩いている内に意識もはっきりしてきたのか今日の交流会について話していた。

 学校から出された手紙には、前半後半に分けてレクリエーションと校内探検をするみたい。1.2組が前半レクリエーション、後半校内探検。3.4組はその逆になるみたい。

 校内探検は4人一組で別れて、学校の地図を見ながらその地図に書かれた印の場所まで行って、スタンプを押してもらうというもの。


 スタートからの時間をはかるらしく、一番早い組には賞品もあるという。


 もちろん参加賞もあるのだけど、やっぱり狙うなら1位じゃないかなとは思う。大人げないって? わたち6ちゃいだからわかんない!


「おはよう!」


 途中少しお手洗いに行ったりしながらしほちゃんと駄弁っていると、クラスに入ってくる子もいるので挨拶をしておくんだけれども、やっぱり子どもだからなのか人見知りがすごい。まぁ続けることが大事だし、その内慣れてきたら返してくれるようにもなる。ちなみにしほちゃんは小さな声で挨拶をしていた。


 ホームルームの5分前に鳴る予鈴まであと少しというところで、みちる君とゆうた君が教室に入ってきた。


「おはよう! 結構遅い時間だね?」

「おはよう。ゆうた君、寝癖ついてるよ?」

「おう、おはよう! ゆうたがなかなか起きねーから危なかったんだよ」

「だ、だって楽しみで寝れなかったんだよ……あ、おはよう」


 ゆうま君、イベントの前日は寝れないタイプなのか~。あと、通学帽をとったあとにちょこっと出てきた寝癖が面白い。


「わたしも少しだけ寝るの遅くなっちゃった」

「そうなの? みゆちゃん全然眠そうじゃなかったけど……」


 それは単に慣れだとしか言えない。あとは、朝早くに起きてランニングに行くから、そのお陰で頭もちゃんと起きれてるわけだしね。


「へ~そうなんだ。しほにはむりかなぁ」

「オレもむりだな。アニメ見たいから!」

「ぼくもむりかな。あ、交流会の組分けってどうなるの?」


 ゆうた君も言った通り、もらった手紙にはそのことについて書いてなかったから、たぶんホームルームかそのあとに説明があるはず。できるならしほちゃんと一緒の方が良いけども……そうじゃなくても友だちを作れるように頑張ろう。


「おはようございます。見た限り欠席者も無しと……それじゃあホームルームを始めます。まずは出席確認兼自己紹介をしましょう」


 古郡先生が入ってきて、名前と好きなことを言う簡単な自己紹介をすることになった。

 やっと顔と名前を一致させることができる。それに追加で好きなことまで教えてくれるのだから、友だち作りをしたいわたしにとってありがたすぎる。


「わたしの名前は朝霧みゆ! 好きなことは話すこと。みんなと友だちになりたいから、どんどん話しかけてね! よろしく!」


 わたしの今の姓は朝霧。だから名前の順で一番最初に自己紹介をしたけども、いい感じの手応えなんじゃないだろうか? 好きなことがこの二つなのは、今のわたしが好きなものの中で一番好きだからだ。


 もちろんキュアプリンセス……略してキュアプリも、運動、勉強、読書、睡眠どれも好きだけど、やっぱり人と話すことが一番楽しい。


 わたしの自己紹介が終わってから、他のこの自己紹介も進んでいく。聞いてた感じだと、男の子はサッカーとか野球が好きな子が多いみたい。他には走ることとか、寝ることとか。クラスの男の子はスポーツが好きな子が多いイメージだった。

 女の子の方はお絵かきとかお散歩とか、なわとびとか。いかにも女の子な感じだった。わたしみたいな変わったことを言った子はいないらしい。ちょっと残念。


 でも、一人ひとりの話し方からどんな性格なのかがなんとなく予測できるようになったし、これだけでも友だち作りがしやすくなるだろう。


 とりあえずは今日の交流会からだ。4人一組に別れるのは、子どもたち自身に任せるらしい。もちろんわたしはしほちゃんと一緒に組む。個人的には、4人一組で組むと2人あぶれるので、わたしたちがあぶれたいと思ってる。基本はさっきの自己紹介で、似た好きなことをもつ子で組んでいるみたいなので、グループを作れない子もできないだろう。そもそも、まだまだ純粋な1年生だ。いじめとは無縁だと思うし。


「しほちゃん、私たちは二人だけでもいいよね? ふたりっきり」

「うん、大丈夫だよ。ふたりっきり……」


 ふふふ、となんでか笑いあう。しほちゃんはかわいいし、笑顔はもっとかわいいので、大きくなったら遅くないうちに誰かに取られてしまうのだろう。ならば今満喫しようではないか。今だけはわたしのものだよ……あ、なんかヤンデレっぽい。


 まぁ冗談はさておき。古郡先生に、二人組で良いことを伝える。一瞬考えたみたいだけど、視線がわたしとしほちゃんの繋がれてる手に向いて、OKを出してくれた。

 と言っても、1年1組にも2人だけのグループがあるはずなので、そこと組んで1つの組になるだろうけど。


「ちゃんと組が作れたみたいですね。同じグループの子のことをしっかり覚えたら、そのまま二列になって並んでくださいね」


 はーい。と言うと、古郡先生に連れられてしほちゃんと一緒に1組の教室にいくことになった。顔合わせかな。

 1組に行って古郡先生がドアを開けるところでそれは起こった。


 泣き崩れる子と、それを手を降り下ろしたような体制の子。なにか、喧嘩でもあったみたいだった。


「しほちゃん、ちょっとだけ待っててね」

「……え?」


 しほちゃんと繋いでいた手を離して、顔を赤くしながら手を降り下ろしている子のもとに野原先生と古郡先生が向かうのを見ながら、泣いている子の元に向かう。


「大丈夫だよ、どこが痛いの?」


 そう聞きながら、ポケットからハンカチを一枚取り出してその子の涙を拭いていく。その途中で、頬の辺りが他の肌より赤くなっているのがわかった。


「これで涙拭いてね」


 そう言ってハンカチをその子に持たせて、もう一枚ハンカチを取り出して教室に備え付けられている水道で水に濡らし、絞ってからそれをその子の頬に当てる。

 冷やすと良いんじゃないだろうか……とりあえずハンカチを押さえながら背中をさすっておく。効果があるかわからないけれどもね……。


 そこまでして、なんでこんなことをしているのか考えた。単純に可哀想だからとか? 前世があるわたしは、今世の分も含めれば24年生きてることになる。そう考えると、まあ、小さい子が泣いているのを見て放っておけなかったから、だろうか。


 とりあえずそのまま数分もすると、相手も落ち着いたようで、逆にこちらを心配そうに見ながらも罪悪感のある表情をしていた。


「みゆさん……ありがとう。野原先生、一応保健室に連れていきますね。2組の子はグループ分けが終わって、廊下で並んでいるところです。1組の子と一緒に、体育館に連れていってください」

「わかりました。ありがとうございます」


 そう言って、古郡先生はわたしのハンカチ二つを持った泣いていた子と一緒に教室を出ていった。


「とりあえず、グループを組めてる子は外にならんでください。組めてない子はゆっくりで良いから組んでいこうね」


 そうして1組の子もグループが出来上がっていく訳だけれども……やっぱりさっきの子が一人残ってしまう。

 その子は教室の隅で下を向いたままでいて、誰も近づこうとしない。


 なんでああなったのかはわからないけれど、このままじゃ彼はクラスで浮いてしまうだろう。1年生なので、そういったことは起こらないだろうけど、その環境が悪い方向に導いてもいく。なので、誰も動かないならわたしが動こう。


「あなた、名前はなんていうの?」


 近づいて声をかけるわたしに、多くの視線が集まってるように感じる。しほちゃんも着いてきてはいるけども、わたしの後ろで隠れている。


 声をかけられた男の子は、肩がぴくっと動いて、ゆっくり顔を上げてわたしのことを見ると、表情を歪ませてしまう。その表情はそう、責められるのを怖がるような、そんな感じだった。

 まぁそんな気はないので、なるべく優しい声で話す。


「わたしのグループがあとふたり足りないから、あなたとさっきの子に入ってもらうの。良いよね?」

「……ぇ、と」

「ダメなの?」

「ううん、いい……けど、良いの?」


 ちょっとばかし聞きづらいけども、ちゃんと聞こえている。もちろん良いに決まっている。けど


「さっきの子にちゃんとごめんなさいをしないとダメだけどね」


 相手の嫌がることをしたら謝る。この子は勢い余ってやってしまったんだろう。どうすればいいのかわからないみたいだったから、ちゃんと教えてあげる。反省と後悔の色が見えるので、小さいながらもいい子なんだろう。


 後ろを向くとちょうど古郡先生が戻ってきたみたいで、野原先生と話していたので、彼の手を引いて野原先生の元に向かう。


「ぁ……えと……」


 まぁ先ほど怒られた相手だ。しょうがないとは思うけど、そんなんじゃダメだろうに。軽く背中を叩いてあげると、先ほどの子に謝りたいと言った。

 面白いことに野原先生と古郡先生が驚いていて、チラッとわたしの方を見たけれどもすぐに彼へ視線を戻す。



 そのあとは古郡先生が彼をつれてもう一度保健室に行き、わたしたちが野原先生に言われて体育館に移動した頃に泣いていた子と一緒に戻ってきていた。


 片方は少し赤くなった目ながらも笑顔で、もう片方は照れたような笑顔だった。無事に仲直りができて、さらに仲良くもなれたらしい。良いことである。


 色々あったけれども、楽しい交流会の始まりだ。

 しほちゃんの手をにぎにぎしながら、校長先生の説明に耳を傾けるのだった。

 ちなみに朝霧ゆみさんの持っているハンカチは全部で3枚です。手を拭く用、人に貸す用、その予備となっています。ちなみにティッシュは2袋。女子力高めですね(笑)


 指摘などがある方は感想欄で教えていただけると嬉しいです。

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