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第24話 諦めない男

お読み頂きましてありがとうございます。


今日はストックを大放出します。

その後、少し書きため期間を頂きたくお願いします。

再開予定は活動報告にて出させて頂きますので

できましたらお気に入りユーザー登録をお願いします。

 条件とは、場所と逢う人間を指定したのだ。


 場所は、街の喫茶店のオープンテラス、逢う人間は、僕とマクシミリアン様とマイルズさんとロビン先生の当事者4人だ。本当は、母も来たがったが、母には、聞かれたくない内容があるかもしれないから、遠慮してもらうことにした。


 オープンテラスと言っても、人通りからは板一枚分だけ、隔絶された状態だから、視線は気にならない。それでも、板の隙間から人通りが多いことだけは、わかる。そして、マイルズさんが手配したのか、周囲には誰もいない。ただ、各人の紅茶ポットが置かれているだけだ。


・・・・・・・


 久しぶりに逢ったマクシミリアン様は、酷いやつれようだったが、許せないものは許せない。・・・のかなあ。


「久しぶりですぅ。」


 逢ってすぐ、声をかける。あれだけ、逢うのが怖かったマクシミリアン様だったし、許せないのだけど・・・なんとなく、声を掛けてしまったのである。


「ああ、久しぶりだ。」


「・・・・・・・。」


「・・・・・・・。」


 そのまま、沈黙が長い間続いた。


「まさか、目の前で倒れられるとは、思いませんでした。」


 あのときに近くに居たんだ。


「マクシミリアン様が怖かった。いえ、逢うのが怖くて怖くて・・・。」


「なぜですかとは、聞けないですね。原因は、アレですね。あのときは、泥酔状態であんなに飲んだことは、無かったのですが・・・。やはり、嫌われてしまったようですね。」


 マクシミリアン様の理性の紐がゆるゆるなのは、いまさらだ。まあ、あのときは、さらにレベルの違う切れ方をしていたようだが・・・ここで嫌いと言えればいいのだけど・・・今の僕は、その気持ちもよく解かるから・・・言えないんだよね。


「あのね。本当のことを言うとマクシミリアン様が壊れるかもしれないけど、言ってしまいますね。あのとき、キスをしていたのは、ここにいらっしゃるロビン先生なのですぅ。」


「なんと・・・。本当ですか?」


 視線がロビン先生の方に向けている。ロビン先生は、頷いてくれた。


「あのとき、見ていたのでしょう?相手をようく思い出してください。」


「あっ・・・・。」


 そこからまた、長い沈黙が続いた。


「先生は、緊張している私におまじないをしてくれたのですよ。ただそれだけ。」


 1つだけ、嘘をついたが真実を知らせる必要は、無い。


「がーーーーーーー。」


 マクシミリアン様は、頭を掻き毟り続ける。


 そして、椅子から倒れ崩れた。とっさにマクシミリアン様の身体を支えた。意外にも、触っても嫌悪感は無い。冷や汗も出ない。僕も倒れない。


「マイルズ様、おそらく、母がしばらく出入り禁止にしたままにすると思いますが、暫くお待ち頂けますか?」


「ああ、わかった。」


「それから、暫くは、マイルズ様が防波堤になって頂けませんでしょうか。」


「うん。嫌がられても来るよ。絶対。」


「今度は、マクシミリアン様を除いて、3人で競演しましょう。」


「ああ、楽しみにしておくよ。」


・・・・・・・


「陛下を許せるのね。」


 意識を取り戻したマクシミリアン様をマイルズさんが支えるように、馬車に乗り込み帰っていった。


「そうですね。僕も男の子ですから・・・。」


 そうロビン先生を見つめて囁いた。


「そうね。そうだったわね。」


 研究室でのことを思い出したのか。真っ赤になった。


 それから、数日が経過して、母が許可を出したらしく。マクシミリアン様が来られたときには、マイルズさんの演奏でロビン先生と共演できてとても楽しかった。


 マクシミリアン様は、僕の条件にさらに母の条件まで飲んだらしく。娼館のすみっこのほうでジッと僕たちの方を伺っている。しかも、傍に居るのは、マーガレットさんだ。マーガレットさんにしな垂れ掛かられて強張ったマクシミリアン様の顔を時折みては、溜飲を下げた。


 あのまま、マーガレットさんと関係を持ってくれれば助かるがそれは無理そうだ。


 そんなことが、何回か続き、とうとう、マクシミリアン様をお相手することになった。


「ようこそ、お越しくださいました。席は、こちらです。」


 マクシミリアン様との関係も始めからやり直しだ。


 玄関にいらっしゃったマクシミリアン様の手を引きながら席に導く、しかも懲りてないのか手をぎゅっと握り返してくる。


 席には、既にウォーレス伯爵、ロビン先生、マーガレットさんに数名の娼婦のお姉さんたちにハリセンを持った母が待っており、マクシミリアン様とマイルズさんを一番奥に押し込んだ。もちろん、僕の席から一番離れた位置だ。


「2人っきりでは、ないのか?」


 いったい、どの口でそう言うのだろう。


「嫌われたものだのう。」


 開口一番、伯爵がそう挑発する。


「うっ。」


「もう、諦めたらどうだ。」


「マムとの関係がゼロなら、あとは上げていくだけなんだから、地道に行くよ。」


「マイナスですぅ。」


 僕は、そうボソっと呟いた。マクシミリアン様から諦めてくれないかぎり、僕たちの関係は、無くなりそうにない。マクシミリアン様さえ諦めてくれれば・・・伯爵には、悪いが引退も簡単だ。


「うっ。・・・それでもだ。」


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