第4話 ダンジョン攻略(3)――ボス攻略
四日ぶりの投稿になってしまった……
「さーて、何が出るかな……」
両開きの大きな扉を開けて、ダンジョン最深部へと到達したカナは周りをキョロキョロと見回す。
しかし……。
「あれ、何もいない……?」
その部屋は円形の大部屋となって居るのだが、周囲には何も居ない。
頭上を確かめて見たりもするが、高めな天井があるだけで、何かが張り付いていたりするわけでもなかった。
「んー?」
そんな部屋の様子に不審がりながらも、カナが取り敢えず部屋の中央辺りまで進む。
すると、突如部屋全体が揺れ始めた。
「あ、なるほど! そういうタイプなのか!」
カナが徐々に激しい振動になっていくその場から飛び退くと、地中から何かが飛び出してきた。
「……っ、チュートリアルのドラゴンも凄かったけれど、これまた大迫力だね……っ!」
地中から出てきたのは大きな岩で構成された大蛇だった。
道中に出てきた敵と比べると数倍大きい。
「うーん、流石にこれは投げ飛ばせないかな……」
その大蛇は、そこそこに高く広いと思っていた大部屋が、今はその大部分を占めてしまう程に巨体だ。
どう考えてもカナが投げ飛ばせる様な大きさでは無かった。
カナが相手の出方を伺っていると、大蛇はカナに向かって地面を抉りながら突進してきた。
「うわっ、凄いパワー」
巨体である岩の大蛇は、道中に居た雑魚敵とは比べものにならないパワーとスピードで突っ込んできた。
カナは横っ飛びで避けるが、大蛇はすかさず反転すると今度は尻尾を横薙ぎになぎ払う。
「……!」
カナはそれも体を反らして避けれたものの、その攻撃は前髪を掠めた。
「一発でも直撃したらHP全部持ってかれそうだね……」
単純なステータスの差はシンプルだが、それ故に脅威となりやすい。
カナはここまで一切、ステータスをVITに振っていない。恐らく本人が想像する通り、HPは直撃を喰らえば綺麗に消し飛ぶだろう。
「でも単調な行動しかしてこないなら、多分避け続けられる……。問題は、どうやってダメージを与えよう……か!?」
どう考えても硬そうな敵の装甲をどう突破してダメージを与えようか考えていると、相手の頭の横に魔法陣が幾つか浮かび上がった。
そして、一瞬の間の後にその魔法陣から巨岩が発射された。
「魔法まで使うの!?」
驚きながらも相手の攻撃を必死に回避していると、段々その手数に押され始める。
敵の攻撃を掻い潜って打撃を加えてみたりもするが案の定、大したダメージにはなっていないようだった。
「このままじゃ、どうせジリ貧か……。よし、一か八かだ!」
しばらく様子を見ていたカナは急接近すると幾つか展開されている魔法陣の一つ、魔法で発射される直前の巨岩に飛びかかる。
「【掌打】!」
【掌打】
分類:アクティブ
威力小、ノックバック大のSTR依存攻撃。
自動取得条件
格闘で100体モンスターを倒す。
カナの【掌打】を受けた巨岩は本来の勢いを殺され、軽く打ち上がった。
しかし、結果としてはそれだけであり、着地を狙った大蛇本体の攻撃がカナを襲った。
「【見切り】!」
【見切り】
分類:アクティブ
スキル発動から0.1秒間、全ての攻撃からステータス依存の絶対回避を行う。
自動取得条件
格上の同種モンスターを敵対してから攻撃に被弾せず、20秒以内に倒す事を20回行う。
カナはこのスキルを発動させるとシステムが補佐する完璧な動きで大蛇の攻撃を回避する。
そして、その後すぐに飛び上がり、巨岩を掴んだ。
魔法で作られた巨岩は地面に当たるなどして砕けるとすぐに消えていたが、この巨岩は消えていない。
ここまでカナの思惑通りであった。
「よし、これでも喰らえ~! 【フルスイング】!」
【フルスイング】
分類:アクティブ
STR、DEX依存の投げ飛ばしを行う。
スキル使用後の硬直時間は長いがその分効果は大きい。
自動取得条件
掴みを利用した攻撃で30体、モンスターにトドメを刺す。
――更にもう一つ、この時発動するスキルがあった。
【掴み上手】
分類:パッシブ
掴みを利用した攻撃を行うとき、ステータスに補正が入る。
補正値
STR:+10
DEX:+15
自動取得条件
掴みを利用した攻撃を100回行う。
スキルの補正が乗った投げ飛ばしは、巨岩を動かし大蛇の頭部へ直撃する。
その攻撃は大蛇の体表を砕き、体全体にもヒビを入らせるのだった。
大蛇はたまらず咆吼を上げる。
「効果抜群、ついでにもう一丁!」
巨岩を空中で投げ飛ばし、宙から降ってきたカナは咆吼を上げている大蛇の頭部へとお構いなしに殴打をたたき込む。
【強打】
分類:アクティブ
威力中のSTR依存攻撃。
自動取得条件
格闘で100体モンスターを倒す。
先程の大技に比べれば威力は低いモノの、その攻撃は大蛇のヒビが入った岩の表面を少し砕いた。
大蛇は叫び声を上げる。
「よし、攻撃も通じるようになってる! このまま行け……ば……?」
大蛇は体を起こすと、魔法を放った。
先程から使っている巨岩を打ち出す魔法だ。
しかし、その数は数倍に増えていた。
カナはまだ知らなかったが、これは一部のモンスターが特定条件で行う発狂攻撃である。
流石のカナもこれは避けられない。
「【思考加速】ーっ!?」
通常の状態であれば……ではあるが。
【思考加速】
分類:スロット
コスト:4
思考のみを数秒間加速するステータス依存スキル。
自動取得条件
格上モンスターの攻撃を躱してから5秒以内に攻撃を加える事を50回、連続で行う。
スキルを発動させたカナは巨岩を一つずつ軌道を逸らしたり、避けたりしながら丁寧に捌いていく。
同時に到達する巨岩には【回し蹴り】で捌いていった。
【回し蹴り】
分類:アクティブ
威力中のSTR依存攻撃。
自動取得条件
格闘の蹴り攻撃で50体モンスターを倒す。
「はぁ、はぁ、捌き切ったよ……」
息も絶え絶えだが、カナは見事、大蛇の発狂攻撃を捌ききる。
「さぁ、ラストスパートだ」
息を整えつつカナは大蛇を見据えた。
■
ダンジョンの最深部、ボスの大部屋で岩の大蛇が断末魔を上げる。
『ダンジョンボス:ウル・ジャイアント・ロック・スネークを倒しました』
『8024の経験値を獲得しました』
『Lv.が19から21に上がりました』
発狂攻撃を凌ぎきったカナに、もう負ける要素は無かった。
相手の攻撃は的確に攻撃を避け続け、こちらの攻撃は的確に加え続ける。
そうして、ようやく大蛇を倒しきった。
「――っ! やったー!」
カナ初のダンジョン攻略は、こうして勝利で飾られて終わるのだった。




