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サリー・トロット騎士爵令嬢

(サリー・トロット騎士爵令嬢視点)

私は村に戻ってから風邪をで熱を出して3日間寝込んでしまった。

たった一枚の下着を脱いだだけで、風邪をひくなんてなんて軟弱者なんだと自分でも情けなくなる。

だがラルクはこっそり「名誉の負傷だぜ」と言ってくれる。

そうなんだ。例のことは両親にも内緒にしている。

ラルクと墓場まで持って行こうと秘密の誓をしたんだから。

下着を一枚失ったことが分かったらただでは済まない。

だからこっそり新しいシャツを縫うことにした。

そして子爵側からの情報で、あの少年が第三王子のマイケル殿下だと知った。

王子の救出に関わった領民を捜しているということも聞いたが、その通達はこの村には届いていない。

さらに都合の良いことに、王子に救急処置をしたのはアンナ様だということになっていた。

どうしてそうなったのかは分からないが、誰かが助けていないと辻褄が合わないのでアンナ様がそうなってくれて助かった。

ほとんど村娘と変わらない私が王子様の体に触れるよりも、子爵令嬢の方がまだ猶予の判断がされると思うから。

トロット村には税金がない。もちろん国に上納する国税もない。

国に上納する分は子爵家で出して貰っているからだ。

その代わり、父であるシャイン・トロットが無給で子爵家に私兵として勤めているのだ。

この形態はトロット村だけに採用された方法で、子爵様と父の間の密約でそうなったのだ。

それまでは名もなき村のただの村民だった父は、領主の子爵様を魔獣から命を救った功績で騎士爵を授けられた。

もちろん国に申請をしたのは子爵様だ。

一代限りの爵位だが、子爵様のたっての願いで子爵様付きの騎士となる代わりに住んでいる村を領地として授けられ、国への上納分の税を肩代わりする代わりに無給で仕えることになったのだ。

村人は税金がなくなることで大喜びをし、領主とは別に村長を立てて今まで通りに過ごしてきた。

読んでいただきまして、本当にありがとうございます。


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