【閑話】女神の密やかな楽しみ[その4 ]
「今回のって、貴女なにか仕込んでるの?」
「いえ、全く」
「そう。つまり、貴女が何か手を加えない方がちゃんとしたものになるのね」
がーん。
いや、本当のことですよ?本当のことですけど、もう少しやんわりと……お願いします。
しかし、年単位であれこれしたヒロインががっかりだった事実が……なんてこった。
勝手に何かしでかして、更に長年の誤解を解いて、結果ラブラブ。
いやなにこれ。
「ちょっと焦れて、だけどハッピーエンド。王道かしら」
「王道、ですか?」
「ちょっと焼きもちやいて欲しいっていうのは王道でしょ」
焼いてくれる人がいたらそれでいいですよ。
ああ、溺愛ものもいいなぁ。ぐふふ。
「本当に。貴女が何かしなければ上手くいくのにね」
「いやあの」
「私、ちゃあんと言ったわよね?」
「……はい」
「彼は胸のない人がタイプなのよ?」
「……」
ここまではっきり胸がないと言わなくても。泣いちゃうよ?
「泣いても解決しないでしょ。だいたい彼はもう他の貧乳に取られたわよ」
「ええっ?」
「貴女が変なプライドでパットを何枚も重ねたからね」
はぅ。だって下に降りたらあったんだもん。あったら使ってみたくなるよ?普段ある人には分からないよ!
「そんな見栄はって、逃がして良かったの?」
ううう。
「彼女達のを見ても、そんなこと言ってられるの?」
確かに今回のは胸キュンでしたね。
「奥様も楽しまれたようで」
「ウチの人とのことを思い出すわぁ」
はっ。奥様が恋する乙女モードに入った。何をしたんだ、おっさん!
「……おっさん?」
「いえ、なんでもありません」
「……なんでもないとしてあげるわ。ただし」
□ □ □ □ □
奥様、もう三時間経ちます。のろけを三時間です。怒られるを選択したら長くて三十分だったと激しく後悔しています、はい。
「あら、もうこんな時間?まだここから結婚まで三年分あるのに」
「人の話の前に、私がどうにかなりたいです」
「無理でしょうね」
「え?」
「まあ、取り敢えず次のパーティーには来なさい。例の貧乳に笑われに」
「はぅ。公開処刑じゃないですか」
「その時助けてくれる人が貴女の王子様よ」
うっかりノリそうになったけど、誰も助けてくれなかったら、王子様不在じゃないですか!
やだ、怖いわー。
「まあ、次のが現れるまでたまにウチの人のところに降りて、エステとか行きましょう」
「……急に優しいですが…」
「私も彼女達を見たいわ。またくるわね」
はい。おっさん……じゃなかった。神様にもよろしくです。
さて。胸のパット捨てますか。ええ、泣いてませんよ?




