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第2話 初戦闘 ――フレンドとお出かけ

「あ、昨日と同じ場所に出るんだ」


 黒崎奏、プレイヤーネーム”クロデ=カナ”は今日もMakeO.S.にログインしていた。


 場所は昨日の広場、だが初めてこの場所に現れた所からは少し離れた、最終ログアウト地点とほぼ同じ位置に現れているのだった。


(今日は昨日調べた情報の確認!)


 そう思って彼女は広場のシンボル、巨木の裏側へとグルッと回り込む。


 その先には門があった。


「まさか、すぐそこに街の出口があったとは……私の方向音痴も中々だよね」


 ”昨日の子も、まさか私が街の出口すらわかっていないとは、思ってなかっただろうな~”なんて考えながら苦笑いをしていると、音を伴った通知が届く。


「え、まさかルユちゃん?」


 驚きながらメニューを開くと、中心部に!マークアイコンが追加されており点滅していた。

 迷わず!マークアイコンをタップすると縦に通知が並び、更にその通知をタップするとアイコンが一気にフレンドアイコンまで移動した。


 そしてフレンドチャット画面が自動で開く。


「おー、それっぽい」


 最新のゲームらしい挙動に感動しているとルユからのチャットが目に入った。



Player:ルユ

 やっほー、カナちゃん昨日ぶりー!


「わっ、えっと、返信返信」


Player:クロデ=カナ

 やっほー、ルユちゃん昨日はありがとう!


Player:ルユ

 いえいえー! ところで突然だけれどルユちゃん、今武器って何使ってる?



「え……」


突然の質問に驚きはしたが、質問の意図に凄く心当たりがあったカナは、ルユにすぐさま返信を返す。



Player:クロデ=カナ

 えっと……素手


Player:ルユ

 あー、やっぱりか……初期装備で偶然見つけちゃった感じかな


Player:クロデ=カナ

 うん、昨日ネットで調べたら凄い扱い辛い性能って事に驚いて困ってる。


Player:ルユ

 だよねー。カナちゃんは今って暇?


Player:クロデ=カナ

 えっと、うん、暇だよ。今はモンスターを狩りにいこうかと


Player:ルユ

 あ、じゃあ丁度良いね。ちょっと待ってて、私も行くから。


Player:クロデ=カナ

 え、良いの?


Player:ルユ

 このゲーム結構、取り返しがつかなくなる事も多いからね。

 色々と聞きたい事もあるし、私が教えてあげる!


Player:クロデ=カナ

 悪いからいいよ……って言いたいところだけれど、また何かやっちゃいそうだから、できればお願いします!



 昨日、ネットで情報を集めたとはいえ、実際に先輩プレイヤーに教えて貰えるのなら心強いことこの上ないだろう。

 カナは恥と迷惑をかけることを承知でルユに頼み込んだ。



Player:ルユ

 おお……凄く素直だねー。私としてもやりやすいから助かるよ!

 それじゃあ私もすぐ行くから、待っててね!



 そうして、私達は街の出口付近で待ち合わせ、モンスターの出るフィールドへと出た。


「よ、よろしくおねがいしますっ!」


「ふふ、まずは広い平原地帯の『イーズ平原』まで行こうか」


 そんなルユの言葉に賛同し、私達は『イーズ平原』を目指して歩き始める。


 ――その道中


「そう言えばカナちゃんって、ネットではどんな事調べて来たの?」


「えーと、レベル、装備、スキル、ステータス、BP、職業、魔法、称号、ギルド、フレンド、序盤に訪れる街とフィールド、ペンクロ率……ぐらいかな」


 カナは思い付く限りの昨日ネットで調べてきた沢山の情報をルユに話す。


「初心者まとめみたいな感じだね。うん、とりあえずはそれで大丈夫かな。気をつけることは……ペンクロってどの位にした?」


「……100」


「え!?」


 若干前を歩いていたルユが凄い勢いで振り向く。


 連続で的確な質問だ。先輩プレイヤーとして頼もしいことはこの上ないが、恐らく彼女(カナ)は全ての地雷を踏んでいる。


「本当!?」


「はい……」


 ルユは昨日あれだけ親切に教えてくれた時にも絶対見せなかった『こいつマジか!?』って表情をしながらカナを見ている。

 どうやら、相当な事をカナはしてしまったらしい。


「100って、現実の2倍くらいの感覚になるんだよ!?大丈夫!?」


「多分……」


 そう、100%で現実と同じくらいの感覚になると思われていたペインシンクロ率だが、それは街などのセーフティエリアでの話で、戦闘区域ではその倍になるらしいのだ。


 実際、現在カナの肌に当たる感覚などは既にとても鋭敏となっていた。


 何なら、セーフティエリアのみペンクロを個別設定するオプションも実はあったらしいだけに、カナのポンコツさが前面に出てしまっている。


「このゲーム腕飛んだり、土手っ腹貫かれたりもするんだよっ!?本当に大丈夫っ!?」


「何 そ れ 聞 い て な い」


 とんでもない初耳情報が暴露された所で彼女達は『イーズ平原』へと到着した。

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