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王様と丼

作者: トマトだけは…

ライラライラライラライララライ?


 "どうしてチャンピオンとは別にランキングの一位がいるか知ってるか?"

どこかの漫画でそんな言葉を読んだ。小説でも、漫画でもたまにある。校内や学内や世界でランキング一位のやつ。より強いやつが割りとゴロゴロいたりする。いや、なにか違うな。

「お待たせしましたーこちらカツ丼になりますー。」

「あ、ありがとうございますー。

……さて、いただきます。」

 なにが…あつっ!あっつ!ほあー!おぁあー!ほー…ふー…。うめぇ。えーと…そうだ。いや、なんだったか。

 味の染みたカツと、同じく味の染みた濃い卵をオカズに、白米をかき込む。熱い、美味い。冷えた茶を飲む。冷たい。思いっきり息を吐きたい気持ちを堪え、小さく息を吐く。

 それで…あぁ、そうだチャンピオンと一位の話だ。


 チャンピオンっていうのはつまり、王様のことだ。ある歌は言う。"King of Kings"王たちの王とでも言おうか。ということは皆王様なのだ。一位も、それ以下の連中も。全員が、王なのだ。その中でもっと強い。王の中の王がチャンピオン。漫画雑誌で言えば諸王という感じがするが…。まぁとにかくチャンピオンは王。凄い、強い、かっこいい。カツ丼で言えばカツだ。デカい、ウマい、濃い。しかし、そのカツも、出汁や卵や米や茶がなければ…いや違うぞ。またなんかズレてきた。そもそも何について考えてたんだ?王様か?チャンピオンか?カツ丼か?

 どちらかと言えば…チャンピオンだ。


 そう、男はいつでも憧れがある。斜に構えてようと、年老いようと、若かろうと、ボケてちゃ無理かもしれんが。それは強いだとかかっこいいだとか色々な言葉で言い表せるが、そこには間違いなく"男の世界"が存在する。俺は女の世界のことは分からないし、その他の人々の世界も知らないが。その世界についてはちょっとうるさい自信がある。なにせ何十年も男をやっているのだ。

 …ん?なんかまたズレてきた。カツ丼はもうそろそろ終わりだ。だのに、思考はまだ扉を開けたところでスクワットしているような状態だ。食後や食中のスクワットは胃に良くない。止めるべきだ。いや、まて違う。スクワットはしない。していない。つまり…そうカツ丼をどう食べるべきか。いや違う。"男の世界"か。いや違うな。ハードボイルドが耽美物?ふざけるなハードボイルドは例えるなら煮過ぎたすき焼きの肉だ。だから違うんだ。えーと…お、あと一口か。

 丼に口をつけ、吸い込むようにかき込む。そしてよく噛み、飲み込む。最後に茶を飲んでたっぷり一呼吸。

「ごちそうさまでーす。」

「ありがとーござーしたー!」


 結局何を考えたんだったか…そうだ、確か消臭剤が切れてたんだ。あとサランラップ。髭剃りの替刃は…まだ持つな。帰りに買っておこう。

ライラライラライララライ。

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