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第10.5話 閑話③ ――カナのスキル事情

次回からは本編に戻ります

 またまた別のある日のこと。


『アクティブスキル【炎拳:火弾撃】を取得しました』


「あっ……」


 久しぶりに入手した新たなスキルに私は足を止める。


「どうしたの?」


「新しいスキルが手に入ったみたい、ちょっと確認しても良いかな?」


「わかったわ」


 ウキナはそう言うと足を止め、私がスキルの確認をするのを待ってくれている。


 今はウキナと2人でダンジョンを攻略中だ。


 推奨Lv.84の為、ウキナと回っていてもそこそこの経験値を入手できるくらいには効率も良い。


 本来ならルユ達が挑むのが丁度良いらしいが、若干私達のAGIには追いつかなくなりつつあるため今回はパスだそうだ。


 ルユはついてこれるはずだが、最近少し気まずい出来事があった為、別行動する事が多い。

 早くお互い忘れたいものである。


「うーん、説明を見る限り若干MPを消費する格闘技みたい。属性スキルを覚えたからかな?」


【炎拳:火弾撃】はMPを30消費して拳や蹴りから炎の弾を相手に飛ばすスキルらしい。

 マジックスキルのエンチャントで火の魔力を使っていた事がきっかけになったみたいだ。


「あら、それは使い勝手が良さそうね。1度試して見れば?」


「そうしてみる」


 私はすぐ近くに現れた球体型の植物のモンスターに今覚えたスキルを放つ。


「【火弾撃】!」


 私が右足に魔力を纏うイメージを持って前方に跳び蹴りを放つと、大きな火球がモンスターに向かって飛来していく。


 その火球は私の想像よりも大きく、燃えさかる炎にも中々の勢いがあった。


「――!」


 火球がモンスターに当たり、勢い良く燃え上がる。


「おおー、思っていたよりも凄い――」


 そうして私はメラメラと燃えさかるモンスターをぼーっと突っ立って見ていた。


 植物系のモンスターだから良く燃えるのだろうと、呑気にそんなことを考えていたのだ。


「――え?」


 そんな現在進行形で燃えているモンスターから豪速の枝の鞭が襲いかかる。


 ぼーっとしていた私はその攻撃に当たる……わけでもなく、このくらいの攻撃なら避けられたのだが、私が動く前にその前にモンスターの体は枝ごと細切りにされた。


「いくら貴女が火力特化で弱点属性の攻撃でも、流石にこのレベルじゃ一撃は無理よカナ」


 モンスターを一瞬で細切りにした犯人はウキナである。


 ウキナは何でもないように鎌を一振りするとこちらを振り向いた。


「ありがとうウキナ、ちょっと初めての光景でぼーっとしてた」


「それでも避けられるなら大したものね。いつかタイマンでも負けそうで怖いわ」


「あははは……」


 助けてはくれたものの、あれで避けられる事はウキナにもわかっていた様だ。


 とはいえ流石にタイマンでは、私はウキナに絶対負けてしまうので笑ってごまかす。

 この間、試しに模擬戦をしてみたら3割も削れずに負け続けたばかりだ。


 ルユにも1回も勝てたことがないのでまだまだだろう。


「それにしても新しいスキルは使い勝手が良さそうね。カナには遠距離攻撃手段が無かったから丁度良いんじゃない?」


「うーん、そうだけれど……」


「どうしたの?」


「ウキナや他の皆が使ってるスキルって、強力なものばかりだよね。私みたいなステータスで無理矢理じゃなくて、スキル自体が元々強力な奴」


 私はそう言って先程ウキナが切り刻んだモンスターが居た位置を見る。


「私、ユニーク装備以外でそういうの全然取得できないなーと思って。結構パワーレベリングで皆にレベルは追いついてきたと思ったんだけれど……」


 私のスキルは、称号やユニーク装備のスキル以外では強力なものがかなり少ない。

 称号やユニーク装備で得られるスキルはどちらかというと特殊な入手に当たるみたいなので、皆が使う武器の大技スキルみたいに、素手にも正攻法で得られるスキルはないのかと考えたのだ。


 素手でも入手したスキルはかなりの数があるので私にもそういったスキルがあると思っているのだが……。


「あー、それね。正直、パワーレベリングをしているからそう感じるのかもしれないわ」


「どういうこと?」


「スキルの自動取得条件って結構回数こなす系が多いでしょ?」


「うん、そうだね」


 大体のスキルは入手も強化も回数が一定に達すると自動で上がる事が多い。


「カナの場合、レベル以上のステータスを持ってレベル上げがかなりし易い分、回数をこなせないって所かしらね」


「あ、そっか」


 たしかに、素手のボーナス効果以外にもユニーク装備によるレベル20の時でもLv.50以上の装備を着続けたゴリ押しの効果もある。


 それで格上ばかり戦い続けていたのだ。

 回数をこなす必要がある通常スキルの成長がレベルの上昇と釣り合わなくなるのは当然だ。


「あれ、でもウキナは?」


 ウキナもPKによるパワーレベリングをしているので回数はそんなにこなせていないはずだ。


「プレイヤーってスキル経験値としても美味しいのよね」


「そういうこと……」


 どうやらウキナは私と違い、レベルの上昇速度だけで無くスキルの取得とその成長速度にも何かしらのボーナスがあるらしい。


 本当にこのゲームでのPKの仕様はハイリスク&ハイリターンなのだろう。


「結構PKには、特殊な仕様やそれで得られるスキルも多いしねー」


「それなら、私だけ通常スキルが育ってないのも仕方が無いのかー」


「まぁ、カナにはその分珍しいスキルが多いんだし、そこでカバーじゃない?」


「うん、別にこのまま戦い続ければいつかは手に入るんでしょ? それなら気長に楽しむよ」


 そうして私達はダンジョン攻略を再開するのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 丹田に気を集中しながら其れを放つ掌に集中させ掌底を500回放つと浸透勁を取得とか 体に一定時間を100回繰り返すと氣功を習得とか 素手なんだし「氣」に特化したスキルこうせいでもありかとただし…
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