第7話 イベント結果とその後(2) ――お勉強会
──姫奈の家
今日は姫奈と一緒に来週からのテスト勉強に備え、ウキナの家にやって来た。
「お邪魔しますー」
「いらっしゃい奏、今日は弟も家に居ないからゆっくりしていってね」
「そうなんだ?」
そうして始まった勉強会。
私は勉強の合間に、イベントの事やルユ達のことについて姫奈に話していた。
「でね、ルユって瑠璃鐘優冴君だったんだよ! ビックリだよね!」
「たしかにあのゲーム、性質上ネカマとかやりづらいし、滅多に居ないものね。現実と性別が一致してるって考えてしまうのも仕方無いわよねー」
姫奈もまさか、瑠璃鐘君がルユだとは思わなかった様で結構驚いていた。
私の話に出てくるのが男の子1人と女の子2人な事に疑問は持っていたらしいが、私は勝手にもう1人ギルドに居ると言われていたルギというプレイヤーが瑠璃鐘君だと思っていたのだ。
……と、それはそうと。
「ネカマ?」
「そう言えば、奏はネトゲ知識だけ浅かったんだっけ……」
ネカマなどのネット用語がわからず、姫奈に知識の補完をして貰いながら話す。
「ふーん、それなら現実が女の子でゲーム内は男の子って人も居るのかな?」
「ネナベね、でも余っ程居ないと思うわ。ネカマもそうだけど、本来はこのゲームのチュートリアルでも説明された様に、身体的特徴を変えると操作に違和感を感じるらしいし、アカウントも1つしか持てないから」
「そっかー」
たしかにチュートリアルでそのような説明があった。
アカウントについても説明書に、プレイヤー本人の生体情報で管理している為、複アカはできないという説明が書いてあったのだ。
「だから、瑠璃金君が何でそうしたのかは気になるわね」
「今度学校でそれとなく聞いてみよっか」
正直、イベント途中からずっと気になっていた事なので聞いてみたい。
当然、瑠璃鐘君に拒否されればそれまでだが……特に本人も隠していたわけでは無いようなので多分、教えて貰えるだろう。
「後は……そうだ、私イベントの順位38位だったんだ!」
私はイベントの結果そのものについてはまだ何も言ってなかった事を思い出し、姫奈に伝える。
「え、ちょっと待って、奏ってゲーム始めてまだ1週間くらいよね?」
「うん、ルユ達も凄いって言ってたよ」
「そりゃあ、そうね……」
「でも、そう言ってくれた皆も高くて、ルユなんか2位だったんだよ!」
「え……」
姫奈は私の最後の言葉に大きく反応を示した。
「ねぇ、奏、もしかしてルユって他の名前、通り名とかでも呼ばれてる?」
「え、なんでわかったの?」
「やっぱりそうなんだ」
「うん、何か……その、色々あって変態剣士とか呼ばれてるらしいよ」
「……。」
姫奈はそれを聞くと何かを考える様に黙り込んでしまう。
「あれ、もしかして姫奈知ってるの?」
「え、あー、うん。いつもは3位の人よね」
「そうそう! やっぱり、有名人なんだー」
「まぁ……、たしかに有名ね」
「今回はなんでも、いつも1位常連の死神って呼ばれているプレイヤーが居なかったから順位が繰り上がったって言ってたよ」
「ふ、ふーん、そうなんだ……」
「……? 姫奈なんか隠してる?」
「そ、ソンナコトナイワヨー」
「……。」
明らかに何かを隠してる姫奈に、私はじーっと視線を送る。
「う、その内、わかると思う……それも結構近い内に」
「ふーん……わかった」
「それじゃあこの話は終わり、また学校で話そ?」
「そうだね」
取り敢えず納得できた私は頷き、姫奈と一緒に勉強へと戻るのだった。




