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1.石田一家殺傷事件①

実際に起きた某事件がモデルです。

全7話。

─『カネをダセ』


目出し帽をした人物が、僕が玄関に入るなりそう言ってきた。


僕の首筋に包丁を当て『動いたらコロス』と声を発し、手足を電気コードで縛ってきた。縛っている時は包丁が首筋から離れるわけだからその隙をつけば、あるいは抵抗できたのかもしれない。が、恐怖で体は思うように動かない。


『カネはドコダ?』


「か、金は……2階の……2階の僕の部屋の箪笥の一番下に通帳と印鑑がある」


『お前の部屋はドコダ?』


「2階に上がってすぐにある」


『ソウカ』


そう言い放つと男は左手に持っていた包丁で僕の首筋を突き刺してきた。あまりの痛みに叫び声すら出ない。


僕はどうなってしまうのだろうか…僕はどうしてこんな目にあっているのだろうか?

いや、そもそもこんな目にあっているのは…本当に僕だけなのか?家にいるはずの母は?弟は?


僕はどうなってもいい。だから、頼む……2人の命だけは……


─翌日─

夕日新聞記事

『愛知県弥富市 一家三人殺傷事件』

2010年5月7日、石田茂さん(当時28歳)の上司が茂さんが会社に来ず、電話にも出ないことを不審に思い警察に連絡。上司と警察が自宅に訪問したところ返答がなかった。玄関に鍵はかけられておらず家の中を捜索したところ、母親の貴美子さん(当時56歳)と次男の孝雄さん(当時26歳)が遺体となって発見された。長男の茂さんは首筋を刃物で刺され、意識不明の重体となっている。


─2日後─

夕日新聞記事

『飼い犬も殺害。怨恨による殺人か?』

石田さんの室内で飼われていた(チワワ)も殺されていたことが判明。犬と母親の貴美子さんは鈍器で殴られ殺害された後、同じ押入れの中に入れられていた。次男の孝雄さんは腹を刃物で刺され、リビングで発見された。警察は怨恨の線も視野に入れ、調査を進めている。


─4日後─

夕日新聞記事

『殺害後に食事?犯人の異常な行動』

警察の捜査によると、犯人が石田さん宅の夕食を食べていた可能性があることが判明。食べ残した味噌汁の中から家族以外のDNAが検出された。犯人はその他にも犯行時着用していたと思われる衣服を洗濯したり、トイレで排泄もしていた。また、一部指紋をふき取った痕跡もあったという。


─7日後─

夕日新聞記事

『長男の意識回復』

長男茂さんの意識が回復した。警察は近く、茂さんに事件当日何があったのか詳しい話を聞くという。


─8日後─

夕日新聞記事

『外国人による犯行か?』

長男の茂さんの話によると、午後8時に仕事を終え、午後9時に帰宅すると突然目出し帽をした男性に襲われ、金銭を要求された。その時の口調が日本人とは異なるものであったという。

また、近所の人の証言によると朝方5時頃、白いパーカーを着た不審な男が石田さんの玄関から走り去っていくのを目撃したという。


─14日後─

夕日新聞記事

[事件の概要]

2010年5月6日 

母親 貴美子さんは一日中家にいた(途中で買い物に出かけた可能性もあり)

不明~午後7時:犯人が侵入。貴美子さんと飼い犬を鈍器で殺害。指紋をふき取り、死体を押入れに隠す

午後7時頃:孝雄さん帰宅。腹部を包丁で複数回さされ死亡。死体はリビングに置かれていた。

午後9時頃:茂さん帰宅。手足を電気コードで縛り『金はどこだ?』と聞いた後、左手に持った包丁で首筋を刺す。

午後9時~翌午前6時:犯人が飲食、洗濯、排泄を行った形跡。


─30日後─

夕日新聞

『犯人はO型の男性』

現場に残されたDNAから犯人はO型であることが判明した。

また、貴美子さん殺害に使われた凶器は犯行現場に落ちていたスパナであり、これは自動車の工場などで使われる特殊な工具であるという。孝雄さんと茂さんを殺傷した包丁に関しては犯人が持ち出したものではなく、石田さんの家にあるものを犯人が利用したという。












─1年後─

『弥富市一家殺傷事件から1年。情報求む』

2010年5月7日、愛知県弥富市で起きた石田家一家殺傷事件から今日で1年が経過。弥冨駅では長男の茂さんが愛知県警察とともにビラを配り、情報提供を求めた。

茂さん「この事件を風化させてはいけないし、絶対に犯人を捕まえなければいけない。些細なことでもいいので情報提供をお願いします」


第1話からすでに数年が経過してる

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