1-0 おじいちゃんは元気!!
現在2099年である。
都会の景観は高層ビルが多く立ち並び煌びやかで美しい…それだけだ。
超高齢社会そんな中で高齢者らが遠慮せずに外で様々な個性を披露している
「ワシは、どこまででも進んでいけるぞ!がははははは~」
今都会の大通りで話しているこの高齢者は鈴野疾哉外見は白髪を染め髪型が若者以外はごくごく普通の86歳である。ここまで元気な老人もなかなかいないのだが彼には少し困ったところがある。
「うぬぬまた誰かがワシをつけている。こりないやつらだ」
本当にこの老人が付けられている?あるわけないだろう
では、なぜこんなことをしているのか?答えは簡単である。そう彼は
『少しおかしい』のだ。
しかし、簡単とは言ったもののおかしいという言葉がこの老人に当てはまるかは、はたまた疑問である。その為この世界ではその言葉をこれからは使わないことにする。
「鈴野さんや、あんたはどうしてそんなに元気が良いのかね~」
(まあ元気すぎる気がするが)
今話しているこの老人は鈴野と同い年で髪は老人らしく真っ白普通の高齢者宮原武史である。
「何を言うか宮原さん明日は待ちに待った2100年この日を何年待っていたことか!」
「それはわかっておるが何故そこまでして2100年を待っておるのかワシにはさっぱりわからんぞい」
(どうせ変な理由なんだろ)
「なんだ宮原さんその変な人を見るような目は!!ってまあ~そうだな言ってやろう理由は………明日2100年に世界を滅ぼし新たな世界を創るため宇宙人が来るのじゃよ」
「宇宙人?そんな者とうの昔に否定されたじゃろ」
「そんなこと知ったものか来ると言われてるのだから来るのじゃよ今度こそきっとな」
「そうかい」
鈴野は興奮しながらも少し俯いていた。しかしそれもほんの一瞬だけで直ぐに鈴野は宮原の方を見て言う
「明日は明日今日は今日2000年代最後の日を楽しもうではないか宮原さんや、では行こう『サイキックス』をやりに」
「こんな真昼間からですか鈴野さんは飽きませんな~全く……いいですよ行きましょう」
サイキックスはバーチャルゲームなのだが特徴は自分で動いて目の前の敵を倒す。
鈴野は熱く語る
『このゲームの良いとこはな攻撃名が自分で決められる。何より自分の手を使い超能力を使えることだ。使いこなせば自分で作ったわざを組み合わせて強力なわざをくり出せる。まぁいわゆる必殺技じゃな!!こんな楽しいゲーム今までなかったわい!』
場所が変わりここはゲーム場、料金はそこそこ高いのだがもちろん彼らには関係ない
「これで終わりじゃ!!アレアヒューザー!」
轟音が鳴り響き戦闘は終わった。
「ハァハァハァ歳をハァ忘れてしまったわいははははゲホッゲホッゲホッ…なぁそうじゃろ宮原さんや」
「直ぐに次出す技の名前が出てくるのに歳は忘れるんですか、そうですか…では鈴野さん帰りましょうか」
「宮原さんどうしたんじゃそんなにつまらなさそうな顔をして、もしかしてまだやり足りないのか」
「そんなことあるわけ無いじゃろ別になんでもないですよ帰りましょう鈴野さん」
(あんたが一人で全部倒しちゃったからじゃよこのクソが)
「そうか?まぁ帰るかの」
そう言って歩き出した時だった
『ウッ!?』
鈴野は胸に激しい痛み感じ直ぐに意識を失い床に倒れ込んだ
「鈴野さん?え?ええ??鈴野さん!?」
突然のことで何が起きたのかわからず愕然と立ちすくむ宮原
店員がすぐにかけよってくる
「救急車救急車!!」
鈴野の意識が戻らないまますぐに救急車が来た。状況が飲み込めてきたのか鈴野に呼びかける宮原
「鈴野さん!明日はもう2100年ですぞ!早く目を開けないと来てしまいますぞ!!」
救急車の中で鈴野が起きそうな事を言っていた宮原だがその甲斐なく鈴野は目を開かないまま病院についた。
鈴野は手術室に入っていった。