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第3話 交流会(3) ――生産職

「わぁー、凄い立派なお店ですねー」


 カナ達はゲーム内で合流した後、ファストタウンの街外れにある一軒のお店へとやってきていた。


「それなりに繁盛しているからな、店もそれなりのものを構えている」


「お客さんはいつ来ても居ないけどね~」


「うちはオーダーメイドが基本だ、お前もよく知っているだろ」


「クロさんの作る武器防具にはいつもお世話になってますよ」


 そう、此処はクロが構えるお店らしく、店の奥には工房などがある。


 申し訳程度に装備も飾られているがクロ曰く、店に置いてある装備品はインテリアとしての側面が強いらしい。


「金属製から木工のものまである……」


「俺のメインは鍛冶だが、一応一通りの物が生産できるぞ。調合とかは流石に俺の専門外だが、何故か設備だけは置いてある……」


「調合なら負けませんよ!」


「トウカの調合にも、いつも頼り切っているよね」


 そんな会話を繰り返しながら各々店の適当な場所で腰を落ち着ける。


 カナはお互いの紹介も兼ね合いながらプレイヤー達の拠点となる最初の街、ファストタウンの案内をされているのだった。


「皆さん凄いんですね……色々と」


 生産職についてそこまで詳しく調べてはいないが、彼らが自分よりも遙か高みに居るであろう事は間違い無いプレイヤーである事を如実に感じるカナであった。


「まぁ、私は生産系からっきし何だけどね」


 そう言って自分の生産技術ステータスを拡大表示させ、周りに見えるようにするルユ。


 そのパネルは全ての項目がLv.1……というわけではなく、何も表示されていない空のウインドウとなっているのだった。


「お前が生産職やっているところとか想像できねえよ……」


「作るより使い潰している姿の方がお似合いです」


「私、そこまで酷いかな……?」


 3人の会話を聞いていると、どうやらルユは生産職をする事は苦手らしい。


「っと、話はここまでにしておいて、カナさん……って呼べば良いのか?」


「あ、はい、カナで良いですよ」


 仲の良さそうな3人のやりとりを眺めていたカナだったが、急に話を振られて驚く。


「おう、それなら助かる。それじゃあカナ、クロスボウを貸してみろ」


「え?」


「ルユに渡された奴があるだろ、それを貸してみな、俺が調整してやる」


「えっと、お願いします?」


 カナはよくわからないままクロスボウを手渡すのだったが、クロは受け取るとその場で作業を進める。


「取り敢えずそこそこの強化と、カラーリング、属性付与と次の装備が見つかるまでの繋ぎになれば良いか」


 そう言ってクロは装備に手を加えていき、カナの手元に戻す頃には見違える様になっていた。


「ほら、できたぜ」


「か、格好良い」


 最初の状態でも最低限の見栄えはあった木製のクロスボウガンだったのだが、今では黒色の金属でコーティングされ、バレル部などに細かな紫の装飾が入っている。


 そして装備してみると、今まで以上に左腕の邪魔になりづらくなっていた。

 このボウガンはゲームの不思議仕様により、手首を少し捻ることによって矢が発射される上、自動装填も勝手にされる仕組みなので、ここまで最適化されていると全く違和感無く使いこなせそうなのである。


 機能と見栄えが意識された、まさに職人技な出来映えだった。


「喜んで貰えた様で結構だ。お代も端材で作れるレベルだから気にしなくて良い」


「凄い……」


 もはや、この言葉しか言えないぐらいまでカナの語彙力は低下しているのだった。


「本当、性能に見合わないくらいセンス良い物を作るよねクロは」


「ルギの奴がいればもっと魔改造できるんだがな」


 その言葉にカナは……此処には居ない、もう1人のギルドの人に興味を持つ。


「その人も生産職? なんですか?」


「そっちも敬語を別に使わなくて良いぞ。ルギは結構特殊な生産職でメカニック錬金術師って奴だ」


「SFチックなゴーレムとかが作れたりする生産職だね」


「中々面白い物を作るんですよ」


「へぇ……そんなものまであるんですね」


 それが瑠璃鐘君なのかな? アバターはやっぱりルユちゃんと似ていたりするのだろうか、などまだ見ぬ四人目の人物に色々と想像を膨らませるカナなのであった。


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