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060 危ない依頼

「お願い...?」

「はい、相当腕の立つ方々にしかご依頼できない内容でして...」

「とりあえず聞くだけ聞いてみましょうか。おいしいご馳走もおいただいたし。」

「ありがとうございます...へへ...」

「実は...あまりおおやけにはなっていないのですが、近隣で最大災害を起こしかねないモンスターが暴れようとしておりまして...」

「それをなんとか退治していただけないかと...この国の存続も怪しいところですし...」

「...なぜあなただけはそのことを知っているのかしら?」

「えっと...それは...この国の精霊が教えてくれるんです...」

「私も数多の植物を育ててきているんで、植物の声や精霊の声を聞くことに長けてまして...へへ...」

「私もこの国の管理者のような立ち位置に立たされておりまして...しかもそのようなモンスターを退治なんてそんな事は出来るはずもなく...」

「そこで丁度...といいますか、ニーロでの活躍で名高い達人様方が現れた...これは運命...必然的なことかと...」

「でも私たちはこの国の成り立ちや実態を調査しているに過ぎないわ。そこまでする義理は---

「お願いしますっ!!!」

ラミナは今までのラミナとは思えないほどの感情を出した。

このままでは本当にアルヴァルトは危ういのだろう。

「わかった。そのお願い俺たちが引き受けるよ。」

「ちょっと、達人!!安請け合いはよくないわよ!!!」

「しかしなぁ、こんな話聞いてしまったら...しかもニーロの惨状も見てきたばかりだろう?」

「それは...そうだけど...」

「さすが達人様...わかるお方ですね...」

流石にラミナの態度や表情にいい印象を持つ事はできない...

しかし、この国が危機に瀕しているというのであれば、それこそ救わなければ雪花に合わせる顔もなくなってしまう。

リリのいう通り安請け合いかもしれないが、そのモンスターの現状を見るだけでもやってみよう。


「ここからはあまり遠くないのですが、この位置にそのモンスターが生息しております。」

地図を見ると、3-600mほど離れた場所がそのモンスターの生息地のようだ。

「私のような鶏ガラのようなものでは役に立ちません...是非お願いできませんでしょうか...へへ...」

怪しい雰囲気を感じながらも俺たちはそのモンスターの場所へ向かうことにした。


「なんであんなあやしい依頼を受けようとしたのよ!?」

「仕方ないだろ、国の存続がかかってるんだし。滅亡でもさせたらルルに合わせる顔も無くなるだろ?」

「それもそうだけど...」

「うだうだ考えてる暇はねえだろ!!!ちゃっちゃと済ませて帰ろうぜ!!!」

「とにかく処理をする...」

「はいはい、わかったわよ〜。」

やはり納得がいっていないようだが、この依頼にみんなが着いてきてくれる事は確定事項となった。


地図をローズに任せながら歩を進めていたが、

「なんかいやな依頼を受けてしまったようね...」

「気分が悪い。帰りたい。」

「俺もローズに同感だ。ここはどうかしているぜ。」

みんなが言う通りなにかがおかしい。

歩を進めるたびになんというか、自ら底なし沼に足を進めているような...

とにかく不安感しか湧き出てこない。

いったいここはなんなんだ。

腕の立つ方々にしか依頼できないと言われてきたが、流石に度が過ぎている。

「ここはまずい。さすがの私でも処理しきれるかわからない。」

あのローズでさえ弱音を吐いている。

断るべきか...?

「皆、進むわよ。」

突然リリがリーダーシップを発揮した。

「達人、自分で言ったこと忘れたの?」

「この国を救うため、いや、これは放置していたら奴らみたいに被害が拡大するのは予想するのにたやすい事よ。」

リリの言う通り、歩を進めるたびに近づくな、我が縄張りに入る覚悟をしろと言わんばかりの邪気、寒気を感じる。

放置していればアルヴァルトだけではなく、この世界全体に被害が及ぶだろう。

「わかった。行こう。俺が前衛、リリは後衛、ローズはサポート。」

「基本的な陣形はこれで行こう。いいか?」

俺たちは鬱蒼(うっそう)とした森の中へ歩を進めていった。

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