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009捕虜生活と出会い

ここは...どこ?

いつもの通学路じゃない。

ひとつ異常をあげるとすれば...ひとつどころじゃない。

まるでお城。

ピカピカのお城の一室のような。

ここはどこなんだろう。

「おお、目が覚めた。気分はどう?」

モデルのようなスラッとした体型。

もっと目を引くのは彼女の肌の色。薄く赤みがかかっている。

絵本で見る鬼のような。

そして雪のように白く長い綺麗な髪。

頭には何やら角のようなものが生えていて。

「あなたは...?」

「失礼。私はダマラ。ここに捕らわれている内の一人。」

「私の名前は雪花といいます。...捕らわれている?」

「そう。繁殖用として。ここに捕らわれているのは女だけ。」

そうダマラはまるで日常の出来事のように言い捨てる。

捕らわれている?繁殖用?

「訳が分からないんですけど...この状況下で信じられない。」

「ああ。まるでお姫様のような暮らし。とてもこれから繁殖のために種付けされるとは思えないね。」

「現に私はもう1年ここにとらわれているし。」

ますます状況把握ができない。

捕らえられたのに、1年も無事なんて。

「ちなみに食事も食べられないものが出るわけでもないし、私の住んでいた国より快適だから困ったものだわ。」

「まあ、捕虜仲間同士仲良くしましょう。」

「ま、待ってください。私たちをさらったのって...」

「ん?ああ、名前もないような異星人だ。雄しかいないみたいで。」

「それで私たちのような雌をさらってきて、繁殖しようとしているみたいだが...」

「それが目的なのになんであなたは無事なんですか?」

「私にもわからねえ。月に何回か≪部屋≫へと連れてかれるんだけど、何もないままここに帰されるのさ。」

「そ、それって繁殖の...」

「おそらくな。私も最初は悲鳴を上げて怖がったんだがな。やつらもなんかビビってる様子でな。」

「危険な賭けをしたんだが、ちょっと裸を見せつけるだけで相手は硬直して、パニくってすぐにここへ帰された。」

「何をおっしゃっているのか...」

「言っただろう。私にもわからんと。」

「1年経ったと言いましたが...助けは?」

「もちろん来たさ。結果は...返り討ち。奴ら相当な戦力を持っている。」

「そんなに強いんですか...でも、なぜあなたには力づくでしないんでしょう?」

「だからー、わからないんだってー。」

「それにしても...おまえ見ない種族だな。どこから来たんだ?」

急にダマラは目を輝かせて質問をしてくる。

「え?えーっと私は、日本に住んでて...」

「ニホン?お前のセッカという名前といい、珍しいな。全然聞いたことがない。」

「え、えーっと、日本は地球にあって...」

「地球!?」

ダマラが眼前に迫ってくる。

まるでおやつを目前にした犬のようだ。

「地球って言ったら、ニンゲンか!!珍しいこともあるもんだな!!」

「体の構造も似てるし、顔だって...」

「ちょ、ちょっとダマラさんっ...!」

ダマラさんが私の体を調べるかのように触ってくる。

「ふむふむ...おおお~。胸、大きいな。それに柔らかい。私のとは大違いだ。ほら。」

ダマラさんが私の手を取って、ダマラさんの胸へを押し付ける。

うわあ...すごい...いい形してる...それに程よい弾力があって柔らかい...

「じゃなくて!!ダマラさんっ!!」

手を振りほどく。

「どうだった?私のおっぱい。」

「やめてください!!」

「なんだよーちょっとしたスキンシップだろー?」

「スキンシップにしては度が過ぎてますー!!」

「ははは。悪かったって。んー、どうだ?ちょっとは気が紛れたか?」

「え?」

確かにちょっとだけだけど、緊張がほぐれた気がする。

「いやー、セッカがここに運び込まれた時、何から話せばいいかずっと悩んでたんだよ。」

「3日は目を覚まさないし、なんかうなされてるし。」

「でも元気なようでよかったよかった。んじゃ、改めてよろしくな!!」

「は、はい。よろしくお願いします。」

3日間…ずっと私は寝ていたというの?

「あ、あの看病してくださったんですよね?私うなされてたって...ありがとうございました。」

「いいのいいの。困ったときはお互いさまなんだしさ。かわりにいろいろ堪能したし...」

「も、もう!!ダマラさん!!」

「悪かったって。」

「そうそう。奴らに呼び出されたら一応覚悟しとけよ。何も起きないだろうけど、一応あんたは奴等から見たら雌なんだ。気をつけろ。」

この時のダマラさんの忠告が想像できない事で的を射ることになるなんて、思いもしませんでした。


-----------------------------------------


その日はもう夕刻だったようで、すぐに御飯が支給されました。

「なあ、本当にもらっていいのか!?」

ダマラさんはキラキラと目を輝かせながら聞いてきます。

「もちろんです。」

「へへっ、ありがとな~。」

ニカっと笑い、ダマラさんはご満悦のようです。

私は食欲がわかなく、食事は遠慮することにしました。

それにしてもおいしそうな御飯...

ダマラさんはあまりナイフに力を入れてないように見えるのですが、お肉があんなにスパっと切れるなんて、そんなにやわらかいのでしょうか。

「私捕虜なんだけどよ、この瞬間はもう豪邸に住んでるって感じで泣けてくるんだ。」

ダマラさんの生活はよくは知りませんが、バクバクとおいしそうに食べている姿を見るだけで、私もおなか一杯になりました。

「ああ、ダマラさん、そんなにこぼして。お行儀悪いですよ?」

備え付けの個包装おしぼりで、口周りを拭いてあげることに。

「んー、そんなの食事終わった後でもいいでしょう~。」

「んもう、一応女の子なんですから。」

「わーかーりーまーしーたー。」

ピンポーン。

突然のチャイム。

ドアのモニターには447と数字が書かれていました。

「いくらなんでも早すぎるだろ。」

ダマラさんの声のトーンが低くなる。

「気をつけろ。奴らはお前を指名のようだ。ここを出たら、通路をまっすぐ進む。そして、447番の部屋で待機をする。エレベーターがあるからそれで4階へと行くんだ。」

「奴らは手も出せないでタイムアップだろうが用心しておけ。奴等は雄だ。肝に銘じておくんだ。」

「時間がないから、早く行くんだ。時間だけ守れば殺されることはない。」

...脚が震える。

こんなにも歩くのは難しかっただろうか。

一人で通路を歩くだけで泣きそうになる。

冷や汗をかき過ぎたのか、のどが渇く。

殺されるという言葉が背中を押してくれたおかげで、何とか≪部屋≫へとたどり着く。

恐る恐る中へと入る。

中は照明が暗め、なにやらお香がたかれている。不思議と嫌な香りではない。

そして大きめのベッドが一つ。

広々としたシャワールームまでついている。

私は混乱していたのか、シャワーを浴びることにした。

それにしても一人で入るには広いシャワールームだ。

こんなに高い天井を見たことがない。

広すぎて落ち着かないシャワールームで身を清め、支給されている服を着る。

そして、シャワールームを出ようとした時。

ガチャ。

部屋のドアが開いた。

私の入ってきたドアとは反対側のドア。

奴らの通用口だろうか。

「きゃああぁっ。」

なんとも貧弱な悲鳴を上げてしまう。

「ウッ。マ マテ」

(やはり怖いのか)

何か頭の中で響いた気がする。

とはいえ、奴らの見た目の威圧感で恐怖心が余裕を無くす。

大きい、男の人。

何かの部族のようなフェイスペイントに大きなピアス。

後ずさっていると、スカートが脱げてしまった。

どうもサイズがあっていなかったようだ。

「ブフォッ!!?」

(うわっレアな人間種族の下着がっ!!)

(ううっなんかこれから俺はどうすればいいんだ)

(一気に自信なくした)

大男はすごすごとドアの向こうへと行ってしまったようで。

ドアのすぐ横のモニターには一言。

「帰れ。」


----------------------------------


「セッカ、私から見ても可愛いからなぁ。」

「そりゃあんな反応をする奴らじゃ手も出せないわな。」

「でも、私パンツ見られたんですよ...」

「パンツくらい見られても減らないのは気にするな。ヤられなかっただけマシだろ。」

「うう...」

「大体殺されるってなんですか...」

「こうでも言わないと、たどり着けなかっただろ。それに、奴らもスイッチが一度入ると大変なんだ。暴れ出したらこっちまで危ない。」

「なんにせよ、奴等にもお前が雌だってこと認識されたってわけだ。とりあえず、ここでの生活は安泰だな!!」

「あんなおっかない人達に認識されてもうれしくないですよぉ...」

うう...達人ぉ...

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