デリラン探索記
ラルクが来て私に一冊の本を手渡した。
『デリラン探索記』という本だ。
少年の荷物の中にあったという。
この本は一種の物語だ。出てくる魔物が弱くて比較的安全なものから順番に出て来て、主人公は少しずつ強くなって行くというご都合主義の小説だ。
「まさかこの本の通りになると信じてやってきたのかなぁ?」
「そんなことより、表紙の裏を見ろ」
私は表紙裏に押してある印鑑を見て凍り付いた。
『王室図書館』
「おう…王室図書館って、あのーー」
「王族とか大臣級の者しか閲覧できない筈だ。まして持ち出しできるのは……」
「お……王族? じゃあ、この方は王子様?どうしよう? 私口を合わせて……」
するとあの時夢中で気づかなかった。少年の柔らかい唇の感触が蘇って、顔がかーーーっと熱くなった。
「落ち着け、お嬢。良いか。これから言うことをよく聞け。決してこの子に俺たちの正体を知られてはいけない。絶対名乗るなよ。嘘を言っても駄目だ。それとどうやら呼吸が強くなったから、傷が痛んで熱を出すから湿布をしろ。あと俺が痛み止めの薬茶を出す」
「ということは…うん、わかった。まず湿布用の薬草を集めて、噛んでおく」
「そうしろ。おい、本を戻すぞ」
「うん、この本の最初のページ傷んでるね。大森林に最初の一歩入る時の場面だ。この子これの真似をしてたんだね」
「そんなことどうでも良い。さあ、戻してそれぞれの仕事をするぞ」
「うん」
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