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ペンダントの謎

マイケル王子は王城に戻って、体がすっかり回復してから、時々夢を見るようになった。

見知らぬ森の中を馬に乗って進んで行くと、急に魔物が襲い掛かる。

それは女の顔をした鳥型の魔物、ハーピーだ。

夢はそこで途切れ別の夢が始まる。

暗闇の中で横たわる彼の全身が冷えた石のように冷たくなって行く。

そのとき誰かが首にペンダントをかけた。

その途端全身に力が漲り、消えかかった命の火が燃え上がるのを感じた。

彼の口に柔らかい口が押し当てられ、息を吹き込んで来る。

命の息吹が胸の中に吹き込まれて、心臓のの鼓動が力強く打ち始めた。

「大丈夫ですか? どこか痛い所はありますか?」

少女の声が聞こえた。声だけで姿はみえない。


夢はいつもそこで終わった。

彼は朝食をとった後、宮廷魔法師団の若手魔法師バンピールの所に訪ねた。

「例のものできたかい?」

「ああ、殿下ですか? 元通りにしておきました。護身の魔法具として使えますよ」

「ありがとう。付与師の真似事をさせてすまない」

バンピールは護身のペンダントを渡しながら言った。

「実はこの魔法具、私には見覚えがあります」

「えっ、相当昔のものだよ。見覚えがある筈がないじゃないか」

「元ロータス侯爵夫人のビアトリス様がお亡くなる前にこれと同じ護身のペンダントを持っていたのを覚えているんだ。

まだ駆け出しの私が魔力を付与して差し上げたのを覚えている」

「ではこれはビアトリスお祖母様の遺品か?」

「それはない。あれは棺の中に副葬品として納められた筈だから。ここに『2の2』と刻まれているから、同じものが2つ作られていて、これはその2番目という意味だ」

「するとお祖母さまのには『2の1』と刻まれていたのか?」

「いや、何も刻まれてなかった。初めはビアトリス様だけに贈ったものだと思う。その後追加で別の者に贈ってオリジナルと区別するために、そのように刻んだのだろう」

「確かお祖母様は今は滅びたルイン伯爵家の一人娘だった筈。当時の伯爵が自分の娘に贈ったとすれば、対になる2つ目は同列の……」

「恐れながら、それ以上は私も知りませんが」

「いや、そのことは母上に伺えばわかるかもしれない」

「王妃様にですか?」

「それ以外聞く相手はいないだろう」


読んでいただきまして、本当にありがとうございます。


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