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第10話 古代魔闘士(2) ――ルユとウキナの職業+α講座

「それで、私達の助けを求めにここへ来たと……」


「うん、ごめん。またやっちゃったみたい」


「うーん、これまた凄い状態になってきたね」


 今、カナはウキナの家にやってきている。


 自分がまた大きくやらかしたことを悟り、思考が正常化したカナは、手遅れながらルユとウキナの2人に助けを求めることにしたのだった。


 そうして連絡を受け取ったウキナはカナを迎えに行き、今はルユも合わせての計3人で事後整理をしている。


「職業クエストがソロ専とはいえ、目的地までは着いて行くべきだったわね……」


「まさか私も、3エリア分も奥の場所だったとは思わなかったよ」


 ステータスが上がり移動速度が上がったカナは、道に迷った時のその規模も結果的に拡大させることになっていた。


「その戦利品は……うーん、色々とチグハグだね」


「ギリギリ組み合わせられるのは奇跡的よね」


 そう言って二人は紙に書き写したカナのステータスと特筆すべき要素を纏めた物を見る。


 記念称号など、大して意味を持たないものは省いた。


 ----------------------------------------------

 [ステータス]

 クロデ=カナ

 Lv.51

 職業:古代魔闘士

 状態:【古代の呪い】


 HP306/306

 MP750/750


 STR:180(+126) ×1.8

 VIT:0(+111)

 AGI:226(+108) ×1.8

 INT:0(+389) ×1.8 ×1.8

 DEX:98(+36)


 装備

 右手:【なし】

 左手:【黒翼の投魔弾器】

 頭:【白砂姫の髪飾り+1】

 胴:【白砂姫のブラウス+1】

 腰:【白砂姫のスカート+1】

 腕:【白砂姫の腕甲冑+1】

 足:【白砂姫のゲートルブーツ+1】

 装飾品:【パワーリング】【白砂姫のアーマーリング+1】【白砂姫のブレスレット+1】


 所持適性:古代魔法・全 初級魔法 下級魔法 中級魔法 上級魔法 超級魔法 帝級魔法


 スキル

 アクティブ:

【強打Ⅲ】【掌打Ⅲ】【フルスイングⅢ】【回し蹴りⅢ】【見切りⅡ】【超巨岩蛇の咬砕】【超巨岩蛇の閃尾】【白砂姫の記憶】【白砂姫の祈り】【乱打Ⅱ】【瞬歩】【二段蹴りⅡ】【震脚】【白砂姫の闘心】

【魔狼の鉤爪】


 マジック:

【エンシェ・エンチャント】【エンシェ・スイッチ・エンチャント】


 パッシブ:

【掴み上手Ⅱ】【回避の心得Ⅱ】【覇者Ⅱ】【大物喰らいⅢ】【逆境の主喰らいⅡ】【逆境の歴戦喰らい】【サブウエポンマスターⅣ】【白砂姫の加護】【格闘の心得Ⅱ】【蹴りの心得Ⅱ】【捌き上手Ⅱ】【重心安定Ⅱ】【二段ジャンプ】【恐れぬ姫】【白砂姫の魔砕】


 スロット:

【思考加速】【残打】

 コスト(5/30)


 サブ:

【先読みⅡ】

 コスト(3/15)

【弱点特攻】【悠久の魔法使い】【古の記憶】【古代の叡智】


 -----------------------------


 職業:古代魔闘士


 補正:STRとINTに+補正、VITに-補正、MP10倍

 被ダメージ1.4倍、与ダメージ1.1倍

 スロット枠+25、サブ枠+15

 全攻撃をINT依存への変更


 状態異常

 耐性:

 即死無効、消滅無効、ゾンビ化無効、灰化無効、幽体化特大、操り特大、鈍足大、石化大、麻痺小、睡眠小、混乱小、火小、水小、氷小、土小


 弱点:

 魅了特大、催眠特大、幻覚特大、攻撃低下特大、防御低下特大、狂化特大、幽体化特大、魔力封印特大、毒特大、沈黙大、忘却大、盲目大、闇大、光大、暴走大、錯乱大、洗脳小、浸食小、風邪小、腐食小


 -----------------------------


【エンシェ・エンチャント】

 分類:マジック

 消費MP:対象者×3p/s

 必要適性:古代魔法 中級魔法


 任意のプレイヤーに、術者の適性に応じた任意属性の属性エンチャントをかける。

 全ステータスを1.05倍にする。


 取得契機

 職業《古代魔闘士》への転職



【エンシェ・スイッチ・エンチャント】

 分類:マジック

 消費MP:300

 必要適性:古代魔法 上級魔法


 1分間任意のプレイヤーに任意ステータス依存の攻撃を上乗せする強化魔法をかける。


 取得契機

 職業《古代魔闘士》への転職


【悠久の魔法使い】

 分類:サブ

 コスト:5


 マジックスキルの消費MPを2倍にする代わりに、その効果を3倍にする。


 自動取得条件

 ――


 取得契機

 一度もデスペナルティを受けずに魔法系職業へ就いた事による称号、『悠久の魔法使い』の取得。



【古いにしえの記憶】

 分類:サブ

 コスト3


 任意に状態異常耐性大を2つ設定する。


 自動取得条件

 ――


 取得契機

 初めて就いた職業が古代系職業であった事による称号、『天啓:古代の探求者』の取得。



【古代の叡智】

 分類:サブ

 コスト:5


 10p/sでの自動MP回復。

 10p/sでMPを消費し続ける代わりにフィールド効果のデメリットのみを無効化する。


 自動取得条件

 ――


 取得契機

 1度もデスペナルティを受けずにかつ、初めての職業が《古代魔闘士》であった事による称号、『古代魔闘士の継承者』の取得。


 ----------------------------------


 現状のカナがどのような状態なのかを確認するため、紙にはここ数日間で会得したスキルも纏めて書き留めてある。


「見るだけで頭が痛くなりそうね……」


「説明することが多そうだな~」


「お願いします……」


 そうして、細かな補足へと入っていった。


「まず、職業の詳細からだね」


「この際、職業が実質固定させられたのは置いときましょう」


 古代の呪いと古代の魔呪によって実質的に職業が固定させられた形になったが、こちらは現状どうしようも無いため諦めざるを得なくなる。


「うん、これって他の職業と比べてどうなの? 何か大幅にステータスが変わっちゃって驚いたけれど……」


「補正に関してはそこまで珍しくは無いわ、MP10倍とかも魔法使い系職業なら平均5~15倍だからよくある事よ」


「スロットスキルとかのコスト拡張も多い方ではあるけれど、まだ優秀って言葉で片付くレベルかなー」


「それじゃあやっぱり……」


 そうしてカナはルユ達が話している箇所の少しだけ下の部分を見た。


 それに対してルユ達も頷く。


「そうだね、その辺りは正直ピーキーって言わざるを得ないかな」


「職業の特徴の中でも古代系列は全体的に耐性の変化が多い事が有名なんだけれど、カナのこれは相当多いわね」


「見たところ、即死系と行動不能系列の状態異常は軒並み耐性持ちになって、絡み手の状態異常にはすっごく弱くなるって感じ」


「というかこのゲーム、こんなに状態異常多かったんだ……」


 魅了や催眠、洗脳などほとんど似た様な効果にまで全て個別の耐性が設定されている事にカナは驚いていた。


「此処に書かれていない耐性もあるし、まだまだこんなもんじゃないわよ?」


「まだあるの!?」


 既に異常な程書き込まれている状態異常なのだが、これで全部では無いという。


「ここにないものだと憑依とか小人化、思考速度減速状態なんてものまであるわね」


「データ量が莫大なMakeO.S.だからねー。因みに何の職業にも就いていない時は全部普通耐性でステータス画面では反映無し。状態異常耐性の他に属性耐性ってのもあるんだけれど、《古代魔闘士》にはその補正は無いのか何も書かれていなかったね」


「職業以外にも、ごく希にキャラクター作成の時点で隠しステータスとして、設定されていることもあるみたいよ」


「そんなこともあるんだ……」


 隠しステータスなんて物まで設定されているとは思わず、カナは素直に感心する。


「クリティカル率とかに補正があったりね、カナはLuckの隠しステータスとか設定されている可能性もあるんじゃないかな~」


「ええ……!?」


 ルユのその言葉にカナはそんなことはないと言おうとしたが。

 何となく、心当たりがある出来事が多いかった為に口をつぐんだ。


「ほらほら、話が脱線しているわよ?」


「あ、ごめん」


「あー悪い悪い、それで話を戻すけれど、やっぱり一番の問題になるのはこれだね」


「……やっぱりそれだよね」


「私もそう思うわね……」


 三人は職業についての詳細欄で唯一触れてなかった所に視線を落とす。


 全攻撃をINT依存への変更


 この一文が頭を悩ませる原因となっていた。


「一応、INT依存になってもある程度戦えるとは思うけれど……」


 装備についた追加効果、『古代の魔呪』によりINTの数値も大分上がっている。


 しかし、STRを主力に振ってきたカナにとってこれは明確な痛手であった。


「カナは白砂姫のスキルもあるから……あっちが死にスキルになりかねないのは怖いわね……」


 そう、カナのユニーク装備が持つ白砂姫スキルはそのほとんどがVITやINTを犠牲にし、STRなどに回すスキルである。


 今のカナがそれを使って殴りかかれば防御力を犠牲に、攻撃力も0の攻撃を繰り出す超絶クソスキルになってしまうだろう。


「やっぱり、これを使って戦うしかないだろうね」


 そう言って話はマジックスキルと適性の話へと移り変わる。


【エンシェ・スイッチ・エンチャント】、消費MP300で1分間だけ、自身を含めた任意のプレイヤーに任意ステータス依存の攻撃を上乗せする強化魔法をかけるスキル。


「本来、絶対におまけ程度のスキルよ。これ」


「カナの場合、この魔法の効果時間中だけ火力が激増する壊れスキルになるね」


 元々のINT依存の攻撃にカナがSTR依存の追加攻撃を加える効果を指定すれば、それだけでも1000近いステータスの火力で殴れる様になるとんでもスキルだ。


 白砂姫スキルを合わせればINT依存攻撃である本来のダメージは0だが、追加ダメージだけで十分凄まじい火力になるだろう。


 防御を完全に捨てるピーキー効果が更に加速することにはなるが……。


「他に難点としてはカナのMPだと消費MPが大きすぎるって所かしらね」


「【悠久の魔法使い】も併用したら1回でほぼ空になるね」


「ぎりぎり【古代の叡智】の自動MP回復効果が間に合うけれど、本当にぎりぎりだ……」


【悠久の魔法使い】は消費MP2倍で【エンシェ・スイッチ・エンチャント】の消費MPを600にしてしまう。


【古代の叡智】の自動MP回復効果は1秒間に10回復するが、それで全て相殺されてしまうだろう。


「……? この魔法、エンシェって全部ついているけれど、もしかしてこれの通常バージョンの魔法もあるの?」


 わざわざ魔法名の手前に取って着けた様な形を疑問に思ったカナは2人に質問をした。


「あー、それも説明しないといけないわね」


「結論から言うと有る……だね。カナは自分の適性についてはもう理解できた?」


「うん、この帝級まで書いてある所だよね?」


「そうそう」


「最初からかなり上級な魔法が使えるのってやっぱり凄いのかな……!」


 超級を超えて帝級の適性だ。


 普通なら期待してしまってもおかしくはない。

 強力な沢山の魔法を使えるのは楽しそう、と素直にそう思っての発言だったのだが……。


 ……2人はそんなカナから目を逸らす。


「……え?」


 2人のそんな反応を見た瞬間に嫌な予感が過ぎった。


 いや、もうこの時点で結果は分かりきっている。


「うん、まぁ……凄いんだけどね。普通なら、最初は有っても上級魔法の適性が限界だし……」


「ただ……ね。古代魔法って入手事態がとても希少なのよ……そもそも手に入らないっていう。私達ですら入手した事があるのは1回だけね」


「そんなぁ~……」


 踏んだり蹴ったりな内容に、カナはその場に突っ伏す。


「で、でも古代魔法が強力なのはたしかよ! 通常より消費MPやデメリットがある代わりに、効果が強力になっているの!」


「ただ、古代魔法の適性を持っていると通常の攻撃魔法や回復魔法の適性は手に入らないらしい……。古代の魔法体系と違うから2つ同時に持つと暴発する的な設定があるみたい」


「なに、それ……」


 以前手に入れた【ヒュージ・ロック・バレット】も完全な死にスキルになった事を悟ったカナは、今更ながら何故紙に書かれなかったのか理由を理解する。


「あ、でも、ほら! カナは運が良いから、もしかしたらスクロールとかから手に入るかも!」


「そうかな~…?」


 流石にとんでもない数のスキルから、希少な古代魔法が選ばれるとは中々思えない。


 この前、トウカが使えるスキルを入手できた時も運が良かったと言っていた。


 通常スキルですら中々手に入らないのに、トッププレイヤーがやっと1つ持っているだけのスキルを手に入れるのは至難の業だろう。


「うーん……でもまぁ、ぎりぎり弱くなったとは言えないレベルみたいだし、今あるスキルで何とかしてみるしかない……かな?」


「それが良いわね、十分今のステータスでも上位プレイヤーをなぎ倒せる力はあると思うわ」


「折角ここまで勢いづいていたのにここで失速するのは残念だけれど、スキルの組み合わせ次第ではまだまだ戦えると思うよ」


「そうだね、頑張ってみるよ」


「もしかしたら、今後相性の良い新しいスキルも手に入るかもしれないしさ」


「うん、今日はありがとう2人とも、また今度ね!」


 そう言って閉じていく扉を挟み、お互いに手を振りながら今日は解散となるのだった。

左手武器はクロ作成のクロスボウ、ルギの魔改造済の装備になります。

前話で左手武器がクロスボウを装備しているはずなのに【なし】になっていたところが幾つかありますが作者のミスです。(後日修正予定)


スキル説明の取得契機は追加した説明です。

前話の物も全てこちらに直しておきたいと思います。

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