表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

俺は極悪人かも知れない

作者: セロリア
掲載日:2018/09/15

誰か教えてくれ。


俺は極悪人かな?


誰か教えてくれ。








俺は仮想通貨で金持ちになった。


高級マンションを賃貸にし、それを6戸、株、田中貴金属、債権を保有してる。


月に18万の普通より豪華なアパートに住んでいる。


月に35万収入と偽り、あらゆる婚カツサイトに登録した。


どれもこれも汚い女ばかり。


金持ち目当てだったが、落ちこぼれ、もうこれで良いかと諦めで俺を選んだ事を隠そうともしない。


本人達は隠そうとしてるらしいが、見え透いている。


そんな中。


日本沈没説を唱える新妻博士の存在を知る。


いわゆる都市伝説だ。


俺は新妻博士と直に会った。


会いに行ったのだ。


そこで知ったのは、日本は後持って30年で沈没という信じられない真実。


俺は帰り、笑った。


何故か泣きながら。


俺の頭は生き残る方法を探していた。


そして海外でのパスポート期限は作ったばかりだから安心していた。


俺は渡航先を占いで探し始める決意をしていた。


他の誰かを救う事は考えない自分が居た。


大切な人。


両親、兄弟とは縁を切っていた。


いわゆる毒家族だったからだ。


俺は一人、たった一人、神様から生き残るチケットを貰った気がした。


その事に喜びを感じながらも。


どこか。


心のどこかで、ざまあみろと叫ぶ俺が居た。


社員時代の嫌な尊敬出来なかった上司達。


惚れるに値しない女達。


毒の家族。


街を行き交う救うに値しない馬鹿ばかり。


コンビニに売ってる裸の女らの雑誌。


不倫、浮気、無料宿泊渡りの家出少女の探し方の雑誌ら。


コンビニでジャンプを立ち読みしながら、こりゃ神様も滅ぼすわと思う日々。


渡航先が決まらずモヤモヤしてる日々。


適当にマレーシアに行くか?と考えている方針が決まりそうになっていた日々の頃。


占い師に路上で呼び止められた。


占い師「あんた!そこの金持ちのあんた!やってかない?100万でどうだい?」


丁度財布には100万あった。


占い師「・・どうだい?」


俺は座った。


占い師「名前、生年月日、今の方針を聞かせなさい」


占い師は盲目だった。


俺は生年月日と名前、マレーシアに行こうか迷っていると答えた。


占い師「・・そうさねえ・・そっちは駄目だね」


俺はじゃあどこ?と聞いた。


占い師「・・ロシアだね、近々に運命の女性が現れるから、流れに乗るよ、あんたは、私の助言はこれ以上は不要だね、あんた・・凄い守られてるね、どうやったらそんなに強くなれる?」


俺「・・思い当たる事は、・・我慢ですかね」


占い師「・・確かに・・あんたは欲望を我慢してきてるね・・しかし、それでも一途に神様を信仰している、その信仰の力はどっから来てる?」


俺「・・さあ・・産まれた時からですかね?分かんないです」


占い師「・・皆死ぬよ・・み~んな」


俺「・・」


周囲の雑踏が空しい。


俺「やっぱり・・そうなんですね」


占い師「運命だからね、仕方ないね」


俺「あなたは?逃げないんですか?」


占い師「・・私は逃げられない、どう足掻こうがね、他の日本人も同じさね」


俺「・・100万入ってます」 財布を置き立つ。


占い師「・・さようなら」


俺「・・一緒に逃げますか?」


占い師「・・ふふ・・優しいんだね、ありがとね、でも、言っただろ?あたしゃ、逃げられないんだよ、どう足掻こうがね、例え、あんたと今ここで約束してもね」


俺「モノは試し、やってみて?」


占い師「・・分かった、・・もう一度聞いて?」


俺「一緒に、逃げますか?」


占い師「・・はい、喜んで、お願いします」


沈黙。


俺「・・どうです?貴女の未来は変わりましたか?あ、え?」


占い師は泣き出した。


占い師「・・優しいね・・必死で・・助けようとしてくれて・・ありがとうねえ・・でもやっぱり・・駄目だ・・あたしゃ、死ぬ、ふふふ、死んじまうねえ・・ありがとねえ・・」


フード頭を垂れ、肩を震わせる。


俺「・・助けられなくて、ごめんなさい」


占い師「・・はああ、ふふ、今日限りで閉店だよ、あんたの100万で・・旨い料理を食うさ、じゃあね、ほらほら、帰った帰った!店仕舞いだよ」


しっしっとされ、俺は深いお辞儀をし、その場を去った。


その2週間後、公園でホームレスから強姦されかかっている少女を助けた。


警察には行きたくないらしい。


家出少女でもないらしい。


親がロシア人と日本人らしいが、借金の方にヤクザに売られたらしい。


そのヤクザの施設から今日逃げ出し、携帯も持ってない。


本当の父親は別に居ると母親からは聞かされているらしい。


英語、日本語、ロシア語を話せるらしい。


戸籍を調べられたら、ヤクザが嗅ぎ付けるらしい。


頭が良い娘だと思った。


取り敢えず、スマホでロシア語、英語が喋れるか調べ、本当に喋れると試した。


本当に喋れるようだ。


少女「お兄ちゃん、何歳?」


俺「俺?31」


少女「・・若く見えるね、あたし12歳」


俺「・・若く見えるね」


少女「あはは、面白ーい」


コインを使い、易占い。


少女「何それ?何してるの?」


俺「んー?占い」


少女「占い?何を占い?」


俺「君を家に連れて行くかどうか」


少女「え・・」


俺「嫌なら別に良いんだ、ただ、ホテルに君一人で行っても、警察呼ばれて終わりだし、親子とフロントに言っても絶対信じて貰えない」


少女「うんうん」


占いの結果。


神様『お嫁に貰いなさい』


少女「・・で?どう?貴方の家行きたいなあ・・」媚を売り、肩を揉む。


俺「・・取り敢えず、家来る?」


少女「おー?やりました!行きます!行きます!」


俺は初めて女を家に入れた。


少女「おー?貴方はお金持ちですか?」


俺「いいや?全然普通だよ、普通の中の普通レベルかな」


インスタントラーメンにお湯を入れる。


少女「・・ふーん」 本棚を見た後、じろじろ部屋を見回る。


俺「・・何か見る?映画とか、アニメとか」


少女「銀魂みたい!」


俺「はいよ」


パソコンを立ち上げ、YouTubeを開き、銀魂を流す。


少女「わあ、ありがと・・えっと?」


俺「松本だ、名前は教えない」


少女「・・ふーん、じゃあ私も教えなーい!」


松本「解った神楽」


神楽「え?」


松本「神楽って呼ぶ、それで良いだろ?神楽」


神楽「じゃ、銀ちゃんって呼ぶ、良い?」


銀「解った」


神楽「・・ふふ、銀ちゃん腹減ったアル!仕方ないから食ってやるアル!」


銀「うるせえ!酢昆布食え、大好物だろ!?」


神楽「たまには酢昆布以外も食いたいアル!」


わいのわいの。


風呂上がり。


美少女は湯上がりホカホカ。


俺は嫁さんと知ってるから無駄にドキドキした。


しかし、相手は12歳。


抑えて寝た。


翌朝。


神楽「 《チュンチュン》・・(何もして来なかったなあ) うーん、朝だあ!よっと!」跳ね起き。







俺「ぐー、すかー、 《もやもや》ん?んん?」


その日、俺は焦げた匂いで起きた。



神楽「てへ?」


俺「てへ?じゃねえええ!どうやれば卵焼きが爆弾に変わるのかな?ええ?」


破壊された電子レンジから煙。



神楽「電子レンジの使い方書いてないのが悪い」


俺「アメリカの裁判かよ!?」


神楽「あはは、ははー・・」


俺「・・」


神楽「早くご飯頂戴」


俺「・・」


神楽「はやくー」


俺「・・はあ・・少し待て」


神楽「わあい」



黒髪に染めてやって、色んな場所に行った。


キャンプで日本中を回った。


楽しかった。



日本の田舎の田舎に引っ越し、中学、高校と進学させ、大学はアメリカへ。


MITに入学と同時にアメリカへ引っ越した。


そして、卒業祝いに連れて行った、グランドキャニオンのスカイダイビング。


グランドキャニオンに輝く朝日の中。


落下中、手を繋ぎながら。


神楽「私、ナタリア・吉川は、貴方を夫として迎えたああい!あばばば」


俺「・・」


ナタリア「嬉しいい?あばばば」


俺「おー!嬉しいぞー!あばばば」


ナタリア「結婚してー?あばばば」


俺「おー!あばばば」


ナタリア「本当ー?あばばば」


俺「おーあばばば」


ナタリア「変な顔ー!あばばば」


俺「あばばば」


馬鹿笑いしながら落下。


パラシュートで広いキャニオンに着地。


朝日の中、荒野の風、キスを初めてした。


19歳差。




アメリカで、内戦が勃発。


日本、地震が頻発。


北海道、震度11が発生。


それをアメリカのニューヨークのマンションでナタリアと見ていた。


ナタリア「日本の友達大丈夫かなあ?西の方だし、大丈夫とは思うけど、連絡してみよー」


俺「・・」俺は画面から目を離せなかった。


来たか。


そう思った。



アメリカは内戦。


日本は地震。


ロシアに行く流れは自然だった。



ロシアに移住する際に徹底的に身元調査が行われ、ナタリアとは引き離された。


俺は未成年者誘拐の罪で日本政府に引き渡されー・・ると思っていたが、そうはならず、ロシアのガス会社の大企業のCEOと名乗るお偉いさんの使いから丁寧な送迎を受けた。


ロシア筆頭の大資産家、パドロフ家。


宮殿と呼ぶに相応しい家。


白虎の毛皮のソファで待っていたら、重厚な扉が開いた。


ナタリアだった。



青と緑のシルクドレス姿。


現実は小説より奇なりとは正に、だ。


ナタリアはお嬢様だった。


隠し子だったのだ。



正式な妻と息子は事故で死んだらしい。


跡取りが居なくなったザパウ・ファンブル・パドロフ氏は必死に探したが、日本の関東のヤクザに売られてからの足取りは掴めなかった。


ヤクザの親分、少女密売組織は拷問され、東京湾に沈んだらしい。


ザパウ「会いたかった、娘の恩人にね」


俺「・・」


ザパウ「それでー・・お金以外に何が要る?君にはお金は必要ないみたいだからね、何が望みだ?」


ナタリアは別室。


俺「・・ナタリアが欲しいです」


ザパウ「それは叶わない、別の願いなら何でも叶えよう」


俺「アメリカ、日本、中国は地震と内戦でボロボロです、ロシアにしか居場所はない、こんな時代に、好きな女以外に望みがあるとお思いで?」


ザパウ「・・無理やり作りたまえ、要らない望みを、ひねり出すんだ・・いいね?・・娘は処女だった・・信じられない聖人な君を・・尊敬さえ・・私はしているんだ、本当に・・君は素晴らしく、そしてー・・」


俺「・・」


ザパウ「・・そして、運が良い人間だ」


俺「・・嫌なら?」


ザパウ「・・君を、行方不明にしたくないんだ、頼むよ」


俺「・・嫌です、ナタリアと一緒になります」


ザパウ「はあ・・」 部下に合図を送る。


俺は取り押さえられ、頭にロシアンルーレット2発。


ザパウ「君の運を試そう」 〈ジャーーカチリ〉


俺「・・貴方は何を賭ける?」


ザパウ「・・何だと?」


俺「・・貴方は・・奪ってきた対価を払えるのか?」


ザパウ「・・」


俺「貴方と私は金持ちだ、だが、私は白だ、あなたは黒だ、貴方は私が羨ましいんだ!」


ザパウ「黙れえ!」 〈カチ〉


沈黙。


ザパウ「・・・・君は・・本当に運が良いな・・」


俺「・・」


ザパウ「・・君は・・100億とナタリア、どちらを取るかね」


俺「ナタリアです」


ザパウ「では、ナタリアと同じように好きになった女性が居て、その女性には跡取りである息子が居たら?」


俺「ナタリアです」


ザパウ「・・運命とは、何だろうね、私は、浮気をしなかったら、どうなっていただろうか・・」


俺「あなたは黒だ、その時点でどう転んでも、いくつく先は満たされない結末だ」


ザパウ「・・そうかもな」 〈カチリ〉


俺「・・」


ザパウ「・・本当に運が良いな、負けたよ、好きにしたまえ」


俺「・・ナタリアとロシアに住みたいです」


ザパウ「解った、ただし」


俺「・・」


ザパウ「孫を抱かせてくれ」


俺「・・はい」


ザパウ「試して、悪かったな、娘を呼べ」


部下達『は!』


俺「?」 捨てられたリボルバーを見る。


弾はなかった。


〈バアアン!〉 開いた。


ナタリアが飛び付いて来た。


やっぱりコイツは、良い匂いがする。










日本は沈没した。


アメリカは3つに分断し、今も内戦状態。


中国は内戦が押さえられず自滅した。




俺はロシアで暮らしている。



俺は、5人の子供に恵まれた。



素晴らしい人生だと思う。



でも時々思うんだ。



占い師が言った言葉を。


どう転んでも占い師を救う事は出来ないってあの言葉を。


俺はあの言葉を聞いて、方針が全て固まったと、今振り帰れば思う。


あの占い師は何者だったんだろう?



出会ったのはあの一回だけだった。


あれから何回も同じ時間帯に通ったのに出会わなかった。


あの占い師の言葉がなければ、俺はー。


俺はきっとシンガポールに核が落とされた日に死んでいただろう。


あの占い師の言葉がなければ、ナタリアに出会う前日にマレーシア移住研修会に出席する為に関東から離れていた筈だ。


あの占い師の言葉によって、神様からのお告げだと信じる事ができた。


だから、徴兵制度がなく、高い文化なアメリカにまず行った。


だからニューヨークのマンションで冷静に判断し、日本には帰らなかった。


だからナタリアを親に会わせる事が出来、俺の暮らしも保証された。








俺は占い師に言われたあの言葉は、見捨てて良いんだよ、貴方は生きなさい、生きて幸せになりなさいと聞こえたんだ。


俺はあの言葉に飛び付いた、しがみついた。


見捨てて良いんだと、理解した。



その理解に、心底ホッとしたんだ。






俺は。



俺は。



極悪人かな。



誰か教えてくれ。




火山と、津波で死に行く人々、故郷日本を画面で眺めた俺は泣かなかった。



ホッとしたんだ。




ホッとしたんだよ。




《END》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 主人公は別に極悪人ではないでしょう。 助けようとしても助けられないということはいくらでもありますしね。 占い師は自分の運命を知っていたのですから救おうとしただけ良いことではないかと思います。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ