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第1話 この両手に最強の武器を

「よし、改めて武器を探そうか?」

「そうだね、色々と驚かせられたけど、もう大丈夫」

こうして俺達は武器探しを再開した。

「双剣なかなかないなぁ」

店のなかを見渡して見たが良いのがなかなか見つからなかった。

「確かにないね、じゃあ、作ってもらうなんてどうかな??」

「ま、マジで?出来るの?」

「多分。翼のものすごいステータス見せたら作ってくれるかも」

「よし、じゃあそこに行こう!!」

二人はその店のある小さな村まで行くことにした。

「で、その村までどこくらいかかるの?」

「10分くらいかな」

近い!!いや、おかしくね?さっき地図見たとき近くに村なんてなかったぞ。と、考えていると俺が最初に来た広場が見えてきた。そして、さっきから隣で端末を操作しているアリスも気になった。

「よし、村まで設定したからあとは広場の真ん中にある魔方陣に乗って端末をかざせば転送完了!」

「うぉー転送来たーーー」

俺は再び大興奮。そんな俺を見たアリスは苦笑いをしている。

「転送するから動かないでね」

魔方陣の光が2人を覆った。すると次の瞬間2人は目的地の前に立っていた。

そこには古い長屋が建っていて中からはカンカンと鉄を叩く音が聞こえて来た。

「「お邪魔しまーす」」

アリスの後について入るとそこには1人の老人が剣を作っている最中だった。老人はアリスに気がつき軽く会釈をし、また作業に戻った。しばらくすると老人は作業を中断し、俺達に話かけてきた。

「久し振りだなアリス。そこの少年は仲間かい?」

「いや、さっき街で会った冒険者の翼君だよ。」

「ほう。アリスが見込んだ男かい?少々興味があるな」

老人はアリスから俺に顔を向けた。

「君はどんな武器がほしいのかね?」

老人の突然の質問に少々戸惑ったが俺は答えた。

「日本刀」

自信満々に答えた俺が老人の顔を見るとそこにはたくさんの?が浮かんでいた。それもそのはず。だってここは異世界なんだから日本刀なんてものはないのだ。それに気が付いた俺は側にあった紙に日本刀の絵を描いた。

「これが君のいう日本刀というやつか。これを作ればいいんだな?」

老人は納得したように首を2,3回縦に振ると、

「いいだろう、作るのに大体半日ってところだな。それまでどこかで遊んでくるといい。この村には色々といい場所があるからな」

そう言って老人は作業を始めた。俺は念のために言っおいた。

「2本お願いします」

すると老人は少し動揺をしたが、あたかも分かっていたかのように黙々と作業に没頭し始めた。

「じゃあ、よろしくお願いします~」

俺とアリスは村を観光することにした。

「そういえば翼はパーティー作らないの?」

「作りたいけどまだ武器もないからね、入ってくれる人がいないと思うんだ。」

「そ、そうだよね。提案なんだけどさ、も、もしパーティーを作る気になったら私を入れてくれる?」

突然の提案に俺はフリーズしてしまった。俺から言おうと思っていたことをまさかアリスが言って来るなんて想像もしてなかった。

「だ、駄目かな?」

アリスが上目遣いで聴いてくる。これは断れる訳がないし、そもそも断る気は1ミリもないのでもちろん即答。

「もちろんOK!大歓迎」

「え?本当にいいの?ありがとー翼大好き!」

えへへ大好きって言われちゃった。俺もて期到来!?

「じゃあ、パーティー作ろっか。まずは端末のパーティーを作るってところからパーティーメンバーを募集して。それから私が入って翼が承諾すれば完成」

「よし出来たっと。今日は記念すべき日になったな」

「そうだね。今夜はパーティーね!」

こうして俺のパーティーが出来た(2人しかいないが)。

それから二人は村を観光し、温泉で1泊することにした。

「ふぅ~やっぱり温泉は気持ちがいいなぁ。」

混浴でなかったところは少々残念だが、贅沢は言わない。だってまだ異世界初日だもの。初日から美女とパーティー組めただけで大満足。

温泉から上がるとアリスが待っていた。

「日本人は長風呂なんだよ」

「その、翼が言ってる日本ってどこにあるの?私一度も聞いたことがないんだけれど」

まぁ、アリスに聴かれたのだから仕方ない説明するか。

「日本ってのはここからとても遠い場所にあって俺が元々住んでいたところなんだ。日本には高い建物がたくさんあっててもなにぎやかなところなんだ」

アリスは子供のように聞いていた。そして納得したように首を縦に振った。

「部屋に行かないか?立ち話するのも、ね?」

「そうね、部屋に行きましょうか」

俺達が部屋に行くとそこにはベットが1つあるだけの小さな部屋だった。

「アリスはどこの部屋にとまるんだ?」

「え?私ここなんだけれど。お金がないから1部屋しかとれなかったの」

早速イベント来たーーーー。アリスとワンベットで寝るとか神様、仏様、異世界様ー。

「おやすみ~」

「オ、オヤスミ」

ヤバい。寝れない。寝れる訳がない!!さっきからアリスの寝息が首筋に当たってくすぐったい。

こうして俺は一睡もできず2日目を迎えることになった。

「おはよう」

「オハヨウ、ヨクネムレタカイ」

「うん!すごくすっきりしてる。翼もよく寝れた?」

まぁ、いいか。アリスが元気なら。何て考えながら朝食をとった。

「よし、早速武器をとりにいくかぁ」

伸びをしながらアリスを見るとちょうどお着替え中だった。しかし、アリスは着替え終わると何事もなかったかのように俺に接してきた。

「よし準備OK!じゃあ行こっか」

今日も笑顔がまぶしいアリスと共に宿を出た。

「「お邪魔しまーす」」

店の中に入るとそこには2本の日本刀が完成して鞘に収まっていた。すると、奥から老人が出てきた。

「どうだい?できの方は?」

俺は1本づつ確かめるように見た。2本とも文句のつけようがないほどに完璧だった。

「完璧です。重さといいバランスといい文句のつけようがありません」

すると老人は奥から防具も出してきた。

「君、翼君といったね?気に入った。この防具も持っていくといい。」

すると老人はピカピカの機動性の良さそうな防具を俺に渡して来た。これもまたピッタリで体に馴染んだ。

「ありがとうございます。お代の方はどうすれば?」

「お代なんて要らねぇ。ただ、大切に使っくれればそれでいい。なにせアリスの客だからなぁ」

俺は素直に貰うことにした。そして、店を出ようとした時だった。

「ちょっと待ちな。まだ名前を決めていないだろう?」

と、老人が紙をピらピらなびかせながらこっちを見ていた。俺が老人のところに行くと紙とペンを渡された。

「どんな名前にするんだい?」

と、老人は興味深そうにこちらを覗きこんできた。俺はしばらく考えたあと、日本語で


「イザナギ丸」


と、紙に書くと刀の持ち手に文字が浮かび上がってきた。それを見届けた老人は満足げな表情を浮かべた。

これが俺と相棒との出会いだった。

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