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女神の趣味に付き合わされて  作者: 五月女ハギ
さあゲームを始めよう
24/52

【閑話】女神の密やかな楽しみ[その3 ]

 おかしいなぁ。

 十五年近く待ってたのに、なんなの?これ。


「……なるほど。がっかりヒロインか」

「私の方が言いたいわよ。期待してたのに~」


 乙女ゲー好きってことで意気投合。よっしゃ、こっち来い!と異世界転生したわりに……。


「ないわ、これ」

「がっかりヒロインはこんなもんだろ」


 人間って努力しないと能力値が高くても使い物にならないね。

 いや、能力値っていうか、能力限界値か。


「あの子は頑張ってたのにな」

「……なんか贔屓してませんか?」


 こっちの世界を見に来る度にあの子あの子言い過ぎじゃんか。むむむ。まさかのロリコン……


 ……無言で睨まないでください、冗談だよ冗談。


 ちょっ。なんで手がグーなの?きゃあ、イヤー。


「……土下座したのか、お前」

「はうっ」


 内緒にしてたのにっ。隠してたのにこんなあっさりバレるとかなんなの?


「……ふむ。取り敢えずまとまったな」


 女神の前にがっかりって普通付かないと思うの。

 いや、私は決してがっかりなんかじゃない!


 って、なんでそんな目で見てくるんだ~!


「やっぱり再修行かなぁ」

「ひぃぃぃっ。嘘でしょ?!」


 あんな生活耐えられない!


 だって朝五時起きなんだよ?

 ご飯は質素でおやつはない。


 そんな生活、絶対にいや!!


「……」

「せっかくあの子の特殊能力で、美味しい食べ物が手に入るようになったのに~!」

「最低な発言だって分かってるか?お前」

「何言ってるの?!美味しいは正義なのよ!」


 思わずビシッと指をさしたのは悪くない。

 おっさんのところは食い道楽が出来るほど、美味しい食べ物が溢れかえっているもんね、そりゃ余裕綽々だよね。


 じと目で見るのだって仕方がないじゃない。


「……他の世界の管理人から苦情は来てるけどな」

「へ?苦情?」

「俺のところだけ旨い物があるのがズルいってさ」

「そりゃそうだ」


 衣食住でいうなら、神様って衣も住も満たされてるもんね。

 残りの食べ物が唯一無二の楽しみと言っても過言じゃないよ。食べなくても死なないけど。

 それがあそこまで溢れかえってたら、みんな羨ましがるわよ!


「……それでも、今までは何も言われなかったんだよ。

 誰かさんが特殊能力を無理矢理つけて、自分の管理下の世界で旨いもん食おうとかしなかったらな」


 どっかで聞いたような話だね~、ってなんでまた手がグーなの?なんなの?


「……色々と、がっかり女神がちゃっかりと、まあ」


 ちょっと待て。今どこ見た、お前!!


「あれか?ヒロインががっかりなプロポーションだったのは、感情移入しやすいようにか?」

「だからどこ見てるの?!

 ヒロインのは前世を元にしてるの!」

「あの子もか?」

「あの子もよ!

 ……クソっ。まだ十二のくせにぃ」

「ウチの奥さんもプロポーションがいいから、お前の気持ちが分からないなぁ」


 あの若くて綺麗な奥さんですか。

 二人子供産んだとは思えないよね。


「……おい、目が死んでるぞ」


 神様って見た目は若いままとか出来るのになんで……


「ない方がいいってヤツから紹介しろって言われてな」

「会う!絶対会う!」

「……せめて相手の情報くらい聞けよ」

「会うよ!会う会う!」

「分かったから落ちつけ。

 取り敢えず、明日にでもこっちの世界に来て、ウチの奥さんとエステに行ってこい」


 ん?エステ?


「ウチの奥さんの気合いがスゴイからな。

 ーー今回ダメだと、俺達では無理だ」


 ちょっと見捨てないで!


「頑張る、頑張るよ!」

「ちゃんと相談しろよ。化粧とか香水とか」


 ……香水?

 はっ。あの香水を使って落とせってことね!早速下界に降りるよ!

 よっしゃ、ゲットして来るぞ。


「いや、待て。違う。がっかりヒロインの使ったものを使うなよ。あんな結果になりたいのか」


 はっ。

 がっかりヒロインなんてダメだ、ダメダメ。


「だからウチの奥さんが手伝ってやるって言ってるから。

 こっちの世界のを色々使っていいから頑張れよ」


 うん。

 ゲームじゃなく頑張るよ!

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