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最終話(1/4) トッププレイヤーの仲間入り ――竜の猛攻

 竜は極光を纏い、力を解放させるとその巨体で飛び上がり、魔法で空中に光の足場を作るとそのまま勢いをつけてウキナに向かってダイブしてきた。


 その攻撃の余波で決して遅くは無い衝撃波が発されるが、竜はその勢いのままに腕でウキナを叩き潰そうとした後、尻尾で周囲をなぎ払って空中に離脱し、更に一回転して尻尾での斬撃を飛ばしてきた。


 今の一連の動き全てには、光と炎の余波が発生している。


「【死神の代行者】!」


 ウキナは今まで通常状態で戦ってきたが、ここに来てその縛りを解いた。


 両目はオッドアイになり、周囲には2つの鎌が浮かぶ。


「流石にここからはこのスキル使わないと無理ね……!」


 これでウキナは自身の切り札の1つを使用してしまった訳だが、迷い無く使用した。


 意外と制限が多いので出し渋っていたスキルではあったものの、此処が正念場だと判断したのだ。


 ウキナの最大強化スキルは強制狂化付与の影響で、パーティ戦闘に適さないので今回は封印である。


「お返しよ、【トライブレイク】!」


 3つの鎌がそれぞれ独立した動きで竜を抉りにかかる。


 この状態でも他スキルを併用すれば、竜が今行った一連の攻撃を回避してカウンターまで返すことができた。


 長くは持たないがパーティでの自身の役割を果たすには十分だろう。


 だが……。


「っ硬……」


「鱗も再生してる?」


 竜の強さも半端ではない。

 鱗がウキナの攻撃を弾いていた。


 そしてカナが言う通り竜の鱗は完全再生し、より硬度を増している。


 更に……。


「っく……」


「熱いっ!?」


 竜がその体から発する熱気も凄まじいものだった。


 ウキナは長くは居られないと判断して距離を取り、そこそこ離れていたカナも強化されすぎた《感覚》故に熱気に怖じ気付き、更に距離を取る。


「攻撃力、防御力、速度、全部強化された上に行動パターンも予備動作無しの複雑化……攻撃の範囲自体も増加した挙げ句に近づくだけでダメージを受ける炎……エネルギーを発する体か……。やり過ぎじゃ無い運営?」


「あの様子じゃ、よっぽど倒されたくなかったモンスターなんだろうね」


「冷静に分析している場合!? 次そっち行くわよ!」


 竜は次の行動に移ると、冷静に分析していたルユと魔王達の方へと標的を変えて今度はそちらに突進をかける。


 魔王は杖を構えルギ達も迎え撃つ形で竜に向けて構える。


「魔法耐性はどのくらいか、試して見るとしようか!」


 魔王は後先構わずほぼ全力の魔法攻撃を加え、ルギとトウカ達も竜の動きを封じ込めようとする。


「ぎりぎり押さえ込めてる?」


「全開でようやくって感じだけれど、伊達にINT特化にはして無いよ!」


 簡単に破られるかと思った魔法での重撃だったが、魔王は予想以上に竜の動きを封じ込めている。


 もはや目がおかしくなりそうな量の多重魔法陣は、目まぐるしく展開と発動を繰り返している。


 だが、流石に魔力の消費が激しいようで僅か数秒程でその弾幕は薄くなってしまった。


 すると、竜は即座に全ての拘束を破り、尻尾を振り回すと光と炎が魔王達をなぎ払う。


「ぐっ!?」


「っ!?」


「きゃあ!?」


 ベア丸の防御障壁で多少緩和出来たとはいえ、それすらも簡単に突破され3+1人(体)共吹き飛んだ。


「流石にあれでギリギリか……」


 その光景を見たルユ、カナとウキナにクロもルギ達と竜の間に割って入り態勢を整える時間を作ろうとする。


 すると竜は地を這う光の球を尻尾から2つ振り放ち、遠回りに左右から魔王達を狙って自身は正面突破を仕掛けに来た。


「そんな事までしてくるのか!?」


「……全員最大火力で竜にだけ応戦して」


「え?」


「……わかったわ」


 ルユ達は正面突破を仕掛けに来た竜をそのまま正面から迎え撃ち、それぞれの最大火力技を放つ。


 竜はその攻撃に退いたが、光の球はそのままルギ達に向かう。


「【障闇の魔風】」


 それを魔王が黒い風の様な物を放つスキルで両方掻き消す。


 流石の耐久力の様で吹き飛ばされながらも、態勢を立て直すのは3人の中で一番早かった。


「いつつっ……」


「一応耐えられたけれど、余波だけでも連続2撃で死にますね……」


 ルギとトウカ達も立ち上がり、態勢を立て直す。 


 竜はその後、1度距離を取ってこちらの様子を再度見始めた。


「……さて、うちのリーダーさんは今ので対策は立てられたかしら?」


 ウキナはルユの方を向いて尋ねる。


「……一応、幾つか見えた所はあるけれど」


「あら、早いわね。ちょっと聞かせてよ」


 ルユはウキナに促されて自分の見解を語る。


「強力な連撃ばかりしてくるみたいだけれど、一連の動作の合間に何もしない結構なインターバルがあるから回復は間に合う。全力で迎え撃てばぎりぎり押さえ込める範囲でもあるから耐久は思ったよりも簡単そう」


「あれだけでそこまで考えていたんだ……」


 カナが感心の声を挙げていると、ルユはそのまま止まらずに語る。


「でも今のままだとこっちにも打点が無いから負けるのはこっち。魔王の魔法も対してダメージにはなっていなかったみたいだし……。立てられるのは対策じゃなくてどちらかというと対処だけ……。インターバルが疲労の表れだとするならHPはそこまで高く設定されて無いとは思うけれど、今のところ自傷ダメージがあるわけでも無いみたいだから……いや、全力で潰しに来ているなら耐えてれば変化が現れるか…………?」


「ちょっとで良いっての……、取り敢えず今出来ることがただの耐久策しか無いって事だけわかったわ」


 ウキナは色々と考え込み始めたルユの言葉を遮り、竜の次の行動に備える。


 突破口は見つかっていないが、竜も悠長に時間を与えてはくれる訳ではない。


「でも、そこまで分析できているなら十分だね。もう少し頑張って耐えてみようか」


「だな。考えながらで悪いがルユ、指示をくれ。取り敢えずでも時間を稼ぐ」


「……わかった」


 ルユが何か案を出す前に竜は次の行動へと移った。

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