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045見つけた道

グレイブが死んだ。

その結果を目の当たりにした私は、とりあえずタツト達の所へと戻ることにした。

グレイブの止めを刺したのは残念ながら私ではない。

止めを刺そうと心に強く誓っていたはずなのに。

グレイブはニーロの地で安らかに眠っている。そう思いたい。

遺品として。というわけではない、が。

彼のリボルバーを手に持ったまま。

これまでの戦闘を物語るような傷がびっしり。しかし、素晴らしい銃だ。

...いざ目の前でグレイブが殺されてしまうと、動揺した。

グレイブの事は全く分からないうちに戦闘が終わってしまった。

グレイブは一体何がしたかったのだろう。

世界を平和にと言ってはいたが。

それに、あの異星人。

私からしてもグレイブは本当に強いと思う。

そんな彼でさえ挫折させらてしまうほどの強さを誇っている異星人。

そして、タツト達。

そんな奴らを相手に旅をしているというが。

本当にそれは可能なのか?

なにより私はこれからどうしたらいい?

パパは死んだ。

直接的ではないが、目的は果たされた。

果たされたのに。

なぜこんなに虚しいのだろう。

虚しい。

そう。私にはなにもかも無くなってしまったのだ。

強いという噂はダテじゃなかったパパ。

結局本当の名前もしらぬままだ。

そして、私を女手一つで育ててくれたママ。

若いときは本当におてんばだったらしい。

あのグレイブを追っかけ、堕としたくらいだ。

パパのことを本当に大好きだったみたいだ。

私が生まれてから、私にありったけの愛情を注いでくれた。

家族がいた。

しかし、今私は一人になった。

復讐のために戦闘に明け暮れた結果がこれだ。

「ローズ?」

チャップが話しかけてきた。

「大丈夫か?」

「...大丈夫。」

「おいおい。そんな顔でなんて台詞吐きやがる。」

私の目の前を浮遊し、顔を覗き込んできた。

「すべてを失ったって顔だな。確かにそうかもしれないがな。」

「ちょっとうるさいわよ。」

「そう怖い顔をするなって。」

「進む道が無いわけじゃないだろ。お前が勝手に見失っているだけだ。」

カチンとくる。いざ本当の事を言われると、本当にイラつく時がある。図星というやつ。

「でも、私は...!!」

「でももクソもねーよ!!ローズ。」

「グレイブを殺すんだろう?殺しにいけばいいじゃねえか。」

「何を言っているの?」

「パパは死んだわ!!私の目の前で!!私も死ねっていうの!?チャップ!!」

「やっぱり道を見失っているな。ローズ。」

「あいつとの戦闘中の会話を思い出せ。ついでにもうちっと冷静になりやがれ。」

「あいつは何のために戦闘をしていた?」

パパは...世界の平和のために駆けずり回っていた。

その世界をママにプレゼントするために。

それはママが望んだこと。

しかし、ママは殺され、パパもその野望を成し遂げることができなかった。

これくらいしか情報がない。

あのグレイブですらできなかった偉業。

あのグレイブですら...?

私を圧倒する戦闘力を持ったパパ。

彼はずっと一匹狼だった。

私も一人で旅をしてきたが、パパとの戦闘で限界を感じた。

でも、仲間がいたら?

タツト達もパパと同じく平和のために旅をしている。

私の不足している力を補ってくれるかもしれない。

もし、世界の平和にできたなら。

私はグレイブを殺したことになる。

私が代わりに平和にするのなら、グレイブのメンツは丸つぶれだ。

まずはタツト達の所へ戻ろう。無事かどうか確認しなければ。

...でもこんなちんちくりんな子供、迎え入れてくれるかな...?

出会いもホテルに不法侵入が最初だったし。

いい印象を持ってくれてたらいいんだけど。

後で考えよう。安否確認が先だ。

「顔色がよくなったな。ローズ。」

「うん。ありがとう、チャップ。」

「フン。礼を言われることなんて何もしてないがな。」

「タツト達は無事かな。」

「さ~な。でも、あいつらタフそうだし大丈夫だろ。」

「はやく戻ろう。」

「そうだな。」

チャップを抱きしめ、走り出す。

覚悟してなさい、グレイブ。

ニーロを流れる川にリボルバーを空高く投げ捨てる。

目にものを見せてあげるわ。パパ。

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