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031ニーロ

あれから1週間は経っただろうか。

ニーロへの道のりはようやく半分を切ったというところだろうか。

3-5日もあれば着く道のりだったが。

敵襲が激しく、思うように歩を進めることができなかった。

ルズベリーは、戦争以降ルルが結界を張って、安全を確保されていた。

そこから出るということは、正に戦場に一歩足を踏み入れるということである。

最初は楽であった。

今までの戦闘経験、リリとのコンビネーションもあり、戦闘という戦闘ではなかった。

しかし、馬車に積み込める荷物にも限界がある。

糧が尽きかけているのに気が付き、節約を強いられた。

他にも資金としてルルから一生を賄えるほどの補助を受けた。

現金を積み荷とすると場所を取るし、重いという理由で、カード一枚を手渡された。

道には、村一つ見当たらず、補給すらままならない。

せっかくのルルの補助も使えないときたものだ。

それにしてもおかしい、とリリは言う。

国外とはいえ、敵襲が多いこと。

ダンジョンも国外にあったが、その道のりと比べると敵襲がはるかに多い。

しかし、俺たちは運がよかった。

前から行商人の馬車がやってきたのだ。

行商人の馬車には護衛がついていた。

今までの道のりの状況からして、やはり危険なのだろう。

「いやー、こっちもなかなかきびしくてねー。」

「最近奴らの侵略があったでしょ?」

「アレのおかげでほっとんどお得意さんがいなくなっちゃったよー。」

恰幅のいいおじさんだった。ついでに人当たりがいい。

物資はちょっと高めだったが。

必要以上に糧を補給し、ニーロへの旅路を急ぐ。

それにしても、カード決済とは。なんともモダンというか。

さらに戦闘をこなしつつ、3日がたった。

ようやく目の前に門が見えてきた。

ニーロ国の門だ。

物資を補給し、後の道のりは楽だったとはいえど、目標の一つが達成された。

嬉しいものである。

門で入国審査の手続きを済ませる。

いくらルルの顔があっても、形だけでも審査を通さなければいけないらしい。

それにしても不思議な国である。

門もそうだが、国を囲うように高い壁が立っている。

お国柄、不法入国が絶えなかったそうだ。

その高い壁は侵入者を簡単に諦めさせるだろう。少なく見積もっても30mはある。

「欲が満たされるんですもの。そりゃみんな期待しちゃうわ。」

「でも、欲を満たそうと思っても、対価が絶対に必要になるわ。」

「苦労して入って、一時的に満たされても、そのあとはなにもかも失ってる人が大半らしいわね。」

「でも憧れは憧れ。私もう楽しみで震えが止まらないわ!!」

...ルルの補助が一瞬で無にならないようにしっかり見張っておかなくては。

門の近場で営業していた宿で休むことにした。

ルルの顔もあるから1日で審査は終わるだろう。

「ああ~私もあのニーロデビューしちゃうのね~。」

宿の部屋が空いてなく、相部屋になったがリリはそんなのも気にしていない様子だ。

「私だって一応王女なんだから、そういう嗜みも必要よね!!ね!?」

その嗜みが節度を意味することを願うしかなかった。

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リリはいつになく早起きだった。

「ようやくニーロに入れるのよ!!寝てなんていられないわ!!」

「お前、王女なんだから普通に入国できるんじゃないのか?」

「バカ言うんじゃないわよ。いくらルズベリーの王女とはいってもそう簡単にはいかないわ。」

「それに私は冒険者になっているもの。立場的には冒険者なのよ私。」

「そういうもんか?」

「そういうものよ。年齢制限だってあるし。」

入国審査合格の通知が来たのは、リリが起きた5時間あとだった。

「お姉さまの顔があるってのに遅いと思わない!?」

「十分早いと思うぞ。今何時だと思う?」

「朝の9時じゃない。わかりきってる事聞くんじゃないわよ。」

「そうじゃなくてだなぁ...」

厳重に警備をしているのだろう。

大きな門を開いてもらったと思ったら、眼前にはもう一枚大きな扉。

後ろの門が閉まると係が扉を開ける。

全部で5枚扉があるらしく、なかなか時間がかかる。

しかし、一枚扉が開く度に興奮を煽ってくる気がする。

「さあ、ニーロのお出ましよ!!」

リリが興奮を抑えられない様子で最後の扉を目の前にして言う。

すべての欲が満たされる国。そんな理想郷は想像できないが。

そこに踏み入れるとなると、正直ワクワクが止められない。

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