050激戦の後
昨日のゴタゴタでひどく疲れていたせいだろう。
昨日はロクにシャワーも浴びずに寝てしまった。
というわけで、朝に昨日の分もまとめて、というのもおかしいだろうがシャワーを浴びてさっぱりすることにした。
それにしても連日ひどい目にあったな。
ガチャ
不意に扉が開く。
「うう~頭イタイ。」
「リリ、がぶ飲みするから。」
裸のリリがそこに立っていた。
それにローズまで。
ここは風呂場。
シャワーを浴びようとしたのだろう。
「きゃああああああああ!?」
「うおわあああああああ!?」
叫ぶ。どっちも叫ぶ。
電撃をくらったのは言うまでもない。
理不尽だ。
「なんであなた裸なのよ!!」
「ここをどこだと思ったんだ!?」
「私、オヨメニイケナイ。」
「おう、タツト!!ローズの責任はどうとるんだ!!」
「その割には棒読みな気がしたんだけど!?」
今日も朝からひどい目に遭うとは。
「なぁ、目的達成したけど、これからどうするんだ?」
「とりあえずは一度戻りましょうか。」
「奴らの新しい情報の整理もしたいし、何よりお姉さまからの指示だし。」
「魔法陣の効力確認もできるしね。」
いざ魔法陣へと向かう道中。
「おお、アーデのお兄ちゃん!!今日はどうしたんだ?」
「昨日あんなにお祭り騒ぎしたのに、朝早いんだな!!」
「目的を達成したので、もう出るところです。」
とたんに不満の声がわく。
「この国の英雄なんだし、もうちょっとゆっくりしていけばいいじゃねえか。」
「そうそう。悪いようにはしないぜ?」
「お気持ちだけ受け取っておきます。俺達にはやることがあるんで。」
「お前さんはニーロの英雄だ。俺たちは死んでも覚えてるぜ!!」
「じゃーな!!」
また戻ってきたら、俺たちの像ができてそうだ。
「さあ、帰りましょうか。魔法陣は順調よ...」
「どうしたの?」
「いや...」
ローズの姿が見えない。
朝から広場に用事があると飛び出していったきりだ。
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どうしよう。耐えきれずに飛び出してしまった。
「おーい。」
一緒に旅に出ようと決心したのに。
後一歩のところで踏みとどまってしまった。
だって、こんなぽっと出のガンナーなんて信頼してもらえるかどうか。
「おーいってば!!!」
「どうしたの?チャップ?」
「どうしたもこうもねえよ!!さっきから浮かない顔しやがって。」
「それにタツト達がルズベリーに戻るみたいだぜ。」
「うん...」
「なんだよ浮かない返事しやがって。」
「昨日決心したんじゃなかったのか?」
「でもこんなちんちくりん、迎え入れてくれるのかなって...」
「馬鹿野郎が!!!」
吃驚した。チャップがこんなに声を荒げるなんて。
「お前とあいつらは紛れも無いダチだっただろうが!だからこそあの戦いを越すことができたんだ!」
「逆に言うとな、お前じゃないとダメだ!」
「走れ。」
「え?」
「走れ!魔法陣に!!!あいつら行っちまうぞ!!!」
チャップに言われるがまま、先日の魔法陣へと全力疾走をした。
待ってて、タツト。
そしてありがとう、チャップ。
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「...あの子は一人でも十分やっていけるわ。」
「いっしょに行けたら本当によかったのだけど。あの子が決めたこと。」
「その意思を曲げさせる権利は私達には無いわ。」
「いっしょに旅することができたらな、と思っただけだ。」
「私も思ってたわ。でも、迷ってる時間は私達にもないわよ?」
「さあ、行くわよ!!」
リリが魔法陣に手をかざす。
魔法陣が怪しく光りだす。
ローズ。本当にいいのか?
俺はいつでも待っている。
振り返る。最後にニーロを見るために。
その瞬間俺に衝撃が走った。
なにか小さいものが衝突した。
「ローズッ!?」
「タツト。私も行っていい?」
「ふう。駆け込み乗車は違反行為だったか?」
「ははっ。」
これからの旅は一層楽しくなりそうだ。
一度ダンジョンで経験はしたものの、魔法陣での移動は全く慣れない。
一瞬で景色が切り替わるのだ。所在も。
それはさて置き。
俺達はRed Lips.へ到着したのだが...
ローズが飛び込んできたせいで、俺は倒れ込んでいた。
なんとなく空気で、Red Lips.へとついたのは分かるのだが。
分かるんだ。しかし、どこだここは?
薄暗いテントのような。そして天井には三角形の布切れのような。
その布切れには2つ穴が開いていて。
人と思われる脚が伸びている。
「あらあら~。おかえりなさいませ〜。」
「魔法陣から飛んでくるなんて元気な人初めて見ましたわ。」
懐かしい声がする。
雪花、すまん。今度こそ、死ぬ。
「たああぁぁぁぁぁつうううぅぅぅぅとおおおおぉぉぉぉぉ」
いつもよりリリの凄みが。うん。
「なんて羨まし...じゃなくて、お姉さまに恥をかかせるなんて、万死に値するわ!!」
「ああ、もうどうにでもなれえええええええぇぇぇぇ!!!」
電撃が走る直前、ローズは俺から飛び退いた。
それほどリリの魔術は怖い。
というかローズのせいだろうがっ!!
2回目。散々な目に遭った。




