第7話 イベント結果とその後(3) ――イベントの報酬確認
「奏、聞いて! 今日から私もゲームをプレイできるようになったよ!」
テスト期間を終えた丁度翌日、姫奈が私を見つけて叫んだ第一声がこれだった。
「おぉー、これで一緒にゲームできるね!」
私もその言葉に嬉しくなり、毎度恒例(いつもより威力強め)のタックルは水に流す。
更に教室では……。
「あ、黒崎さん、今日からルギがログイン出来るようになったらしいからよろしくね」
「え、そっちも!?」
朝から声をかけてきてくれた瑠璃鐘君の言葉に驚く。
「そっちも……って事はもしかして宇條さんも?」
「そう、昨日ゲーム機が戻って来たの! これで今日から私も参戦できるよ!」
完全に上機嫌な姫奈は気分が浮つきながらもそう言う。
「それじゃあ、今日は全員ログインして顔合わせが出来ると良いね」
「あ、私は久しぶりのログインでちょっと準備が要るから遅れるかも、奏にフレンドコード渡しておくから後で合流しましょう」
「そっか、わかったよ。それじゃあ黒崎さんは連絡係をお願いね」
「うん、任せて!」
こうして私は今日の学校が終わり、全員で集まれる時を楽しみで仕方が無かった。
それは恐らく皆同じだろう。
■
――そうして、集会場所としてお馴染みになりつつある、クロのお店。
「初めましてルギです。トウカの友人でいつもはクロ先輩と一緒に生産職してます。お久しぶりですね、カナ先輩、姉がいつもお世話になってます」
この礼儀正しい子はトウカちゃん、リアルでは桃香ちゃんの友人の宇條李臥君と言う。
そう、宇條姫奈の弟、そして私が中等部の時居た部活の後輩だ。
「わー久しぶり! まさかルギ君が君の事だったとは思わなかったよ!」
「まさか、ルギがあの人の弟だったとはね……」
「そういや、リアルの名前は聞いた事が無かったけれど、トウカお前は知ってたのか?」
「知ってましたけれど、本人から驚かせたいから黙っててくれって頼まれたんですよ」
「それを提案してきたのはトウカだけどね……」
そう言うルギ君の様子には当時の面影が感じられる。
今のルギ君の姿は灰色の髪に紺の帽子、同じく紺の制服の上からブラウンのコートを着たファンタジックな服装に、SFチックな何かの機械の部品を幾つかぶら下げた格好だが、その顔は耳がエルフを意識したのか横長になっている以外、確かに見覚えのあるものだった。
「あれ、もしかして二人のゲームが出来なかったタイミングが被っていたのって……」
「ああ、姉のゲーム機が故障して良い機会だったので、僕のも一緒にメンテナスに出したんですよ」
「なるほど……」
それで同時期に二人ともゲームを出来なくなったのだと納得する。
「それで、肝心なお前の姉はいつ来るんだ?」
「準備があるので待っててくれって言ってましたけれど、終わったらカナ先輩に連絡するって言ってましたよ」
「うん、学校でもそう言う話だったけれど……どう? カナ、連絡は来た?」
そう言われてフレンド画面を見るが未だに連絡は来ない。
「ううん、フレンド登録は完了はしてるけれどまだ連絡は来てない。もう少しかかるのかな」
「それじゃあ、待っている間前回イベントの報酬の確認でもしようか、皆まだしてなかったよね」
そのルユの意見に賛成し、皆で報酬の確認を始める。
私にとっては、特にわからない事があればすぐに聞けるため、とても助かる。
「今回の報酬は何かなー、私は……スキル珠8つと記念称号3種、スクロールも3つに素材色々と150G、最後に参加賞の全属性魔石:大1つだね」
「流石二位、報酬も豪華だな。俺は、スキル珠2つと記念称号2種、スクロール1つに素材色々と30G、最後に参加賞だ」
「あ、私もクロと同じです」
「カナ先輩、たしか11~50位までは同じ報酬なんですよ」
「そうなんだ」
「私はもう一個グレード下がっちゃいますね。スキル珠1つと記念称号2種、スクロールは無しで素材も色々ですが少なめです。それで10Gに参加賞ですね」
これらのアイテムの凄さはよくわかっていないが、恐らく貴重なアイテムなのだろう。
私は皆にアイテムの詳細を聞きながら、一つ一つ確認していった。
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報酬詳細
【スキル珠】
効果:消耗アイテム、1度使うと無くなる。また、いかなる手段を持ってしても複製、消耗を回避することはできない。砕くと所有者の持つスキルがランダムに確率で強化される。また希に新たなスキルや適性を入手できる。
【スクロール】
効果:消耗アイテム、1度使うと無くなる。また、いかなる手段を持ってしても複製、消耗を回避することはできない。使うと適性のあるマジックスキルをランダムに1つ獲得する。適性が無い場合は使用できない。
【G】
この世界の通貨単位、G,S,Bがあり、1G=100S=10000B。
【記念称号】
効果を持たない参加記念称号と順位記念称号の2つ。尚、10位以内の参加者には追加でもう一つ順位称号が贈られ、そちらにはスロットまたはサブスキルが付いてくる。
【魔石】
希少素材の一種、全属性は使用時に1つ属性を選ぶとその属性に染まる性質を持つ。




