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プロローグ 後編

状況報告も終わったところで、もっと急ぎますか。


 さっきも言ったとおり、本屋から家まで30分。これは通常の速さの時だ。本気で漕げば15分くらいといったところか。


 因みに現在地点は交差点3つで家まで付くという処だろう。んで、今交差点を通り過ぎたのであと2つだ。


 って、あああああああああああああああああああ!!やばい!!便意のピークがあっ!!不味いぞ、もううんこの先っちょが肛門まで来ているうううううううっっっ!!


 不味い、不味いぞ、この便意のせいでチャリを漕ぐスピードが遅くなっている気が...


 よし、もうあと一つ交差点を過ぎればもうすぐ家だ!!――




 右から巨大な黒い物体が猛スピードで迫ってきt




 ――右腕にソレが衝突する。

  右腕が折れる音がする。

  肋骨も同様に折れる。

  折れた肋骨が肺に突き刺さる。

  心臓にも肋骨が刺さる。

  心臓が破裂する。

  血反吐が口から噴き出す。

  全身を吹っ飛ばされる。

  アスファルトに打ち付けられる。

  ほかの体のあちこちの骨も折れる。

  

 「」


 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


 「」


 痛い。けれども痛すぎて声が出ない。


 肺を潰されているためか、呼吸もできないようだ。


 あぁ、僕を轢いたのはトラックか。


 あぁ、チャリが滅茶苦茶だなぁ。


 本が、今日買った本が、読みたい。


 うんことかもう一切どうでもいいな。


 あれまあ思考回路がめえちゃああくtっちゃづああああだあああ


 ――あ、これ僕死んだな。

  

 なんか分かる。もう僕は助からない。――


 なんだか冷静だな、僕。もうすぐ死ぬってのに。安らかな気分だ。体はめっちゃ痛いけど。


 走馬灯とやらも見てないな。死ぬ前に見てみたいと思ってたのに。


 今気づいたが、周りは騒然となっているようだ。鼓膜が破れているようで、聞こえないし、片目はつぶれていて、もう片方の目も血でよく見えないけど、雰囲気でわかる。静かに死にたかったなぁ。まあ、聞こえないから静かなんだけど。


 僕の意識はそこで途切れた。

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