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勇気の結果とその代償
弾丸が銃身の中で高速のスピンを加えられ銃口から飛び出す。
普通ならその弾丸は中距離の的に当たり、的を破壊する。しかし、そのスピンを加えられた弾丸はほとんど空気に触れることなくすぐに僕の手のひらを裂き、腕の中を通り抜け肩を吹き飛ばしていった。
左手は原型を留めていない。僕は痛みに絶叫した。
すぐに隊長は取り押さえられ、スポーツサングラスの男が僕に駆け寄ってくれた。
僕のバンダナを取って肩にきつく締めて止血する。
「見るな!!傷口を見るんじゃない!大丈夫だ!絶対に助かるからな!」
僕はあまりの痛みに気絶した。疲れもあったし、かなり衰弱している状態だったのもある。
遠くでスポーツサングラスの男の声が聞こえる。何を言っているのか分からない。
勇気には結果というものがつく。良かれど悪かれど結果がつくのだ。
そして普通の人がしないことをしてしまうことには善悪関係なく代償を伴う。
その結果や代償を恐れていては何も得るものはない。人間が進歩をするには勇気が必要である。