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配属

 ある時期を境目に人類は二つの種類に分類されることになる。


 一つは、ただの人間。


 そしてもう一つは『ただの人間』の領分を遥かに越える力を持った特殊能力保持者。


 後者は「不規則であるもの」、「特異なもの」という意味を込めて「イレギュラー」と呼称されるようになる。


 そして特殊能力者の登場とともに発生し始めたのがイレギュラー犯罪だ。

 特殊能力を悪用する犯罪者に対して、ただの人間だけで対抗するには限度があった。

 ゆえにイレギュラーを導入した警察内の組織が結成されるのにそう時間は掛からなかった。公務員だけでなく、民間からのスカウトをスタートさせたことでその組織は次第に成長し、イレギュラー犯罪と対等に渡り合えるだけの実力を兼ね備えるようになる。


 警察庁対特殊能力者鎮圧機動係。


 通称、特機。


 それが組織の名前である。



「えーっと、篠崎桜しのざき さくら様でいらっしゃいますね。お待ちしておりました。こちらにどうぞ」

 よく晴れた五月のある日、篠崎桜は東京都千代田区内にあるビルを訪れていた。

 自動ドアの入り口を潜り、受付で名前を告げたら案内役に言われたのがこの台詞だ。一階の奥にあるエレベータに乗り込んで五階へ。


 ポーンという電子音と共にエレベータは停止して、扉を開けた。目に飛び込んできたのは大型ディスプレイに記された「五階 特殊能力者鎮圧機動係 第一〜三課」という文字だ。


 案内役に続いて昇降機から下りた桜は追随する形で廊下を進んでいく。暫くすると低い壁で区分けされている部屋に辿り着いた。


 「三課」と天井から下げられているプレートを見ながらずいずいと進んで行く。この区画に存在しているのは五つのデスクだ。内、四つは二組が向かい合う形で配置されており、さながら子供向け玩具のブロックの塊のようでもある。

 残りのデスクは区画の奥にあり、窓ガラスに一番近い場所にあった。そこではスーツ姿の男性が何やら書類業務を行っていたらしく、受付が近づいてきたのを察知すると動かしていた手を止めて柔和な笑顔を浮かべた。


「鳳課長、篠崎桜様をお連れしました」

「ご苦労様。あとはこちらで指示しますので戻ってもらって結構ですよ」

「はい。それでは失礼します」


 桜を残して案内役は踵を返して戻って行った。そうなると急に自分が孤独になったような感覚がして桜は少しの不安を覚えた。何せ、ここから桜にとっての新しい生活が始まるのだ。

 そんな緊張を察知してか、鳳と呼ばれた男性は口元に自然な笑みを浮かべたまま挨拶をしてきた。


「初めまして、篠崎桜さん。私はこの三課を任されている鳳真琴おおとり まことといいます。初めての職場で緊張されているかもしれませんが、どうぞ気負わないで下さい」

「は、はい。ありがとうございます」


 勢い良く一礼したせいで、危うく真琴の机に頭をぶつけそうになる。一人で勝手に恥ずかしくなりながら顔を上げると真琴は変わらずにニコニコと笑顔を浮かべたままだった。


「……あの、他の方達は一体」

 この三課の区画に入った時に感じたことだが、机や備品が配置されているもののそれを扱う人が一人もいないのだ。つまり、三課には今の所真琴しか姿がないことになる。


「彼らは現在事件の捜査中でして」


 真琴は左手の時計を見た。今時珍しい、ねじ巻式のアナログ時計だ。


「ただ、そろそろ帰って来ると思いますよ。……お、来た来た」


 真琴の視線に合わせて桜もそちらの方向を目で追う。すると自分が入ってきた区画の入り口に近づいてくる三人分の姿が見えた。一人はトレンチコートを羽織り、片手で缶コーヒーを煽りながら隣の眼鏡の男性になにやら小言を呟いてる。


「まさか氷の塊をぶつけられるとは思ってなかったぜ。咄嗟に避けていなかったらやばかったかもな」

「だが無事に確保出来たのだろう? 警官、犯人ともに死者は無し。良いじゃないか、平和に終わらせることが出来て」

「確かにそうかもしれないけどよ……もうちっといたわってくれてもいいんじゃねぇの?」

 すると二人の少し後ろを歩いていたポニーテールの女性が提案する。

「じゃあ、無事に事件が解決したことを祝って焼き肉でも食べに行きませんか! 私もうお腹ぺこぺこなんですよ」

「遠慮しておく」

「右に同じく。大体乙葉よぉ、お前飯食いに行くと大抵他の奴の分までかっさらっていくじゃねぇかよ。却下だ、却下。食べたきゃ一人で行くんだな」

「そ、そんなぁ……」


 男性陣二人の即答に女性の方はがっくりと肩を落とし、酷く落ち込んだようだ。

 ちょうどそのタイミングで三人は立ち止まった。俯いていた女性の方はワンテンポ遅れることになったが、桜と目線が合う。


 三課にいる知らない人物を見てまず声を上げたのがトレンチコートの男だ。


「真琴、誰だその子」


 答えたのは真琴では無く、隣の眼鏡男だった。


「昨日言っていただろう、新人が配属されると」


 眼鏡男が視線を真琴の方に向けると笑顔のまま首肯が返ってきた。


「これから共に仕事をすることになる同僚です。まずは自己紹介を」


 真琴に促されぴくっと肩を震わせた桜はがちがちに緊張しながら第一声を発した。


「本日付けで特機三課に配属された篠崎桜といいます。よろしくお願いします」


 体の震えが声に出ないか心配したが、杞憂に終わったようだ。曲げ過ぎではないかと思うくらい腰を折り、頭を下げる。

 頭を上げると、トレンチコートを着た男が手をひらひらと振っているのが見えた。


「まぁそう固くならないで気楽にやろうぜ。俺達がここに来た時もそう教わったし。……あぁ、俺は竜胆武二りんどう たけじ。んで、こっちの眼鏡が」

新島幸盛にいじま ゆきもりだ。よろしく、桜さん」


 良かった、二人とも良い人そう……などと思っていると急に両手を掴まれた。ぎょっとして掴んでいる手の主を見ると、さっきまで武二と幸盛の後ろにいた筈の女性がいつの間にか桜の正面にいた。

 じーっと、下から桜の顔を覗き込んでいる。その瞳は何故か輝いているように見える……が何故こんな行動に出たのか桜はさっぱり分からない。


「あ、あの……」

「……あなた、後輩」

「はい?」

「つ、ついに……私にも後輩が出来たぁー!」


 握っていた両手を話して思い切り腕を天井に突き立てる。胸を反らして体を使って喜びを表現している様はまるで子供のようでもある。

 はぁ、と溜め息をついた武二が脳天にチョップをお見舞いした。


「ぬぁッ!」


 妙な叫び声を上げてうずくまったところを武二が確保。勝手な真似を起こさないように肩をホールドして拘束する。


「浮かれてないで、ほれ自己紹介」

「うぉ…………に、西之宮乙葉にしのみや おとはです。今後とも、よ、宜しくね」


 頭の痛みが響くのかえらく覇気のない声だったが、名前を聞き取ることは出来た。武二も乙葉の拘束を解いて腕組みする。痛みに堪え兼ねた乙葉は頭をさすりながら武二と幸盛の後ろへすごすご戻っていった。


「すまんすまん。三課の中で一番後輩だったのがコイツだったもんでさ。それで新入りが来るって聞いて昨日から興奮していたんだよ。悪い奴じゃないからさ、許してやってくれ」

「は、はぁ……」


 桜にとって警察官と言えばかなりお固いイメージがあったが、随分と個性的な人がいるのだと認識を改めなければならないようだった。


「さて、各々自己紹介が終わったところで桜さんの役職を決めなければなりません」


 ぱん、と手を打ってから切り出す真琴。それを聞いて場の雰囲気ががらりと変わるのが桜には感じ取れた。こうして部下の意識を改めさせているあたり、真琴のリーダーとしての素質を垣間見たような気がする。


「役職、ですか?」

「はい。三課のメンバーは各々役職を持っています。武二さんと幸盛さんはイレギュラー犯と直接交戦し、確保を行う『戦闘員』。乙葉さんは一番最初に事件現場に急行して規制線を設ける『初動』の担当になっています」

「因みに真琴は三課の作戦を決定する『指揮』。それからどんな状況にも臨機応変に対応する『遊撃』担当だ。見れば分かると思うがな」


 話している当人のことが抜けていたので武二が補足説明しておく。


「まぁ、決めると言っても形式だけですから。既にどんな仕事をするのかはこちらで決定していますので、それをこれから通達するということになります。……では、これを」


 真琴は机に置いておいた茶封筒を手に取るとそのまま桜に渡した。

 中身にはある程度の予測が付いたが、いまいち確証がない。アイコンタクトで真琴を伺ったら表情を変えないまま頷かれた。空けても大丈夫、という意味だろう。


 軽く糊付けされていたそれをぱりぱり剥がして中身を確認する。予想通り、そこには幾枚かの書類が纏められており一番先頭のものは「辞令」と題されている。


 その内容は以下のように記されていた。



 名:篠崎桜

 貴官を警察庁対特殊能力者鎮圧機動係第三課に配属することをここに決定する。

 貴官の担当役職は「通信」及び「戦闘補佐」とする。

 以降、第三課長の指示を待つこと。



 A4サイズの用紙に書かれていたのはそれだけで、残りの紙束は特機に関するマニュアルのようだった。

 だがそんなことより気になったのは自分の役職だ。

 桜は自分の能力の概要については、はっきりと認識している。ゆえに通信という仕事を割り当てられたことには納得がいくが、戦闘補佐というのはどういうことなのだろうと疑問を抱かずにはいられなかった。


「これが私の役職?」

「えぇ。通信については説明不要でしょう。三課のメンバー同士のやりとりを受け持つ、それが仕事内容です」


 真琴の表情は相変わらずだ。ニコニコと微笑みを絶やさずにいる。

 だがそれだけに真琴が一体何を考えているのか桜にはさっぱり見当がつかない。と、するとこの笑顔も実は偽物で真琴の意思に左右されているのではないかと思ってしまう。


「しかし、この戦闘補佐というものが分かりません」

「先程武二と幸盛が戦闘員だということは説明しましたね。あなたの能力を使って二人のサポートをしてあげて下さい」

「あの、この職を申告した際に私の能力は戦闘向きではないと記載したはずなのですが」

「ですから、『補佐』としたのです。……大丈夫ですよ、仮にあなたが実際に戦闘の現場に立ったとしても切り抜けられると判断した上での決定ですから。それに」


 真琴はちらりと武二と幸盛の方を見た。


「自慢じゃないですが二人は強い。あなたのこともきっちりカバーするだけの実力を持っています。ですからどうか安心して仕事に望んで下さい」


 言い切られてしまった、そう考える間もなく桜はしぶしぶ頷いてしまった。


「では桜さんは空いているデスクを使って下さい。基本的に好きにして構いませんが……」


 真琴の表情が変わる。


 その視線の先には向かい合わせになっている武二と乙葉のデスクがあるわけだがそこに乗せられているのはどう考えても業務とは無関係なものばかりなのだ。


 武二の机の上にはどういうわけか映像の再生機器と天板からはみ出そうな程の大型ディスプレイ。乙葉の机の上に至ってはどういうわけか近場のグルメ情報を纏めた雑誌に、道着、そして極めつけは食べかけのたこ焼きの箱が十数個は重ねられていることだった。


 唯一まともなのは武二の隣の幸盛の席だ。小綺麗に整頓されている。


「あそこまで行かないように、お願いしますね?」

「り、了解しました」


 この時ばかりは真琴も苦笑顔。出会った瞬間に個性的と分かるメンバーを纏める真琴は苦労しているに違いなかった。



「じゃあお好み焼きを食べに行きましょう!」


 桜が席に着いて十数分後、真琴から受け取ったマニュアルに目を通している時にそんな発言が聞こえてきた。


 声の主は桜から見て左隣に座っている乙葉だ。残っていたたこ焼きをはぐはぐと口の中に放り込みながら向かいの武二と何やら言い争っている。


「だから、食べに行かないって言ってるだろうが」

「なんでですか!? せっかく可愛い後輩が職場に来たっていうのに歓迎会の一つやらないなんておかしいじゃないですか!」

「じゃあ一つ聞くがそう言う乙葉は今日中に仕上げる書類、終わってるのか?」


 うぐ、と乙葉の言葉が詰まる。

 桜の席からちらっと見えたが、会話に出てきた書類とやらはグルメ雑誌の山に押しつぶされている。


「せめて書類の一つ書き上げてから言ったらどうなんだ?」


 うぐぐぐ、と乙葉のうなり声が大きくなる。

 武二は乙葉が諦めたように見えたらしく自分の書類業務に戻って行った。


「……桜ちゃん」

「は、はい?」


 機能停止したロボットのような乙葉の首がぎぎぎ、とこちらを向いた。


「食べに行きたいですよね、お好み焼き」


 返答に困った。


 一応、武二と乙葉のやり取りを聞いていなかった訳ではないが果たして自分が口を挟んで良いものか……。


 などと考えていると突然肩を万力のような強さで握られた。


「せ、先輩?」

「行きたいよねぇ……?」


 その時正面から見た乙葉は、まるでシマウマを追うライオンのような狩りをする者の目に似ていた気がする。


 本能的に危険を察知した桜は冷や汗を掻きながらぶんぶんと首を縦に振った。


「よし……後輩の頼みとあらば仕方がない」


 乙葉はなにやら覚悟を決めたらしく、ぼそりと呟くと下敷きにされていた書類の束を引っ張り出して机の上に広げる。引き出しの中からペンを取り出すと……。


「後輩と行くお好み焼きのために、いざ!!」


 「紙の上でペンが踊る」という表現はこういう時に用いるのだろう。桜にそう思わせるような手さばきで乙葉は業務を開始していた。


 唖然とした表情でしばらく乙葉を見つめた後、武二にそっと聞く。


「あの乙葉先輩のこれは……」

「気にしない方がいいぜ。食に関した時の乙葉ほど面倒な奴もそうそういないからな」


 とんとん、と自分の書類を纏めた武二は席を立って真琴にそれを提出した。

 それから彼と何やら一言二言交わすと自分の席まで戻ってきて、椅子の背もたれに掛けていたコートを取って羽織った。


「桜、マニュアルには目を通したか?」

「一通りは」

「んじゃ、行くぞ」

「行くって、何処にですか?」

「事件現場」



 特機が配置されているビルの地下には駐車場があり、捜査員が使用する車両が規則正しく駐車されている。

 何処にでも走っていそうな、という表現が一番似合うセダンタイプの車両に乗り込んだ桜は助手席でシートベルトを締めながら運転席に腰を下ろした武二に聞く。


「なんでいきなり事件現場なのでしょう? 新人にはもっと地味な業務を回されるとばかり」

「まぁウチの部署はかなり特殊な位置付けにあるからなぁ」

「特殊な位置付け?」


 おう、と返事しながら武二もシートベルトを締める。

 駐車場に来るまでに買っておいた缶コーヒーをコートのポケットから取り出すと車のホルダーに収めた。


「一応、特機は警察庁って名目になっているが実質はほぼ独立した機関とも言える。用は世間体の問題さ。能力者戦闘部隊、なんて物騒な名前にしちゃ色々とうるさいのさ。だから慣れ親しんだ警察の名前を借りてる」


 武二はプルタブを捻って蓋を空けると中身を一気に煽った。


「そんな訳で、組織の構造も警察からはかけ離れている。新人だろうと誰だろうと能力があるのならば仕事を回す。それが特機って奴だ」


 まぁ、今回は事件の事後調査でチュートリアルみたいなもんだ、と武二は軽いフォローを入れておいた。


「出すぞ」


 エンジンの掛かった車はするりと地下駐車場から出て道路を進み始めた。


 しばらくすると街の動脈とも言える大通りに出た。数多の車が左右を走っていく中で桜はじぃっと外の景色を眺めていた。

 横から武二の声が掛かる。


「緊張してるか?」

「してない、と言えば嘘になりますね」

「気持ちは分かる。新しい環境。新しい人間関係。新しい仕事。新しいことばかりで戸惑うのは間違いない。でもまずは自分の出来ることだけを考えて、最善を尽くせ。慣れるのはそれからでいい」

「は、はい!」


 先程の会話を聞く限り、この武二という先輩もかなり個性的な面を持っているようだったがやはり先輩の風格はあるのだと桜は素直に感動した。でなければこんな台詞が呼吸するように出てくるはずもない。


「と、まぁ真面目なことを言ったわけだがこれは俺の言葉じゃない」

「へ?」


 思わず拍子抜けする。


「俺が特機に入った時に先輩から言われたことさ。ちょうど今のお前さんみたいに右も左も分からない時に、こうやって言葉を投げかけて緊張をほぐしてくれたんだよ。それがあまりにも自然だったから、後輩が入る度に同じ台詞を吐いてる」

 すらすらと言葉が出てきたのは何度も同じことを言っていたからか。

「じゃあ、竜胆先輩の更に先輩という人は?」

「今はもう特機にはいない。だから俺が代理ってわけ」


 ハンドルを握りながらコーヒーを煽ると、「ようし無駄口もここまでだ」と話題を変えた。


「これから俺達は仕事をしに行くんだからな。まずは事件の概要からだ。そこの送信機から情報をダウンロードしろ」


 言われた通り、支給品として此処に来る前に渡された携帯端末を取り出し資料データを受け取る。


「事件が発生したのは昨日の午後六時頃。利用者が少なくなったアネックス銀行三十四号店に武装した銀行強盗五名が乗り込んだ。目的は現金の強奪。この時強盗は窓口銀行員を一名射殺してから逃走を図ろうとしたが、通報で駆けつけた機動隊がこれを確保する」


 ここまでなら特機の出番はない。

 だが、特機が招集されるからには必ずイレギュラーが関係してくる。


「本来ならこの時点で五人全員を確保出来たんだがなぁ……強盗の中に一人イレギュラーが混ざってやがったのさ。能力を使って三人が脱出。そのまま車を奪って市街地外れの工場区画に逃げ込んだわけだ」


 そこからの顛末を誰よりもよく知っているのは武二自身だ。

 幸盛と共に工場区画に乗り込み、無事残りの強盗犯を確保している。


「これからやるのは強盗事件が発生した銀行での言わば『事後確認』ってやつさ。そこからイレギュラーに関する物証を集める。四課の連中と一緒にな」

「四課?」

「あぁ。イレギュラー犯罪専門の鑑識課だよ。どんな奴らかは行ってみれば分かる。そら、もうそろそろ付くぞ」


 携帯端末の画面から顔を上げた桜の視線の先にあったのは、見るも無惨な姿に変わった銀行支店の「跡地」だった。



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