表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/79

055 447と奴ら。

慣れというものは本当に恐ろしいものです。

奴らにもしかしたら犯されてしまうかもしれないシチュエーションへと自ら赴くというのに。

まったく緊張すらすることが無くなりました。

447。

私の番号。

そして私の最も危険な存在である部屋の番号。

躊躇なく部屋へと入り、ベッドへと腰かけました。

5分もすると、彼が入ってきます。

いつも見る顔です。

私がこの部屋に入ると、決まって彼が部屋に来ます。

今日は来るのが早かったです。

いつもは10-20分は待ちぼうけが当たり前なのですが。

彼もベッドへ腰かけました。

私が座っている所とは反対側の隅っこに。

この部屋の構造はさすがに私でも感付く構造となっています。

ホテルのような一室。

生活するには物足りない。

しかし、ちょっとの時間だけ休憩なり、一泊するにはちょうどいいようなスペース。

私の置かれている一室はまるでホテル。といえども、恋人達が最も使うであろう、あのホテルでしょうけど。

そんなホテルで、一言もかわさずに30分は放置され、タイムアップ。

そんなひと時が呼び出される度に強制されるのです。

うんざりです。

彼は一体何がしたいのでしょうか。

ナニが最終目的なのは間違いないですが。

私も女です。

こんなのがずっと続くと傷つく...とまではいかないですが、そんな気持ちになります。

「あの。」

「ウッ。」

これです。

私が話しかけようと彼に視線を向けると、視線はそらされ、彼は俯き、話さなくなります。

本当に。

うんざりです。

彼はいつものようにこの部屋を去ろうとしています。

「待ちなさい!!」

彼の手をつかみました。

「ウワァ!!」

そうすると、彼はその場に倒れてしまいました。

私もびっくりです。

そんなに強く引っ張ってもいないのに、私の2-3倍の体格がありそうな大男が倒れたのです。

腰が抜けているようです。

「さあ、逃げられませんよ。」


--------------------------------


彼が動けないのをいいことに、私は質問攻めにしました。

「あなたは一体何がしたいんですか?」

「いつも呼び出す癖に放置して。」

「...」

「答えなさい!!」

「ソ、ソレハ...ワガ シュゾクヲ ハンエイ サセル タメニ...」

「それがあの体たらくですか?」

「情けなくないんですか?」

「あなたも男の子でしょう?女の子と話せないばかりか、触れられただけで腰を抜かしてしまうなんて。」

「そんなんで、よく私たちを拉致することができましたね。」

「っ!?」

彼らは私達女性を拉致している...?

目の前の彼は私に触れられただけで、腰を抜かしている。

そして、繁殖をしようと呼び出しても、あちらからは全く触れてこない。

どういうこと?

どうやって私たちを連れてきたの?

「あなたたち...」

「あなたたちは、いったいどうやって私たちを連れてきたんですか?」

「ソレハ...モチロン コチラカラ コウゲキヲ シカケテ...」

「私に触れることもできないのに?矛盾していませんか?」

「ソウダ...オレタチハ イザ コトニ オヨボウト スルト オジケヅク。」

「なぜ侵略行為ができて、繁殖することができないんですか?」

「侵略するにあたって、攻撃もするでしょう?」

「モチロンダ。タクサン コロシテ タクサン ウバッテキタ。」

「タタカイノ ナカダト ワケガ ワカラナクナル。」

「ミンナ、ミンナ オナジ コトヲ イウ。」

「オレタチノ ナカノ ナニカガ コロセ、コロセ、ウバエ、ウバエ... ソウ イイツヅケルンダ。」

「ダガ、ワガ キョテンニ モドッテクルト ソレガ ナクナル。」

「イッテシマエバ、ワレワレハ キョクドノ オクビョウモノ。ナニモ デキナイ。」

ダマラさんの言っていたスイッチの事でしょうけど。

それにしても、ここでの彼らの態度はあまりにも違う。

豹変したというよりは、中身がごっそり入れ替わったよう。

どういうこと...?


-------------------------


あんな事があって、部屋へと戻ると。

ダマラさんが飛んできました。

「セッカ!!大丈夫か!!奴らに何かされたんじゃないのか!!あまりにも遅くて気が気でなかったぞ!!」

「ダマラさん、苦しいですよ。」

「おっと、すまん。」

「で、大丈夫なのか?」

「はい、問題ありません。でも...」

私は事の経緯をダマラさんに話しました。

「それは初耳だな。」

「奴らはどういった種族なのか、そういった情報は全くないからな。しかもここじゃそのような文献や資料は受け取る事は不可能だ。」

「嘘をつかれている様子もありませんでした。彼の心の声は嘘をついていません。」

「セッカがそういうなら間違いないな。」

「さらわれる前に私も昔の文献を漁ってみたんだが、正体をつかめないからみんなは他の惑星から侵略をしてきたって口をそろえて言うようになったんだ。」

「それに、情報が断片的でしかないから何とも言えないが、まるで、奴らは操られているような。そんな風にも考えられているようだな。」

「バーサーカーのような奴らだとしか思っていなかったからな。まあ、そうだったらとっくの昔にヤル事はヤられてるか。」

「とにかく。」

「有益な情報なのは間違いない。」

「これをどうにかして、外部に伝えることができるならいいんだが...」

「私たちは全く通信手段がないですからね。」

「そうだな。」

「チャンスが巡ってくるのを待つしかないな。果報は寝て待てって言うんだっけか?」

「ダマラさんもなにか聞いてみたらどうですか?」

「あーダメダメ。私がちょっとでも言葉を発したら、すぐに帰ってしまうからな。逃げ足が速いってもんじゃない。」

しかし、この出来事の後、私が呼ばれることは全く無くなってしまったのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ