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第8話 ロリ国王の嫉妬

お読み頂きましてありがとうございます。

 今日午後最初の授業は、声の音域の幅を広げるための授業だ。そこで、とんでもないお客さまに会うことになった。マクシミリアン様である。


 マクシミリアン様は、授業を見学するという。いつもなら、騎士専攻か、魔術師専攻をご見学されることが多いのだが・・・。これは、どう考えても僕の顔を見に来たとしか、考えられない。


 マクシミリアン様の前で、マムの口調を再現したら、1発でバレてしまう。今日は、低い音域に挑戦することにした。


「どうしたんだい?今日は、アレやらないの?」


 同じ授業の友達がリクエストしてくるが、絶対にやらない。


「ああ、国王様のように、渋い声もいいなと思ってさ。」


「まあ確かに渋くていい声だよな。まさしく、大人の男性という感じだよな。」


・・・・・・・


 やはり、こちらに近づいてくるようだ。


「君がユーティー君かな?」


「はい。国王様。」


「一度、君と話をしてみたかったんだよ。」


 周囲の友達は、興味深々のようだ。娼館の息子と国王様。興味を引かないほうがおかしいだろう。


「マムとは、どんな関係かな?」


 まさか、一心同体ですとは答えられない。


「気が強い妹みたいな存在ですね。声楽を教えるときは、酷く素直なんですけど。それ以外の時は、物凄く気が強いですよ。」


「そうだろうか?俺には、か弱い存在ように思えるけど。」


「普段は、猫を被ってますからわかりにくいですよね。」


「そうかまだ、本性を見せてもらってないのか。いいな、本当の姿が見れるなんて、きっと、気を許す存在なんだな。」


「そうですか?僕にとっても可愛い妹の方がいいですけど・・・。」


「君は、彼女が好きか?」


「女性としてですか?」


「ああ、従妹なら結婚できるだろう。」


「ありえないですよ。そんなこと、考えられない。」


「じゃあ、俺が貰ってもなんら問題ない?」


「お勧めはしませんがね。」


・・・・・・・


「なんだったんだ。さっきの?」


 マクシミリアン様が離れるとよほど会話に入りたいのを我慢していたのだろう。友達が話しかけてきた。


「うーん、国王様のプライバシーだから言えないな。」


「お前に従妹なんて居たか?」


「うん。居るよ。僕が歌と踊りを仕込んでいるんだ。」


「あ、聞いた聞いたよ。親父に。マムって娘だろ。国王様のお気に入りなんだってさ。何年かぶりの国王様の女性の話題だから、みんな期待しているみたいだぞ。」


 王宮の職員を親に持つ別の友達だ。


「でも、無理じゃないかな。マムは、未成年なんだ。まだ、子供なんだ。しかも娼館の楽士だぜ。とても、妃にはできないと思うよ。」


 絶対になりたくないけど。


「お前、知らないのか?」


「何をだ?」


「亡くなった王弟のラブロマンスを。王弟の場合は、娼館の娘だったそうだよ。」


 え、まさか。母のことなのか?


「名前は、そうドリーって娘だったかな。」


 違うみたいだ。その友達の話では、当時既に王太子だったマクシミリアン様には、侯爵令嬢という婚約者が居たらしいのだが。時を同じくして、王弟に選ばれたのは、娼館の娘だったらしい。


 侯爵令嬢は、殆ど同じ立場に居るその娘に我慢ができなかったみたいで、毒を盛ろうとしたらしい。それが、たまたま王弟の口に入って、暗殺未遂騒ぎ。王弟は辛うじて死ななかったらしいけど。もちろん、徹底的に調べられて、とうとう侯爵令嬢共々、侯爵家はお取り潰しになったということらしい。


 本当は、分家筋が家を引き継ぐということだったのだが、改めて当主候補に娼館の娘に対し、謝罪をするように言うが誰一人として言ったものが居ず、結局、取り潰されたということらしい。


 それ以来、マクシミリアン様は、自分のご友人に非礼を働いた貴族には、土下座を強要しているということらしい。女性不信に、貴族に対する不信か。


 だからと言って、僕に手を出されても困るんだけどな。なんとなく、母の言った大丈夫という意味もわかったけど・・・。


 でも、いまいち信用できないんだよな。とても、2年間大人しく待っているタイプじゃないだろう。でも、兄弟共々、ロリコンだったということか。


・・・・・・・


「国王様って、暇なの?」


「もう、なんてこと言うんだい。この子は。」


「だって、今日は、学園の僕のところへ来たよ。それで、今日の夜も娼館に顔を出すの?国王様の仕事をしてないんじゃないの?」


「ユーティー言い過ぎですよ。」


「だって、気が休まらないんだよ。それに、バレたら余計に女性不信が加速するんじゃない?」


「さては、なにか聞いたわね。」


 僕は、今日友達から聞いた話を母に伝えた。


「そう。だから、リハビリさせてあげなさい。」


「だって、いくら美丈夫でも相手は男だよ。キスされたくないよ。絶対狙われているもん。」


 僕は、思い切って酒を飲まされそうになった件とキスをされそうになった件を話した。


「ほうほう。それは、娼館の主人として申し上げておく必要があるわね。」


 怖いよ。母さん。しかし、マクシミリアン様が一介の娼館の主人の言葉なんか聞くのだろうか。逆に取り潰されたりして・・・。まあ、それは無いか。マクシミリアン様はマムに嫌われたくないだろうし。


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