エピローグ
AIにアイリーンを書いて貰いました。
あのお化け屋敷、もとい、受験まで過ごしたあの屋敷は実は別宅というより、本当にロエミアル商会の商品開発の場だった。二階に行くなと言われていた理由は、そこのアイリーンの知った顔の人物が沢山居た為。
ハグラーが捕まった事で、リチャードは『ロエミアル商会』を元の『ライアン商事』に戻した。
実家もオブライエン家の持ち物と公表され、ランバーグ専門学校の入学前の今はこの懐かしい家で過ごしている。勿論、バーサも一緒に。
「お父さんたち、ハグラー叔父さんが捕まるまで正体を隠していたわけね。でも、バーサは知っていたのでしょ?」
「えへへ。知っていましたよ、お嬢様」
「もう、お嬢様は止めてって言ったでしょ」
ニヤ付くバーサにアイリーンは頬を膨らます。
「それにしても驚いた。だって、ハグラー叔父さんが追い出した使用人たちが全員揃っているんだもの」
「昔と同じで嬉しいでしょ」
バーサの問いかけにアイリーンは頬を赤らめて頷く。
「おーい、嬢ちゃん、みそ田楽ってのを作ってみたんだ。味見してくれねえか」
突然、背後から皿を抱えたコックがアイリーンを呼び止めた。更には串刺しになった豆腐に味噌がかけられていた。
「あらジグさん。本当だね。豆腐も味噌も完成したんだね。お味は……(もぐもぐ)うん、最高!」
アイリーンは親指を立てた拳をジグに突き出した。
「これもお嬢から教えて貰った醤油レシピのお陰よ」
ジグはへへんと鼻下を擦る。
「あんなのあげちゃえばよかったのに。じゃあ、やめさせられずにすんだよ?」
「いやいや、嬢ちゃんのレシピをあんなじじいに渡すわけにはいかねえ。料理人にとってレシピは命と同じくらい大切なものだ」
ジグはスタンリーの元で、アイリーンから貰ったレシピで醤油を完成させた。その醤油のレシピをスタンリーから迫られたわけだが、断固として断ったジグは解雇されたという訳だ。
そして、これまたフィリップに拾われ、副料理長としてオブライエン家で腕を振るっている。
「お陰でのびのび新しい料理を作らせて貰って俺は幸せだぜ」
そう言ってジグもみそ田楽を頬張りながら手を振って去って行った。
また、スタンリー家で一緒にスカラリーメイドとして働いていたナンシーも、なんとここでキッチンスタッフとして働いている。
アイリーンと仲の良かったナンシーが様々な商品のレシピの事で、スタンリーから脅迫されるのを懸念したフィリップが先に手を回してくれたのだ。
「そろそろできているかな?」
「うん、楽しみだね」
アイリーンとバーサがキッチンを訪れると、真っ白いコックコートと三角巾を頭に被せたナンシーと、元アイリーン付きのメイドだったエミリーも首を長くして二人を待っていた。
ナンシーの三角巾から少しはみ出るオレンジベージュの髪が美しく光っている。
「もう焼き上がるからね」
「もう、待ちきれない、ワクワクしちゃう」
バーサは噂に聞くプリンに初めて出会えるので居ても立っても居られない。
「さあ、出来たわよ」
ナンシーはオーブンからホカホカに湯気の立ったプリンを取り出した。
僅かについた焦げ目に、甘い香り、それにプルプル揺れる柔らかさ。
「これがアイリーンの言っていたプリンなのね」
バーサは目を泳がせる。
「有難うナンシー、プリンを作ってくれて」
「いえいえ、だって私もバーサと仲良くなりたかったんだもの、それに……」
「それに?」
ナンシーは視線を床に落として口を尖らせる。モジモジさせている手が何ともいじらしく感じさせる。
「二人とも来週にはランバーグ専門学校に行っちゃうでしょ?」
ランバーグ専門学校は寮生活なので長期休み以外はここに返って来られない。
「ちゃんと手紙書くから」
アイリーンはナンシーの手を取りじっと目を見つめる。
「ふわぁぁ、温かくてあまーい」
シリアスな場面の横で奇声が聞こえる。
「あ、バーサったらつまみ食いをしてる。それ冷やした方が美味しいんだよ」
顔をあからめ目尻を下げているバーサに、アイリーンは腕組みをして頬を膨らます。
その様子を見ていたナンシーはクスっと笑みを浮かべた。
「ねえ、バーサ。アイリーンが忘れていたらちゃんと叱ってね」
バーサは嬉しそうにモグモグさせながら、親指をピンと突き立てた。
「はい。学校のお目付け役として雇われた私にお任せを」
「もう、お目付け役じゃなくてお友達でしょ」
三人は顔を見合わせて笑い出す。
「向こうに行っても沢山のいい匂いのするハンドクリームをナンシーに送るわね。なんせ、私は『素敵な香りを世界に届ける』女の子なんだから」
fin
最後まで読んで下さりありがとうございます。
これでこの物語は完結となります。お付き合いを有難うございました。
またの出会いがありましたら、宜しくお願い致します。




