第4話 ダンジョン攻略 ――攻略開始!
カナはイーズ平原から入れる森の中を歩き、ダンジョンを目指していた。
「あれー、この辺りのはず何だけどな」
ネットで調べていた情報だともう着いても良い頃のはずなのだが、一向にそのダンジョンの入り口は見えない。
「道間違えたかな……」
一旦引き返す事も考えたが森の中の道はまだ続いている。
うっすらとだが、僅かに人が通れるだけの道が草木を分けて続いているのだ。
取り敢えず行けるところまでは行ってみようと考えたカナは、更にその道を進む。
そうして歩き続け、ようやく洞窟らしき場所を見つけるのだった。
「あったー。よかった、別に道に迷っていたわけじゃなかったんだ……」
このままダンジョンに着けず、結局ルユ達に頼ることになる可能性が頭に過ぎっていたが、そんな事態は回避できた事に安堵する。
「それじゃあ、ダンジョン攻略開始だっ!」
そう言って、いよいよダンジョンである洞窟の中に入る。
中は思ったよりも明るく、ダンジョンの壁自体が僅かに光っている様にも見える。
おかげで最低限の視界は確保できているのだった。
「ダンジョンって事はモンスターもきっと強くなるよね……あっ」
早速モンスターを発見したカナは遠くから様子を見る。
そのモンスターは丸い岩が数珠つなぎになってできた蛇のようなモンスターだった。
「硬そうだな……私、あれにダメージ与えられるのかな」
見るからに硬そうなモンスターにどうやって戦おうか考えていると奥から更に別のモンスターが現れる。
今度はちょっと大きなカエルのモンスターだ。
2対1は不味いかもと考えていると、2匹は互いに仲が悪いようでしばらくにらみ合った後争い始めた。
「モンスター同士で対立し始める事もあるんだ……これはラッキーかも?」
お互いに削り合い、彼らの戦い方も知る良いチャンスだと思ったカナは、物陰から様子を盗み見る。
その結果は予想以上に速かった。
カエルは跳びはね転々としながら舌を伸ばした攻撃や毒液の様な物を吐き出し戦うが、蛇はその攻撃を全て耐え、カウンターで噛みつきや尻尾を突き刺しての攻撃でカエルを仕留めてしまうのだった。
倒れたカエルは粒子となって消えてしまう。
「結構、攻撃力もあるのか……今の私だと一撃で死んじゃいそうだなー……」
思っていた以上に強そうな動きを見せた蛇に、少し気圧されたカナだったがすぐにメニューを開き、自身のステータスを強化する。
先日手に入れたBPを割り振ったのだ。
カナは先日の戦闘でLv.8になり、BPを32P得ている。
ルユに割り振り方はよーく考えた方が良いと言われ、今まで取っておいたのだが、その分を今全て割り振った。
STR+12 AGI+20
(――行こう)
準備ができたカナは物陰から飛び出し、蛇へと向かう。
蛇はいきなり現れた人間に驚いたようだったがすぐに向きを変え、カナに襲いかかる。
蛇は噛みつこうと襲いかかってくるが、カナはまず適切な距離感を保って回避する。
(一撃でも貰ったら終わり、ここはまず、回避に専念する!)
尻尾でなぎ払ったり、噛みつきをしたりと色々と素早い攻撃を放つ蛇だが、カナは全て紙一重で躱す。
(能力値、結構ギリギリだったかも……)
だが、危なげに見えて完璧なタイミングで避け続けるカナに蛇の方が先に痺れを切らした様で、勢い良く噛みつきにかかってきた。
(――今っ!)
その隙を見逃さなかったカナは、持ち前のバネのような体の動きで巧みに攻撃を避けながら、距離を詰めて上手く蛇とすれ違うと、そのまま蛇の尻尾をがっしりと掴みにかかった。
そして――
そのまま力一杯、壁に蛇を叩き付けた。
そこそこ重く、体も少し大きな蛇には効果抜群だったらしく、声にならない叫びを上げる。
そして更にもう一度、今度は床に蛇を力一杯叩き付けた。
蛇にはこの状態から反撃の手段は無いらしく、ただ叫びを上げ続けるだけである。
しかしそんな最後の抵抗も虚しく、お構いなしに遠心力も乗ったぶん回しで、数十回に渡って壁や床に蛇を叩き付けられた蛇は頭部が爆ぜ、粒子に変わるのだった。
『324の経験値を獲得しました』
『Lv.が8から10に上がりました』
「んー、よしっ!」
……恐らく、他にプレイヤーが居たらドン引きすること間違い無い戦い方をしていたカナだが、本人はとても満足気味なのだった。




