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エキップテクノロジー   作者: RED
序章 失う
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信頼性のない空間

三時間程山道を進んだ。ここらの気候は雨が降りやすく、地面は水分をすぐに吸収し蓄えるためにジメッとしている。その為に今の時期の夏場は僕ら兵士にとってとても最悪なコンディションで探り合いをしなければならない。



隊長が腕を上にやってグルグルと回した。敵がいるから伏せろ、という合図だ。


皆音を立てずにその場へ伏せた。


鼻先にはドロの臭いや草木、昆虫の臭いがする。僕達には人数も弾薬の数も限られている。無駄な戦闘は避けたい。



僕たちの前に銃を持った複数人の人間が通る。僕の顔から数センチ離れた場所に足がつく。踏まれそうになるも、動いたら見つかる。敵の数は足音からして10人以上…。数こそ勝っているもののこの疲労だ。バレたら終わりだ。


さらには基本的に僕たちみたく一列縦隊の隊列の組み方は山道ではしない。獣道で銃撃されるとドミノの様に殺されてしまうからだ。周りにもいるかもしれない。僕の心拍数は上がりアドレナリンが脳から吹き出て五感は更に神経を削りながら鋭くなる。


「んっ」


一人の少年兵がある事に気付いた。


全身赤の奇抜な格好に梟〚フクロウ〛の紋章。少年兵狩りだ。狩りと言っても少年という幼い僕たちを探して見つけたら引き取って里親を探してくれる団体〚CSG〛なのだが、反政府軍としては戦力である少年兵を取られては面白くない。


だけど、僕たちは見つかる事を願った。


民兵が声を出した少年兵の口を押える。今立てば見つけてもらえる。だが、民兵に殺されるかもしれない。少年兵と民兵の間には<疑心暗鬼>という言葉がぴったりな空気が立ち込める。

学校や会社でこの人は自分の事を嫌いなのではないか?影で悪口を言ってるのでないか?そんなことを思うときがある。逆にこの人は嫌いだ、とかこの人はここが嫌いだと友人とその人がいないところで言ってしまうことはないだろうか?自分が嫌いだから向こうも自分の事を嫌っていると思い込むこともある。

でも向こうが必ずしも自分の悪口を言っているだとか嫌いだとかそういう確実性は全くない。

こんな水面下で起こる小さな疑うという事を人は疑心暗鬼と呼ぶのだ。


人間だもの好き嫌いはある。しかし、人の良いところを探すのが人には大切なことだと思う。真の悪い人はいないのだから。

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