護身のペンダント
ラルクは少年の馬を回収したり、ハーピーを解体したり忙しかったので、私は少年の体を調べた。
「この子、身分のある子だよ。体が綺麗すぎるもの。この服借り物だね。微妙にサイズが合わないし。手に剣ダコがあまりついてないのに、腰の剣は使い慣れた感じだから」
「息してるか?」
「うん、だんだん息が弱弱しくなってる」
「まずいな。ここで死なれたら、身分のある貴族の子だったら……」
「責任を問われる?」
「ああ、村全体の連帯責任に問われるぞ」
そのうちに少年の呼吸が止まってしまった。
大変だ。私は頭が真っ白になってしまった。
「どうする、どうする?」
「息が止まった場合は息を吹き込めば良いんだ。それで戻ったこともある。俺がやるか?」
「だっ、駄目だよ。私がやるよっ」
「お嬢、意味がわかってんのか?」
「そ…そんなこと言ってるばあいじゃないもん。やる。やるから。村全体のためだから」
「鼻を摘まんでやれば、息がにげない」
「うん」
私は一生懸命、息を吹き込んだ。でも口を離すとすぐ呼吸が止まってしまう。
このままだと止まってしまう。どうしよう。
そうだ。私は自分の首から『護身のペンダント』を外して、少年の首にかけた。
するとペンダントトップの魔石が反応して、どんどん魔力を吸い取って行く様子が分かる。
あっという間に魔石に込められた生命力を吸い取ったということは危険な状態だったのだ。
私は再び息を吹き込んだ。
そして少年は完全に蘇生して静かな寝息で眠っていた。
良かった。峠を越えた。
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