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女神の趣味に付き合わされて  作者: 五月女ハギ
プロローグよりも前に
12/52

【閑話】女神の密やかな楽しみ[その1 ]

女神様の覗き見です。

思考駄々漏れしています。

 やっとこの日がきたー!


 私が拳を握り締めると、後頭部を叩かれた。

 容赦ないな、お前。


「誰がお前だ」


 しまった、心の声が漏れた?!


「今も駄々漏れだ」

「なんですってー!」


 さとり、さとりなのね、貴方。


「……自分が声に出してるだけだろ

「まあ、それはそれとして」


 私がうっかり転生させちゃった女の子の、元々の世界の神様も一緒に見ている。

 やっと攻略対象者との出会い……五年、長かったなぁ。


「俺はその間のあの子が不憫でしょうがなかったけどな」


 うん。聞こえな~い。


「まあ、俺のところから勝手に連れ去って不幸にするとかなしだからな?」


 でも、ライバルキャラだからなー。ちょっと当て馬?


「当て馬?」

「いやいやいやいや」


 慌てて首を振る。

 目が怖い、怖いよおっさん!


「誰がおっさんだ!」


 お。宮廷魔術師もいる。めでたい門出を祝して、だね。


「……門出なのか?」


 ん?魔術師、退場。若いのきた。けど攻略対象者じゃないな。当たり前か、まだヒロイン七歳だしね。


「ん?あの子五歳だろ?」

「うん。あの子は五歳」

「おい」

「ライバルキャラだからね」


 おっさんが睨んできた。


「ちゃんとヒロインとライバルって決まってる訳じゃないよ?

 私の希望的観測なだけで」

「おい」

「……ヒロインの子に、能力(上)って書き込んじゃったし」

「ちなみにあの子は?」


 攻略対象者、二人だけかぁ。

 あっ、王子きたー!隣に大臣の息子きたー!

 おっ。あの子見つけて、王子が興味持ったみたいで、上々だわ。


 って、あれ?

 今、確かに興味持ったよね?

 なんで睨んでるのよ、王子?


 へ?


『茶会の雰囲気を壊したのだ。もう下がれ。

 ーー俺がいいと言うまで、二度とその面を俺に見せるな』


 はぁ?何言ってるの言っちゃってるの?

 うわぁ、隣から流れてくるブリザードがヤバいよ、ヤバい。


「お前のところは神からして、常識なしだが、こいつもか」


 ねえ、なんか手がグーになってない?すごく嫌な予感がするよ、ねえねえ。


「あとさっきの答えがまだだ」

「さっきの?」

「ヒロインが能力(上)だろ?あの子は?」

「……中の上」


 痛い痛い痛い痛い。

 グーの手でこめかみをグリグリしないで!


「梅干しの刑だ」

「初耳だよー」


 ようやく手がはなされたので、指で撫でる。可哀想な私。


「可哀想なのはあの子だろ。

 まさか、能力値このままにしないよな?」

「だってライバルだし」

「しないよな?」


 はい、しません!

 だからグーの手をしないで!また梅干しの刑とかやだー!


「雑巾の方がいいか?」

「どっちもやだよ?!」


 雑巾の刑って何?

 私だって五年待ってこんな展開になるなんて思ってなかったもん!


「取り敢えず、中の上を上限にはするなよ?」

「……は~い」


 渋々、書き込み追加。

 えっと!中の上のところに、「人より少し努力を必要とするが、上も狙える」って、感じか。


「まあ、それでいいか」


 ん?王子がなんか落ち込んでない?あれ。


「ああ。……焼きもちか」


 何ぃ?お前のせいで梅干しの刑を食らったじゃないか!


「あれも気にしているな」


 ほうほう、大臣の息子もか。問題はあったけど、収穫がない訳じゃなかったのね。

 どっちが落とすかなあ。いや、その前にヒロイン出てこないとダメか。


「ヒロインが今いないのはなんでだ?」

「最近引き取られたばっかりで、マナーがなってないみたいよ」


 何しろ、いいとこのお嬢様だもん。王子様だって狙える身分だから、ちゃんとしてからだってさ。

 親がそんな考え方みたい。


「また見に来る」


 じゃあね~。

 さて。私も仕事に戻るかな。


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