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王子を引き渡すまで


「これだけ身分のある人間だから、きっと辺境伯様あたりの客分として来ている可能性が高い。だとすれば、もう捜索隊が出ていると思うから、ちょっと調べて来る。お嬢、留守を頼むぜ」

ラルクが馬を走らせている間、私は王子様の寝顔を見つめていた。

綺麗な顔だな。山猫みたいな毎日を過ごしている私より肌もずっと白くてきめ細かい。

ふと自分がこの王子様にファーストキスをしてしまったことを思い出して顔が熱くなった……ああ、駄目だ。思い出すと胸が痛くなる。

どれだけ時間が過ぎただろう。

ラルクが戻って来た。

「子爵領に辺境伯の騎士団がいた。この年恰好の少年を捜しに来ているみたいだ。すぐ連れて行くぞ」

「でもまだ目が覚めてーー」

「だから良いんだ。本人が気づかないうちに引き渡そう。お嬢はアンナ・ナウリーに顔を覚えられているか?」

「一度だけ見られた気がするけど、そのときは正装していたから」

「じゃあ、離れていれば分からないな。彼女も騎士団の方に向かう様子だから、鉢合わせにならないように行くぞ。この子を馬に乗せるから落ちないように縛らなきゃいけないな」

「大丈夫?王族だよ」

「落としてしまえば、大変だろう。馬から落ちないように括るだけだ。俺が馬を引きながら行くから、少し離れて着いて来るんだ」

「うん」

それと何故かラルクは自分の剣を外して私に預けた。

「私兵だって、分かったら身ばれしやすいからな」

やがて見渡しの良い場所に来た時、ラルクは私に待つようにハンドサインを送って、自分だけ王子様を運んで行った。

その先には子爵令嬢のアンナ・ナウリー様がいた。

よかった。ここで待っている方が無難だ。

ラルクならきっとうまくやるだろう。



問答しているうちにあの少年が目を覚まし、ラルクは縄を解いたあと、すぐにこっちに向かって来た。アンナ様が呼び止めていたようだが、そんなこと構わずこっちに向かって来る。

私もそれに呼応するように一緒に走ってこの場所から遠ざかることに成功した。

そして馬に積んでいた布袋から自分の剣とラルクのを取り出した。

帯剣しているのを見られないためである。

「大丈夫だった?」

「お嬢、安心しな。俺のことは子爵領の人間だと思ってるみたいだから」

それを聞いて安心したせいか、どっと疲れが出てきた感じだった。

次の瞬間私は悲鳴をあげた。

「どうした、お嬢?」

「ぺ…ペンダントを返して貰うの忘れてた」

「いや……却って良かったのかもしれないぜ。なぜならあの王子目が覚めて真っ先に自分の首に手をやってペンダントがあるかどうか確かめていたからな。

あそこで盗まれたとか言って騒いだら、俺もただじゃ済まなかった」

「そっか。寝てる間に取り戻さなくて良かったね。王族って物に執着するんだな」

「それは御嬢も同じだろ。あれに何かトロット家の紋章とか彫ってあったか?」

「いや……そんなのはなかった」

「じゃあ、大丈夫だ。知らんぷりしていれば何も起きない」

その日二人は早々に村に戻った。

読んでいただきまして、本当にありがとうございます。


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