表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/66

12 いざ閑話!~一般的なプレイヤー~

本日五回目の更新です!


 ケイオスプライドオンライン。

 それは、魔神王復活により混迷を極め、様々な思惑と誇りが錯綜する世界を冒険する、最新ファンタジーVRMMOだ。


 正式なサービスが開始され、オープニングイベントが催された。

 そしてその中で最初の拠点となる街は半壊した。

 世界観が重ためのシナリオではあったが、プレイヤーに被害があるわけでもなかったのでそのまま受け入れられた。


「っとにもう、そういうスタートなら事前に言っておいて欲しかったわ。全体的にアイテムとか値上がりしてるじゃないの」


「まぁまぁそう言うなよメリア。その間の期間はチュートリアルだったってことだろう」


 勿論、全員がそうではない。

 メリアというキャラクターネームのプレイヤーはかがり火の前で愚痴をこぼしていた。

 仲間のプレイヤーに慰められても不機嫌そうな顔のままだ。


「それくらいは理解してるけど。分かってたら買い込めたのになって、ちょっと悔しいだけ」


「俺もその気持ちは分かるけどな。クエストでもして稼ごうぜ」


「はぁ、切り替えて行きますか」


 メリアが立ち上がったのに合わせて、男も立ち上がる。

 二人は街の外へと向かった。


「よっ、ほっ」


「ふんっ」


「やっぱりこの黒いのはちょっと手強いね」


「ああ。その上素材は渋いから厄介な奴らだ」


「後で倒した分だけお金をもらえるけど、安いよね」


 二人は消えていく赤黒いモンスターを眺めながらごちる。

 この(もや)で形作られた≪クラウド≫と呼ばれるモンスターは、魔神王アルディエル・ゴールドライトの放った尖兵である。

 スターレの街周辺にはまだ多く出現し、周囲のモンスターに比べてやや強い。

 素材自体は有用だが、ドロップ率は良くない。


「どうする、ここいらでクラウド狩りするか? もう少し離れればほとんどいなくなるらしいから、他のモンスター狩ったり、素材の採集なんかも出来るが」


「うーん」


 男の問いかけに、メリアは考え込んだ。

 今は何をするにしてもお金が必要であり、主流は三つだ。

 クラウドを狩って討伐報酬を得る。

 復興に必要な素材を採集して回る。

 少し遠くへ行ってクラウド以外のモンスター素材を集める。


 モンスターの素材は集めやすいが、単価は安い。

 逆に採集で手に入る素材は単価が高い代わりに場所が遠かったり、確率が低かったりと入手難度が高い。


 どっちを選ぶかは好みと、キャラクターの構築が大きく関わってくる。

 この二人はソロ戦闘に特化したバランス型であり、ゲーム内でも常識と呼ばれる程人気の構築である。


「今使ってる武器ってランクどれくらいだっけ?」


「俺のはDランクだな。ほら、特典ガチャの景品」


「アタックは?」


「武器が24で、ステータスも合わせると30くらいだな。中々だろ?」


「レベルは二人とも8だから……そうだね。そのくらいあれば多少遠出しても狩れるはずだけど、どうせならもっと効率よくしない?」


「効率よく? ってお前、今度は何する気だ?」


「失礼な。ちょっとお友達と一緒に狩りしようってだけだからね」


 あきれる男を後目(しりめ)に、メリアは怪しく笑う。

 

 

少しでも興味を持っていただけたら、評価&ブックマークをお願いします。感想等も是非お願いします!

作者のモチベーションが上がりますので是非!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ