妬み食らい
‐2020東京‐
近年あらゆるものを片手で済ませる事ができる。
買い物、勉学、仕事、友達や恋人との会話及びSNS
便利になる反面、あらゆる場面で小さな歪みが少しずつ広がっている
その歪みを治しているのが八百万の神々たち
だがその歪みから生まれたオカサレシモノ。
その憎く歪んだモノたちを食らい生きる少年夢幻
これは彼のひどく醜い物語
「あいつウザくない?」
「ウザいよな」
「なんで学校くんの」
「いるだけで空気悪くしてんのわかんねーのかよ」
「ハヤクシネヨ」
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彼女の名前みのり
ごくごく普通の家庭に生まれ、今までの人生目立たないように生きてきた
高校に上がったまでは多くはないが友達もいた
ー今まではー
「気持ち悪いからこっちみんな」
「すいませんすいません許してくださいすいません」
みのりの朝は罵声から始まる
彼女が何かをしたわけでもない、ただ静かに勉学に励んでいたただそれでけ
だが標的となるのはいつの時代も弱い人間だ。
優しく弱い人間ほど標的にされつぶされてしまう
「ナンデイツモワタシダケコンナ・・・」
「でも大丈夫ワタシにはこれがある」
ブブブ、、ブブブ、、
彼女のスマホが鳴り続ける
みのりはSNSに自分の写真を載せていた
下着姿や消されない程度に隠したヌード写真をほぼ毎日のように
いわゆる裏アカ女子だ
これが彼女の生きがいであり唯一の支えでもある
「よし!今日もいいねが1000もきてる」
みのりは数字が増えるのが快感でたまらなかった
この時だけは地獄の日々を忘れることができた
「スタイル良過ぎ!!」
「この女とやりてー」
「もっとみせてよ」
みのりは男どもから送られる言葉で興奮し、優越感に浸っていた
みんながわたしを見てくれる、認めてくれる、それだけでいい
「ねぇ制服姿もみたいな」
「わかる 制服みたい!!」
男たちは挙ってみのりの制服姿を見たがった
少し身バレなどを心配して悩んだが、顔を出してないし制服だけならばれないだろうと投稿することにした
「せっかくなら胸と足も出しとこっと」
Yシャツを大きく開け、スカートもギリギリまで短くした
「よし、こんなもんでいいかな投稿っと」
・・・ブブブブブブッブブブブブッ!!!
スマホが鳴り止まない、通知音が止まらず数時間がたった
いいねの数は未だに増え続け1万を優に超える
みのりは身バレの心配などすっかり忘れ、1万人以上に見られているという優越感と男たちのおかずになっているという羞恥心で頬は赤らみ下着は湿っていた。
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写真を投稿してから数日たった今もいいねの数は増え続けている
「ああぁもうやめらんないワタシもやっと、、、」
みのりは学校でのことが気にならなくなるほど幸福感で満たされていた
今日も新しい下着をつけて写真を投稿していた
ブブブッブブブッブブブ
いつものように男たちからのいいねがたくさん来ている
「今日もきれいだよ!!」
「下着エロいね」
「やらせてくれよ」
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「お前みのりだろ」
「こいつ学校でいじめれて友達いないからってこんな事してんのww」
「ヤバ過ぎこいつの顔晒しまーす」
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みのりはこのコメントを見ずに寝てしまった。
翌朝学校へ行くといつもとクラスメイトのみのりを見る視線が違う
いつものなら空気のように見向きもしないのに全員がみのりを凝視している
不思議に思いながらもいつもの嫌がらせだろうと無視して席についた
ふと机の中を見るとまだ教科書も入れていないのに机の中がパンパンに詰まっていた
その中の一枚を見てみのりは震えた
「え、、、なんでこれがここに、、。」
周りを見渡すとクラスメイトたちが薄ら笑いしながらこっちを見ている
すると一人の男子生徒がみのりに近づきスマホの画面を顔の前に突き出した
「みのりちゃーん男たちに見られてうれしかったぁーーー?
誰にも相手にされないからネットで相手にされてうれしかったのかなぁーーーー?」
クラスの全員がゴミを見るような目で見ながら笑っている
みのりは震えと体中から冷や汗が噴出したまらずトイレに駆け込んでいった
「ナンデナンデドウシテナンデナンデ」
トイレから一歩も出れずに震えていると上から大量の水が流れてきた
あまりの水圧に息もできないほどだった
「や、、めて、、くるしぃぃ、、、」
か細いこえで訴えた
すると数人の女子の笑い声とともに一人が扉を蹴りながらみのりにいった
「なーにーきこえなーい淫乱ビッチがなにかいってるな
汚い体を水で洗ってあげてるのになんでお礼してくれないのぉーーー?」
彼女たちは笑いながら掃除用具や洗剤などあらゆるものをみのりのいる個室に投げ入れて笑いながらかえっていった
「モウダメダ・・・キエタイ」