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エキップテクノロジー   作者: RED
第一章 代わり
14/20

一転

頭がフワフワした感じに包まれていく。


「完りょ…」


薬を入れ終り、針を抜こうとした瞬間だった。


地震の様な強い揺れと爆音が下の階から伝わってきた。


フワフワした感じがいっぺんして、引き裂かれるような痛みに変わった。


「!?」声すら出ないまま僕は痛みで台から落ちてしまった。


「ああ…全て投与してしまった・・・。」


父は思わず全ての薬を打ってしまったらしい。とても青い顔をしているのが見えたがそんな暇ではなかった。


突如警報が鳴り響いた。扉が荒々しく開かれた。


「社長!!テロです!この会社の一階が爆破されました!銃火器を持ったテロ犯がこちらに向かっています!避難しましょう!」


父はうろたえながら僕を抱えた。


「分かった!案内しろ!」


エレベーターが止まってしまった。

父は研究員達と走って屋上へ向かっていた。


「すまない、量を通常の約3倍打ってしまった。これから中和剤を打つから体に薬が回らないようあんまり動かないでくれ!」


痛みはだいぶ薄れたが身体が滅茶苦茶に熱かった。焼けるようだった。


だがいう事聞かなければ死ぬ。言う事を聞くしかなかった。



階段を父が駆け上がる毎に熱い何かが体全身に回っていくのを感じた。


冷や汗を掻き、吐き気を催していた僕は必死に体の動きを抑えようとした。



父は僕に何か説明した。なかなか聞き取れない部分があったが必死に耳を傾ける。


「第3地区の過激派だ…。奴らここの製品や実験段階の新兵器を奪おうとしているわけだな…。」


父は顔が蒼白になっていた。それでもなお全力で

走っていた。



ここもか……。僕の居場所には常に人間の私欲と死神がそこら中に漂っている。

この前は思想の違い。今は富裕層と貧困層の格差の違いってところだろうか。

彼らも富裕層と同等の[力]が欲しいのだろう。


「お父さん……新兵器って……何ですか…?」


僕は父の気を紛らさせる為に質問をした。


「……生物兵器と歩兵の為の補助スーツだ…」

初めて聞く兵器の種類だ…。生物兵器ってことは生き物を使った兵器なのか……? 補助とは?


「盗られると……どうなるんですか……?」


「ここにあるのは試作品で盗られても奴らには使いこなせないから大丈夫だ……それよりジョン…大丈夫か?」


僕の顔色を伺っている。体の熱も何処かに行った様に消えていた。


「あ、あれ……なんともないです……」


父はホッと胸を撫で下ろした。


「取り敢えずは大丈夫だな……」


四階ほど上に上っただろうか。前の研究員の一人が止まった。

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