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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異世界でOOした結果

異世界でスライムを殺した結果

最近異世界に行ってもしこれをしてはいけなかったらを考えるのが楽しいです。

異世界でオークを殺した結果の続編?というか同じ世界観で一話完結です。

「で、君。何してくれやがったか分かっていますか?」

「分かるわけないだろうが。この手錠を外しやがれ」

「はぁ~・・・」


目の前で兵士の格好をしたやさぐれている姉ちゃんに説教されています。

なんで俺は今、説教されているのだろう。


いつもの学校からの帰り道で急に目の前が暗くなったと思ったら変なおっさんが出てきました。


「異世界行ってみたい?」


いかにも不審者だったので無視しようとしても変な空間?にいるようで出られない。


「どうなってるんだこれ?」

「ほら異世界行ってみたいでしょ、ねね行ってみたいでしょ」

「ここから出してください」

「今ならなんと好きな能力プレゼント!」

「おっさん人の話聞きなよ」

「異世界行ってみたい?」


駄目だこいつ。ループでしかしゃべれない村人Aかよ。

「分かった、異世界行ってみたい行ってみたい」

「ぷぷ、やっぱ行きたいんだ」

「いい加減にしろよおっさん」

「今ならなんと好きな能力プレゼント!」


能力?能力ねー


「じゃあなんでも触れば一発で倒せる能力で」

「中二病乙」

「はっ倒すぞおっさん」

「後は異世界についたらアイテムボックスみたいなの渡すから、それに説明書が入ってて必ずそれを読んでから行動・・・」

「わかった。わかったからとりあえずここから出してくれ」

「うぃーっす、じゃあその扉を通ればオケ」

「なんだってんだいったい」


なんかの怪しい宗教かと思いその扉を開ければそこにはなんということでしょう。

一面の緑が広がっていました。


「おいおっさんふざけんな!なんだよこれ!」


振り向いたらあの扉とおっさんが消えていた。

ちょっと待てよ?マジで異世界?

いやいやなんかの手品だろこれ。

とにかくどうやったら家に戻れるんだろう。

軽く周りを探索したがビル、ましてや家の一つもない。


「どうしたもんかなー?」


困っていると目の前に青い丸いフォルムをした液状の物体が動いている。

なんだこれ。

ゲームとか漫画に良く出てくるスライムに似てる。


「ていうかあれも生き物だよな」


さっきの変なおっさんが言うとおり、本当にここが異世界ならチートも貰ってるはずだよな?

なら試さないわけにはいかないよな?


「触ったら俺溶けたりしねぇかな」


ゲームによってはスライムってめっちゃ危険らしいし。


「男は度胸ってか、えい」


軽く触れたつもりが次の瞬間、スライムらしきものが破裂した。


「え」


スライムってこんなにはじけ飛ぶものなの?

というか破裂した後に丸い玉見たいなのが出てきた。


「これってあれかね?素材ドロップとか? いよいよゲームじみてきたな」


でもこれでチート能力も確認できた。

やっべー 俺最強。この世界じゃ最強なんじゃね?

とりあえず、もう何体か見かけたら倒していかないとな。


「う~ん。ちょっとやりすぎたな」


あの後もなぜかスライムしか出なかったのでどんどん倒す、というよりも弾け飛ばしていったら軽く百体は倒したかな。

その度に青い玉が落ちていたのでレアドロップとかは無いらしい。

歯ごたえが無さ過ぎてついやりすぎてしまった。

全部アイテム袋で回収したし、当分資金には困らないんじゃないか?

なんか一緒に説明書が入ってたけど分厚すぎだぜ神様。

とりあえず、目次があったのでアイテム袋の欄だけ確認し、アイテム袋には無制限にアイテムが入ることが分かった。これも十分チートだな。

歩き続けた結果町?いや城?見たいなものも出てきたし、中世ヨーロッパ風か。

いいねいいね。テンション上がってきたぜ。

突然こんな所放り込まれたときはどうしようかと思ったが前の世界に未練なんてないし、ここで無双してやるか。

町の中に入ると人の行き来が激しく、繁盛しているのが分かる。

とりあえずはスライムの素材を売って資金稼ぎだな。

一人適当な人を捕まえて尋ねてみるか。


「すんません、ここらで魔物の素材を買い取ってくれる奴っていますか?」

「素材屋のことか?それだったらほれ、あそこの看板があるところに大きく素材屋って書いてあるぜ」

「あんがと」


軽くお礼をしさっき案内された看板のところまで歩いていく。

店番している女の子がいる。

へー、結構可愛い子じゃん。

17、18ぐらいかな。


「あのー、店の前で人の体を舐めますように見られると営業妨害なんだけど」

「やっべ、あーいや俺は客だよ客。素材を買い取って欲しいんだ」

「ふ~ん、まぁ 素材屋エミリにようこそっと。で、何を売りたいんだい」

「魔物の素材なんだけどさ、見てくれよ」


スライムの青い玉をアイテム袋から一個取り出して目の前に置いて見た。


「はっ?」


女の子が驚いた顔をして固まった。

一個だけじゃ価値にもならないアイテムとかか?

あいつら弱かったもんな。


「いや今手持ちで後99個あるからそれでなんとか金にならないか?」

「はっ?いや99個!?」

「ああ。ほれ」


残りの99個を全部アイテムボックスから出して目の前にだす。

あんまり価値が無いなら取っといてもしょうがねーしな。


「ちょっと待ってこれ全部本物?紛い物じゃなくて本物の『スライムの結晶』?」

「本物も何も全部あの青い液状のスライム?を倒したら出てきたもんだぜ。で、いくらなんだ?」

「いやいやいやいや、何やってんのあんた!こんな物騒なもんうちで売ろうとしないでよ!もし見回り兵にこんなところ見られでもしたら」

「残念、もう見てしまいましたー」

「うわ、なんだあんた」


突然後ろから兵士の格好をした女が出てきた。

良く見ると美人だな、異世界レベル高っ。

けどなんでこの素材屋こんなに焦ってんだ?


「ア、アメリアじゃないか。奇遇だね」

「マリー、私はあなたのこと友達だと思っていたんだけどね。今日はこれから少し見回った後、家に帰る予定だったんだ。明日から久しぶりの休暇の予定でね」

「アメリア、落ち着いて! 私裏商売からはもう足洗ってるから!!こいつが勝手に『スライムの結晶』を持ってきたんだ!!」

「ふーん、ま とりあえずあんたを連行するのは確定として「確定っ!?」うっさい。おいそこの若造」


なんだこいついきなり偉そうに。お前も若造じゃねぇか。


「とりあえず両手を前にならえ」

「こうか?」


良くわからんがこっちの挨拶みたいなもんか?


ガチャ

手錠みたいなものをかけられた。

ん? あれ?


「はい、本日午後2時30分ジャスト。現行犯逮捕」

「おい、なんだよこれ!俺が何したっていうんだよ!」

「はい暴れない暴れない。話は詰め所で聞くから」

「くそっ!ふざけやがって」


いきなりこういう展開かよ。これだから異世界は

いいよ。いいよもう。チート能力使えばこいつ殺せるしちょっと触ってやって邪魔するやつも殺してとんずらするか。

そう思いこの女兵士に触れようとした瞬間、体が吹っ飛び意識を失った。


次に目を覚ましたら女兵士が目の前に座っていて、俺は牢屋の中に入れられていた。

周りにも何人か兵士の格好をしたやつが何人か居やがる。

「やっと起きたか。で、君。何してくれやがったか分かっていますか?」

「分かるわけないだろうが。ここから出しやがれ!」

「はぁ~・・・」


何溜め息なんか吐いてやがる。


「じゃあ説明します。まず、あなたのせいで私の休暇が無くなりました。次にあんたのせいで私の休暇が無くなりました。そして最後に、お前のせいで私の休暇が無くなったことだー!!!」


え、それ俺関係無くね?


「隊長落ち着いて、こいつに言ってもしょうがないでしょ!」

「黙れ!軽犯罪なら見逃したのになんで私が見回ってるときに重犯罪やりやがった! 他の奴の時にしやがれ!」

「隊長!いろいろ問題発言だから!軽犯罪も見逃しちゃいけないから!」


下っ端兵士っぽいのが一生懸命宥めている。


「ふー、まぁいいわ。もう休暇戻って来ないし。で、あんたが何したか分かってんの?」

「だから分かるわけないって言ってんだろ、頭イカレてんのかテメー」

「なかなか活きの良い馬鹿じゃない、良いよ良いよ人の休暇を台無しにしてくれたんだからこれぐらい強情じゃないとね」


まったく本当、異世界ってクソだな。こんな意味不明な理由で牢屋とか。


「では馬鹿にも分かるように説明してあげます、あなたスライムを殺したわよね。それも大量に」

「それがどうかしたかよ。たかがスライムだろ」

「自供したわねこの馬鹿。スライムはたかがではありません。国が絶滅危惧種認定をされた世界でもこの町にしかいない保護対象です。そんなことも知らなかったの?」

「はぁ?」


聞いてねぇよ!なんだよそれ!


「なんで異世界なのにスライムが保護されてんだよ!」

「異世界、また異世界ね、なるほどなるほど、はいはいそういうことね」

「なんだよ?」

「あんたが馬鹿な理由が判明しただけよ。気にしないで。ちなみに保護されてる理由は絶滅危惧種だから。分かる?数がそもそも少ないの。スライムは温厚な生き物だからいくらでも簡単に殺せてしまうの。昔はそれこそいっぱいいたみたいだけど」

「んなこと知るかっての。しかもスライムって魔物じゃねーの?絶滅した方がいいに決まってるじゃん」

「魔物は別にすべてが討伐対象じゃありません。温厚なのもいるし、そもそも我々の生活に溶け込んでいる者もいます」

「なんだよそれ、んなの異世界じゃねーじゃんか」

「あんたにとって異世界って相当都合のいい物みたいね。一度あんたらが来た世界見てみたいわ。本当に」

「ていうかもういいだろ、ここから出せよ」

「あんたが殺したスライムの数をまず言って見なさい」

「100匹」

「まずスライムはこの町にしかいないことは説明したわよね。ちなみにこの町にスライムは101匹いました。では問題です。101-100は?」

「1?」

「はい正解です、では100匹も絶滅危惧種をコロコロしてくれた君を外に出す理由をください。もうこれ危惧種じゃないから、絶滅しちゃう種だから」


面倒くさいなー。なんで異世界来てまでそんなこといちいち気にしなきゃいけないんだよ。


「もういい、いいよあんた殺して自力で出るわ」


また手を伸ばし女兵士を殺そうとしたら体が後ろに吹っ飛んだ。


「ぐはっ!?」


何が起きた?


「その手錠は特別式であなたが犯罪を起こそうとするとそれを未然に防ぐように出来てるの。便利でしょう?後私に触れたら何か出来るみたいだけど、その手錠がある限り制御されて使えないから。あんたのお仲間で実践済み」


お仲間って、他にも俺みたいにこっちに来たやつがいんのかよ。本当いい加減にしてくれよ。



「いいからここ出せよ。俺がいればどんなやつでも触っただけで殺せるぜ、役に立つだろう」


とりあえず手錠を外させないとな


「へー、で?」


え?


「いや、でじゃなくて俺の能力欲しいだろう。ここから出してくれたらあんたの好きなときに使ってやるよ」

「いや、いらないけど」

「はっ?」

「はぁ~、もうマジはぁ~だわ。そんな物騒な能力この国でいつ使うのよ。大体触らないと殺せない能力なんてほとんど意味ないじゃん。マジはぁ~だわ」

「知るかよ、あんたが上手く俺を使えばいいだけの話だろうが、早くここから出せ!」

「ではもう一つ質問です、そんな物騒な能力をもった人間をわざわざ解放する頭の悪い馬鹿が何処にいるのでしょう? 正解は君の刑期50年後に」


そう言いながら女兵士は去っていきました。

なんでだよ

なんでこうなるんだよ。

たかがスライムを殺しただけだろう?




今回はスライム大量虐殺回。

いや、なんかスライムって子供が木の棒で叩くくらいでポックリ逝ってしまうイメージが強かったので絶滅すんじゃね?と思って書いてみました。

感想を頂けたら幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ・当たり前のようにありえるけれど無視されがちな異世界の生態系のお話という観点は珍しいと思えた。 ・同時に異世界転移者の思い込みが全体に大変な迷惑を掛けかねないという危険性も良く解る短編だっ…
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